2016年もUCIプロコンチネンタルチームとして活動するイタリアのNIPPOヴィーニファンティーニに小石祐馬(CCT p/bチャンピオンシステム)と、グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)が加入することが発表された。



フランドル地方の名物のオウデクラワモントを走る小石祐馬フランドル地方の名物のオウデクラワモントを走る小石祐馬 photo:Sonoko TANAKAU23アジアロードチャンピオンならびにU23全日本タイムトライアルチャンピオンの小石祐馬が、エリート1年目の2016年シーズンをNIPPOヴィーニファンティーニで走る。2014年に同チームの前身であるヴィーニファンティーニNIPPO(UCIコンチネンタル)で走った小石は、2015年CCT p/bチャンピオンシステム(UCIコンチネンタル)に所属。22歳の小石はチームユーラシア時代からヨーロッパでのレース活動を続けている。

ロード全日本選手権タイムトライアルで優勝した小石祐馬ロード全日本選手権タイムトライアルで優勝した小石祐馬 photo:Yuya.Yamamotoプレスリリースの中で小石は「まず、2016年NIPPO・ヴィーニファンティーニで走れることを嬉しく、また期待に応えられるように精一杯頑張りたいと思います。今年はU23カテゴリー最後の年でしたが、U23日本ナショナルチーム、そしてベルギーでの『CCT p/b チャンピオンシステム』の活動でとても良い経験をさせていただきました。来年からは年齢別カテゴリーもエリートになり、さらに所属チームもプロコンチネンタルチームとなりますので、出場するレースやチームから求められる走りのレベルは必然と高くなります。このチャンスを活かせるように、これまで得た経験を十分役立てて、より一層成長し、世界で勝負できる選手を目指したいと思います」とコメントしている。

グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)グレガ・ボーレ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコウィチェ) photo:Tim de Waele小石と同様、2014年ヴィーニファンティーニNIPPOに所属していたスロベニアのグレガ・ボーレがポーランドのCCCスプランディ・ポルコウィチェ(UCIプロコンチネンタル)から古巣に移籍する。今シーズンはドバイツアー総合7位、ミラノ〜サンレモ16位、ジロ・デ・イタリア第7ステージ8位、GP西フランスプルエー4位(2011年優勝)という成績を残した。

「再び家族のようなチームに戻れることを嬉しく思っています。このチームは真剣にレースに向き合う反面、いつも笑顔が絶えず、また大きな情熱をもったチームです。自分のことを信じてくれるスポンサーやチーム関係者にも感謝しており、来季はチームメートたちと協力して、より多くの勝利を目指したいと思っています。また日本のレースを走れることも、とても大きな楽しみです。日本のファンは世界ナンバーワンだと思っています」とボーレ。30歳のオールラウンダーはダミアーノ・クネゴ(イタリア)とともにチームの要になるだろう。

チームはすでに全日本チャンピオン窪木一茂の加入を発表済み。福島晋一が監督としてチームに加わる。チームは11月19日からイタリアでボーレやイタリア人選手参加のプレキャンプを行い、メディカルチェックなどを実施。12月9日から日本人選手も参加するトレーニングキャンプをイタリア・ペスカーラで行う予定だ。

大門宏マネージャー/監督のコメント
今年、小石が所属していたベルギーで活動するコンチネンタルチームは日本の若い有力選手にとって理想的な環境だっただけに、メインスポンサーの撤退による解散は残念な出来事だった。日本人だけにかぎらず、近年ヨーロッパでも外国人を受け入れ、強化できる環境、技量をもったチームが減ってきているのが現状だ。

2014年、ヴィーニファンティーニ・NIPPOで指揮を執っていたステファノ・ジュリアーニ監督も才能に長けた小石の“復帰”を歓迎している。昨年から今年にかけ、小石も大きく成長したが、将来的に本場のプロの世界で成功するためには、カテゴリーが変わる来季の成績が大きな鍵になる。ヨーロッパ人でもワールドツアーまで登りつめる選手は、エリートの壁を感じさせない片鱗を見せるもので、小石も足踏みは許されない。『エリート1年目だから仕方ない』と周りから決して言われないように、必死に頑張ってもらいたいと願っている。

ボーレとは2014年の途中から活動を共にし、彼からは“プロの真髄”という点で多くのことを学んだ。昨年のオフシーズンに残留か移籍か本人が迷ってた最中、彼が冗談で『1年走ってまた戻ってくるぜ!』と、明るく別れたことが懐かしい。まさか現実になるとは(ワールドツアーチームへの返り咲きを狙ってた?)本人のためを思えば思うほど複雑な心境だが、決して後悔させないようにプロコンチネンタルチームとして、精一杯の刺激的な環境を築きたいと思っている。2014年は小石とも相性が良かったので、日本人の成長に大きな影響をもたらしてくれることを期待したい。

text:Kei Tsuji

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