4日間にわたって開催されたチャレンジマヨルカの最終日、トロフェオ・プラヤデパルマで再びアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が勝利。「ゴリラ」と呼ばれるジャーマンスプリンターの2勝目でマヨルカレースは閉幕した。



マヨルカ島内陸部を進むプロトンマヨルカ島内陸部を進むプロトン photo:Challenge Mallorca
逃げるオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)ら逃げるオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)ら photo:Challenge Mallorca


チャレンジマヨルカ最終日のトロフェオ・プラヤデパルマは、マヨルカ島最大の都市パルマ・デ・マヨルカの平坦周回コースにフィニッシュする。残り35km地点で3級山岳が登場するが、161.5kmコースの難易度は低く、レースは序盤からスプリンターチームが支配した。

正式スタートが切られると同時に飛び出したのはオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)、ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)、イマノル・エステベス(スペイン、エウスカディ)という3名。フライレは2015年ブエルタ・ア・エスパーニャで山岳賞を獲得し、今季カハルーラルからディメンションデータに移籍した25歳のクライマーだ。

ロット・ソウダルを中心とした追撃によってエスケープトリオのリードは広がらず、この日唯一の3級山岳でタイム差は急激に縮まる。逃げグループの接近はカウンターアタックを誘発させ、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)やミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)らが飛び出したものの先行は決まらない。結局フィニッシュまで30kmを残して集団は一つに戻り、ロット・ソウダルとボーラ・アルゴン18を先頭にパルマ・デ・マヨルカの周回コースに入った。

集団の中程に一旦下がって隊列を組み直したロット・ソウダルが先頭でリードアウトトレインを発車させる。コフィディスやボーラ・アルゴン18が対抗したもののベルギーチームは主導権を失わず、最終発射台イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ソウダル)が全開スプリントの末に残り150mでグライペルを解き放つ。ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)がぴったりとグライペルの番手に入ったが、そのスリップストリームから抜け出すことは出来なかった。



集団内で走るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)集団内で走るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) photo:Challenge Mallorca
最終スプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)最終スプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Challenge Mallorca


グライペルが4戦2勝。抜群の安定感で他のスプリンターを寄せ付けなかった。ロット・ソウダルのバルト・レイセン監督「今日の展開は木曜日(マヨルカ1日目)よりも良かったと思う。ティエシー・ベノートとティム・ウェレンスがメイン集団を牽引し、逃げを吸収してからも状況をコントロールした。プロ1年目のフレデリック・フリゾンが素晴らしい走りでクヴィアトコウスキーやスティバルのアタックを封じ込め、最終的に我々はスムーズな列車を発進させた」と完璧なチームの勝利を振り返る。

「4日間を通して良い成績を残せたと自負している。アンドレが2勝を飾り、山岳コースではティエシーとティムが上位に絡んだ。アンドレの活躍だけでなく若手の成長を実感する4日間だった。今日のレース後、選手たちは60km自走してホテルに帰る。明日は休息日で、火曜日から3日間このマヨルカ島でトレーニングライドをする」(ロット・ソウダル公式サイトより)

早くもシーズン2勝を飾ったグライペルは、2015年と同様にドバイツアーやツアー・オブ・カタールなどの中東レースに出場せず、次戦は2月17日にポルトガルで開幕するヴォルタ・アン・アルガルヴェを予定。その後パリ〜ニースに出場し、北のクラシックを連戦する予定だ。



チャレンジマヨルカ2016トロフェオ・プラヤデパルマ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)            3h50’53”
2位 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス)
3位 ディラン・ペイジ(スイス、チームロス)
4位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・アルゴン18)
5位 アルベルト・トレス(スペイン、スペインナショナルチーム)
6位 ヨナス・ファンへネヒテン(ベルギー、IAMサイクリング)
7位 ヨウセフ・レグイグイ(アルジェリア、ディメンションデータ)
8位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール)
9位 ロレンソ・マンジン(フランス、FDJ)
10位 マルク・サロー(フランス、FDJ)

text:Kei Tsuji
photo:Bettini Photo

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