12月18日、ASO(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)はツール・ド・フランスを含む主催レースを2017年のUCIワールドツアーカレンダーから外すと発表した。UCIワールドツアールールにとらわれないHC(超級)レースとして開催するとしている。



A.S.O.クリスティアン・プリュドム氏A.S.O.クリスティアン・プリュドム氏 photo:Cor VosA.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏A.S.O.のジャンエティエンヌ・アモリー氏 photo:Kei TsujiUCI会長ブライアン・クックソン氏UCI会長ブライアン・クックソン氏 photo:CorVosASOとUCI(国際自転車競技連盟)の間に生まれた溝は深い。2017年に向けてUCIワールドツアーの改革を目指しているUCIに対し、レース主催者最大手であるASOがNOを突きつけた。

「本日、ASOは2017年に主催するイベントをHCカレンダーに登録することをUCIに通告した。UCIは2017年シーズン以降のUCIワールドツアーカレンダーを閉鎖的なスポーツのシステムに則って改革しようとしている。伝統的なイベントの価値を維持するために、ASOはスポーツ性を最優先したオープンなシステムを重視するヨーロッパのモデルを今後も引き継ぐ」と、ASOはプレスリリースの中で発表した。

全27戦あるUCIワールドツアーレースのうち、ASOが主催するレースはツール・ド・フランス、パリ〜ニース、パリ〜ルーベ 、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの6レース。子会社ウニプブリクが主催するブエルタ・ア・エスパーニャを含めると7レースある(2015年現在)。ASOの声明によると、上記の7レースは2017年のUCIワールドツアーから離脱し、HCレースとして開催される。

現状UCIワールドツアーレースには18あるUCIワールドツアーチームの他に、主催者が選ぶワイルドカード枠のUCIプロコンチネンタルチームが出場可能。仮にツールがHCレースとして開催されることになれば、出場可能なUCIワールドツアーチームは22チームのうちの70%。つまり上限15チームで、3チームが出場不可となる。ASO独自の判断によって、出場するUCIワールドツアーチームの数はより少ないものになる可能性も。

UCIワールドツアーから離脱することによって単純にASOの自由度が増し、ルールにとらわれない効率的なレース運営が可能となる。逆にUCIワールドツアーチームであってもツールをはじめとするビッグレースへの出場権が確約されないため、チームのスポンサー交渉などに大きく影響するだろう。

ASOとUCIの軋轢は今回が初めてではなく、長年ロードレースの主権を争ってきた歴史がある。UCIが2005年にUCIプロツアー制度を導入した際にもASOは反発。2008年には今回同様ASO主催レースがUCIプロツアーから離脱している。2009年と2010年はASO主催レースはUCIヒストリカルレースとして開催された。

今回のASOの発表を受けてUCIは即座にプレスリリースを出して反応。UCIワールドツアーの改革はPCC(プロフェッショナル・サイクリング協議会)の認可を受け、UCIマネージメント委員会に批准され、利害関係者の間のオープンな意見交換によって進められてきたことを強調した。今回の改革は「関係者全員に安定をもたらし、既存の利益を保護しながら我々のスポーツに持続的な成長をもたらすもの」であり、バランスをとりながら今後も改革を進めていく姿勢だ。

text:Kei Tsuji

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