2月2日から7日までの5日間、スペインのバレンシアを舞台としたステージレース「ボルタ・ア・バレンシアナ」が開催されている。日本からはキナンサイクリングチームが出場。第3ステージまでのダイジェストをレポートする。
チームプレゼンテーションで紹介されるキナンサイクリングチーム photo:Satoru.Kato
ボルタ・ア・バレンシアナはUCI2.1クラスのステージレース。1929年から2008年まで開催されていたが、今年8年ぶりに復活。過去にはエディ・メルクスやベルナール・イノーらも優勝した事がある伝統の大会だ。
67回目となる今年の大会には、チームスカイ、エティックス・クイックステップ、キャノンデールプロサイクリング、IAMサイクリング、モビスター、カチューシャなどトップチームを含む25チーム191名が出場。トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)、ジャパンカップでもお馴染みのダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)らの名前がスタートリストに並ぶ。
日本からはキナンサイクリングチームが出場。出来るだけ多くの国から出場チームを募りたいレース主催者と、若手の育成と経験値を上げたいキナンサイクリングチームの希望が合致し、今回の出場が叶った。メンバーは、地元スペイン出身のマルコス・ガルシア、オーストラリア出身のジャイ・クロフォードとウェズリー・サルツバーガー、伊丹健治、野中竜馬、中西重智、阿曽圭佑の7名。1月半ばからスペインで合宿をして、このレースに臨んでいる。
第1ステージ ベニカシム~オルペサ・オロペサ・デル・マール 16.25km 個人タイムトライアル
第1ステージの個人TT、スタートする阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru.Kato
個人TT世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)も出場 photo:Satoru.Kato初日は16.25㎞の個人タイムトライアル。この種目の世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)や、タイムトライアルを得意とする地元スペインのルイスレオン・サンチェス(らを押さえて、チームスカイのワウト・ポエルス(オランダ)が優勝。
キナンサイクリングチームはガルシアが約2分遅れの115位。その他ライダーもトップから2分から4分の遅れで初日を終える。伊丹が落車するアクシデントがあったが、幸いにも擦過傷程度のダメージで済んだ。
第2ステージ カスティリオン~フレデス 163.6km
前日の落車の影響が残りながらも最終グルペットでゴールした伊丹健治(キナンサイクリングチー ム) photo:Satoru.Kato
第2ステージを制したダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ) photo:Satoru.Kato
トップから35秒遅れでゴールするジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチー ム) photo:Satoru.Kato
2日目にして標高1,000m超の1級山岳が登場。各チームともまだ序盤で力を温存したいのか、この日のレースは5人の逃げを容認するとゆっくりとしたペースでレースは進行する。残り40kmを過ぎてレースが動き出し、メイン集団は逃げる5人を吸収。残り1kmの登りで飛び出したダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)が後続を2秒離してステージ優勝した。
キナンサイクリングチームは、ジャイ・クロフォードとマルコス・ガルシアがトップから約30秒遅れでゴール。他のライダーも完走して全員第3ステージに繋げた。
第3ステージ サグント~アルジラ 173.5km
残り1kmを前に、メイン集団内で奮闘する野中竜馬(キナンサイクリングチーム) photo:Satoru.Kato
ボーネン、ブアニらが競り合うスプリントをディラン・ゴーネウィン(オランダ、ロットNLユンボ)が制す photo:Satoru.Kato
序盤のアタック合戦に加わった阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム)がゴール photo:Satoru.Kato
3日目は、スタート直後に標高500m弱の3級山岳があるものの、全体的に平坦基調。序盤の早い段階で7人の逃げが容認される。終盤に吸収されて大集団でのスプリント勝負に持ち込まれる。コフィディスの列車を利用して残り150mから前に出たディラン・ゴーネウィン(オランダ、ロットNLユンボ)が優勝した。
キナンサイクリングチームは、序盤のアタック合戦に阿曽が加わり、中西や野中が集団前方をキープするチャレンジを試みた。結果にはつながらなかったものの、この経験から何かを掴んだようだ。
第4ステージは今大会の山場
リーダージャージを擁するチームスカイが集団コントロール photo:Satoru.Kato
第3ステージ終了時で総合首位のワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ) photo:Satoru.Kato
ボルタ・ア・バレンシアナは、6日にオリウエラからゾレ・デ・カティまで141.3kmの第4ステージが、7日にバレンシアにゴールする最終ステージが行われる。特に第4ステージは、3級山岳と2級山岳が連なり、最後は1,000m超の1級山岳を越えてゴールするハードなコースで、総合優勝を決めるレースになると予想されている。キナンサイクリングチームもこのステージを重視しており、コース中盤に2級山岳が2回連続する付近でレースが動いてくると見ている。
ボルタ・ア・バレンシアナ2016 第3ステージ終了時総合時間順位
1位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ) 8時間36分54秒
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) +15秒
3位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ) +22秒
4位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター) +26秒
5位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルクエティックス・クイックステップ) +27秒
6位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +32秒
63位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +3分25秒
98位 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +7分58秒
155位 ウェズリー・ザルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +15分14秒
158位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +15分24秒
165位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +16分02秒
175位 中西重智(キナンサイクリングチーム) +18分49秒
187位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +25分40秒
text&photo:Satoru.Kato

ボルタ・ア・バレンシアナはUCI2.1クラスのステージレース。1929年から2008年まで開催されていたが、今年8年ぶりに復活。過去にはエディ・メルクスやベルナール・イノーらも優勝した事がある伝統の大会だ。
67回目となる今年の大会には、チームスカイ、エティックス・クイックステップ、キャノンデールプロサイクリング、IAMサイクリング、モビスター、カチューシャなどトップチームを含む25チーム191名が出場。トム・ボーネン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)、ジャパンカップでもお馴染みのダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)らの名前がスタートリストに並ぶ。
日本からはキナンサイクリングチームが出場。出来るだけ多くの国から出場チームを募りたいレース主催者と、若手の育成と経験値を上げたいキナンサイクリングチームの希望が合致し、今回の出場が叶った。メンバーは、地元スペイン出身のマルコス・ガルシア、オーストラリア出身のジャイ・クロフォードとウェズリー・サルツバーガー、伊丹健治、野中竜馬、中西重智、阿曽圭佑の7名。1月半ばからスペインで合宿をして、このレースに臨んでいる。
第1ステージ ベニカシム~オルペサ・オロペサ・デル・マール 16.25km 個人タイムトライアル


キナンサイクリングチームはガルシアが約2分遅れの115位。その他ライダーもトップから2分から4分の遅れで初日を終える。伊丹が落車するアクシデントがあったが、幸いにも擦過傷程度のダメージで済んだ。
第2ステージ カスティリオン~フレデス 163.6km



2日目にして標高1,000m超の1級山岳が登場。各チームともまだ序盤で力を温存したいのか、この日のレースは5人の逃げを容認するとゆっくりとしたペースでレースは進行する。残り40kmを過ぎてレースが動き出し、メイン集団は逃げる5人を吸収。残り1kmの登りで飛び出したダニエル・マーティン(アイルランド、エティックス・クイックステップ)が後続を2秒離してステージ優勝した。
キナンサイクリングチームは、ジャイ・クロフォードとマルコス・ガルシアがトップから約30秒遅れでゴール。他のライダーも完走して全員第3ステージに繋げた。
第3ステージ サグント~アルジラ 173.5km



3日目は、スタート直後に標高500m弱の3級山岳があるものの、全体的に平坦基調。序盤の早い段階で7人の逃げが容認される。終盤に吸収されて大集団でのスプリント勝負に持ち込まれる。コフィディスの列車を利用して残り150mから前に出たディラン・ゴーネウィン(オランダ、ロットNLユンボ)が優勝した。
キナンサイクリングチームは、序盤のアタック合戦に阿曽が加わり、中西や野中が集団前方をキープするチャレンジを試みた。結果にはつながらなかったものの、この経験から何かを掴んだようだ。
第4ステージは今大会の山場


ボルタ・ア・バレンシアナは、6日にオリウエラからゾレ・デ・カティまで141.3kmの第4ステージが、7日にバレンシアにゴールする最終ステージが行われる。特に第4ステージは、3級山岳と2級山岳が連なり、最後は1,000m超の1級山岳を越えてゴールするハードなコースで、総合優勝を決めるレースになると予想されている。キナンサイクリングチームもこのステージを重視しており、コース中盤に2級山岳が2回連続する付近でレースが動いてくると見ている。
ボルタ・ア・バレンシアナ2016 第3ステージ終了時総合時間順位
1位 ワウト・ポエルス(オランダ、チームスカイ) 8時間36分54秒
2位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) +15秒
3位 ディエゴ・ローザ(イタリア、アスタナ) +22秒
4位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター) +26秒
5位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルクエティックス・クイックステップ) +27秒
6位 ハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター) +32秒
63位 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +3分25秒
98位 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +7分58秒
155位 ウェズリー・ザルツバーガー(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +15分14秒
158位 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +15分24秒
165位 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +16分02秒
175位 中西重智(キナンサイクリングチーム) +18分49秒
187位 伊丹健治(キナンサイクリングチーム) +25分40秒
text&photo:Satoru.Kato
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