10月24日(土)に、さいたま市中心部で行われた『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム2015』。レースだけでなく、周辺イベントやグルメなどを楽しむ観客目線からレポートします。記事後半ではASO広報担当を務めた山崎健一さんのお話も聞きました。



オフィシャルサポーターになるとついてきた公式ジャージとバッヂでキメていますオフィシャルサポーターになるとついてきた公式ジャージとバッヂでキメています マイヨジョーヌとマイヨヴェールを着た小さなファンマイヨジョーヌとマイヨヴェールを着た小さなファン


本レポートを担当するのは自転車が最近好きになった原宿ファッション、V系、マンガ、アニメ系ライターの戸崎友莉。私自身、初心者マークのいち女性観客としての目線から、観戦ポイント選びのコツやささやかな楽しみ方などをレポートをしていこうと思います。

10月24日、日曜日のさいたま新都心駅には、早朝からたくさんのサイクルロードレースファンが集った。その年のツール・ド・フランスの成績優秀選手が来日し、さいたま副都心でクリテリウムレースを繰り広げる1年に一度の祭典・さいたまクリテリウムには、毎年開催を心待ちにしてるファンが多数来場する。参考までに昨年度大会の観客動員数は20万人と発表されている(今年はまだ集計中)。

体験走行ではパレード気分でコースを走ることができた体験走行ではパレード気分でコースを走ることができた 黄色いシャツを着て体験走行を楽しむ黄色いシャツを着て体験走行を楽しむ


まず、さいたまクリテリウムはさいたまスーパーアリーナの周辺の道路を封鎖して行われる都市型クリテリウムレースだが、コースは全長約3km強。コース外周を歩いて回ろうと思うとなかなか時間がかかるうえに、交通規制されて通れない道もあるので、事前に公式HPで公開している地図をチェックして、観戦ポイントを定めておくことをオススメする。つまり、レース中に動きまわることはなかなか難しいと思ったほうがいいのです。

さいたまクリテを盛り上げたポタガール埼玉の皆さんさいたまクリテを盛り上げたポタガール埼玉の皆さん スレートバイクに乗った日本女性は普段審判の活動をする久保国恵さん「一生に一度の経験で、夢のような1日でした」スレートバイクに乗った日本女性は普段審判の活動をする久保国恵さん「一生に一度の経験で、夢のような1日でした」


ホームストレート前 昨年よりも観戦しやすかったようだホームストレート前 昨年よりも観戦しやすかったようだ photo:Makoto.AYANO
さいたまるしぇとサイクルフェスタを楽しむ

サイクルロードレースは、もちろん沿道で観戦するのがエキサイティングではあるが、大型モニタでパブリックビューイングを楽しむのもひとつの方法。パブリックビューイングポイントは毎年数点設けられているので、そちらもぜひチェックしていただきたい。

サイクルフェスタのキッズたちの自転車体験ゾーンは大賑わいだったサイクルフェスタのキッズたちの自転車体験ゾーンは大賑わいだった スポーツバイクが乗って試せる試乗コーナースポーツバイクが乗って試せる試乗コーナー


さて、筆者は毎年さいたまクリテリウムに行くとき、少し早めの時間に駅について『サイクルフェスタ』に行くことにしている。さまざまな企業やブランドなどが出展し、サイクルジャージからパーツまで、さまざまなグッズを販売している。パブリックビューイングのモニタはこちらの広場にも用意されているので、座りながら観戦したい方にもオススメだ。

大盛況のさいたまるしぇ会場大盛況のさいたまるしぇ会場
さいたまるしぇでは音楽のステージもさいたまるしぇでは音楽のステージも 即興の生演奏も楽しめる自由さがあった即興の生演奏も楽しめる自由さがあった


さらにはスポーツバイクの試乗体験や、子どもの自転車教室など、自転車初心者も楽しめるアクティビティが用意されているので、初めて参加される方はぜひお立ち寄りいただきたい。ちなみに、今年は子ども自転車教室がものすごい人気で、午前中ですでに申し込みが満員になっていた。筆者の個人的所感では、サイクルロードレースイベントへの小さな子ども連れでの参加は、年々増えている気がする。イベントへ親子で気軽に参加できる環境が整うのは大歓迎だ。

サイクルフェスタ会場は家族連れでも楽しめる工夫がいっぱいだサイクルフェスタ会場は家族連れでも楽しめる工夫がいっぱいだ かなり本格的な料理が楽しめるのが素晴らしいかなり本格的な料理が楽しめるのが素晴らしい フランスのシャンパーニュはいかがですか?フランスのシャンパーニュはいかがですか?


広場にあるテーブルを囲んで、青空の下ロードレース話に花を咲かせながら杯を交わす人々の笑顔が、とてもまぶしかった。ただし、自転車の自走で来ている方は、飲酒には注意されたい。『さいたまるしぇ』の周辺では、路上パフォーマンスやライブなども行われているため、レース前やレース間の時間に鑑賞するのも一興だ。

フランスのビール「1664」も販売されていましたフランスのビール「1664」も販売されていました フォアグラ丼をさばくシェフ。思わず惹かれてしまいますフォアグラ丼をさばくシェフ。思わず惹かれてしまいます


美味しそうな匂いが漂ってきます美味しそうな匂いが漂ってきます フランス風ランチボックスが販売されていたフランス風ランチボックスが販売されていた


そうこうしているうちにコースの封鎖が完了し、コース周辺に人垣ができはじめる。今年は午前10時から観覧エリアが開放されていたが、個人的な所感では12時ころから観覧エリアが混み始めるイメージだ。

13時からの個人タイムトライアルレースが始まると、沿道は国旗やボードなどを掲げて応援する人で満員に。応援しているチームのジャージを着用するだけでなく、フェイスペイントする人、応援ボードを掲げる人、旗を振って応援する人、さまざまな応援スタイルが沿道に見られる。

チームスカイのファンが沿道に多く目立ったチームスカイのファンが沿道に多く目立った photo:Makoto.AYANOさいたま新都心のビル群を駆け抜けるさいたまクリテリウムのプロトンさいたま新都心のビル群を駆け抜けるさいたまクリテリウムのプロトン photo:Makoto.AYANO


クリス・フルームの愛猫のお面で応援するチームスカイのファンクリス・フルームの愛猫のお面で応援するチームスカイのファン photo:Makoto.AYANO観客のなかに小さな悪魔が観客のなかに小さな悪魔が photo:Makoto.AYANO


ちなみに、自身の応援グッズを持って来ていない人も、レース中はバルーンスティックを配っているスタッフが沿道に多数いるので、ぜひそちらをもらってみてはいかが?。また、さいたまクリテリウムの1週間前に宇都宮で開催されたジャパンカップでも見られた光景だが、今年はトレック・ファクトリーレーシングのチームジャージを象ったバルーンを持った人が多数見られた。どうやら会場内ではジャージを着たトレック・ガールがバルーンを配っていた様子。こうした細かいところにも、イベントを盛り上げるための工夫が盛り込まれていることに注目したい。

バルーンを配って歩くトレックファクトリーレーシングガールバルーンを配って歩くトレックファクトリーレーシングガール photo:Makoto.AYANO
手作りのボードで応援する。まさにツール・ド・フランスと同じスタイルだ手作りのボードで応援する。まさにツール・ド・フランスと同じスタイルだ 手作りのデコ団扇で盛り上げる沿道の応援団手作りのデコ団扇で盛り上げる沿道の応援団 photo:Makoto.AYANO


15時からのメインレースが始まると、沿道は黒山の人だかりである。この時間までには観る場所を確保しておこう。クリテリウムレース観戦のいいところは、選手が周回数分目の前を通ること、イコールさまざまなドラマ展開を目の前で観戦できるところだと思う。

目の前を通るツール・ド・フランスで活躍する選手たちに興奮する目の前を通るツール・ド・フランスで活躍する選手たちに興奮する photo:Makoto.AYANO
2015年の本レースは、スプリントポイント賞に輝いた畑中勇介選手(チーム右京)の敢闘や、終盤に向けての新城幸也選手(チーム・ユーロップカー)の逃げなど、日本人選手の活躍が輝かしかった。オールスター揃い踏みの逃げから総合優勝のジョン・デゲンコルブ選手(チーム・ジャイアント・アルペシン)がゴールラインに到達したときゴール付近で観戦していた客席は熱狂したに違いない。

ゴールスプリントで伸びるジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン)ゴールスプリントで伸びるジョン・デゲンコルブ(ジャイアント・アルペシン) photo:Makoto.AYANOオフィシャルサポーターには登壇選手たちと一緒に記念撮影する権利もオフィシャルサポーターには登壇選手たちと一緒に記念撮影する権利も


表彰式では、今年でチームユーロップカーを離れる新城幸也選手にチームメイトたちから感謝の花束が贈られるなど、サプライズな展開も。コミュニティアリーナに詰めかけたたくさんのオフィシャルサポーターの方々も、選手に熱い拍手と声援を贈って式を盛り上げていた。オフィシャルサポーターになるとこのアリーナ内の席が確保でき、ランクに応じてチームピットの選手に近づける権利もある。有料だが、満足度は高そうだ。

息子と日本滞在を楽しんだヤロスラフ・ポポヴィッチ。明日はディズニーランドへ行くという息子と日本滞在を楽しんだヤロスラフ・ポポヴィッチ。明日はディズニーランドへ行くという photo:Makoto.AYANOツール・ド・フランスさいたまクリテリウム。日本側のスタッフとして昨年の第1回大会より運営に携わるA.S.O(アモリー・スポーツ・オルガニザシオン)アタシェドプレスの山崎健一さんに、今大会を終えての実感を訊いた。

タイムトライアルにはツール・ド・フランス同様とはいかないまでもスタート台が設置されたタイムトライアルにはツール・ド・フランス同様とはいかないまでもスタート台が設置された photo:Makoto.AYANO山崎さん: 今まではさいたまるしぇ、サイクルフェスタ、クリテリウムレースの連携が今一つという声が聴かれたのですが、今年はその3つのイベントが更にうまく連携して相乗効果が最大限発揮されたと感じています。フェスタ会場のパブリックビューイングなどで座ってレースを観た人も多く、いい意味で観客の皆さんが分散していた印象です。沿道の混雑ぶりが緩和された事を実感された来場者も多いと思います。

先導する赤いディレクターカーはツール同様。しかしアレーナ内の車両通行規制により小型車が使用された先導する赤いディレクターカーはツール同様。しかしアレーナ内の車両通行規制により小型車が使用された photo:Makoto.AYANO観客動員数など細かなデータは目下さいたま市が集計中であるため、正確な数字が出てくるには時間がかかるのですが、コース沿道だけでなく、さいたまるしぇ、サイクルフェスタへと行き来する人は確実に増えたように思います。観戦スペースやアリーナ内のキャパシティも向上していますので、観客数に関わらず余裕を持って観戦する事が出来たのではないでしょうか。

フランステレビジョンのベテランスタッフが収録。本格的映像で世界に配信されたフランステレビジョンのベテランスタッフが収録。本格的映像で世界に配信された レースだけでなく、自転車に興味の無い方にでも楽しめるイベントが周りにある。
「自転車ファンだけで楽しむのではなく、自転車ファンではない同伴者にも楽しめる場所がある」という事は、A.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシオン)がフランスの本大会においても細心の注意を払っている点です。A.S.O.がこのイベントに望むのは「お祭りのハコ」であり、ツール・ド・フランスや自転車ロードレースに詳しくなくても雰囲気だけで楽しむことが出来る。それが大事だと考えています。
「誰が勝った、活躍したなどとレースだけを観に行くのでなく、イベント全体で楽しんでもらうお祭りのようなもの」。本家ツール・ド・フランスも正にそのような感じです。

そもそもさいたまクリテリウムはA.S.O.にとって「自転車ロードレース&ツール・ド・フランスというお祭りの普及」を目的としています。日本人にとってツール・ド・フランスを本場に観に行くのはやはり至難の業です。よってツールの有名選手を日本に連れて行き、ツール・ド・フランスの魅力を凝縮してお披露目する、という事がA.S.O.のやりたい事なんです。3回目の大会となり、運営的にもスムーズになりましたし、トラブル対応も例年以上に素早く、とてもしっくりしてきたと思います。

蛇足ですがフランスA.S.O.スタッフ達も、ここ数年でメキメキと日本語を習得してきていますね。「じてんしゃ」とか「にげ」とか、はたまた「とんこつしょうゆらーめん」などなど(笑)

日本におけるツール・ド・フランスさいたまクリテリウムの知名度はもちろん上がっていますが、今年も国営放送局フランステレビジョンが映像を収録してフランス国内のゴールデンタイムにかなりの枠を使って放送していました。ユーロスポーツ他世界170カ国でも放送されており、海外へのさいたま市の名前のPRという面でも非常に大きな効果があったようです。

来年の事についてはまだお話し出来る段階ではありません。さいたま市側の判断をコメントする立場にはないのですが、A.S.O.側は今年も好感触を得ていると言っていいと思います。来年開催に期待したいですね。

text:Makoto.AYANO
photo:Yuichiro.Hosoda,Makoto.AYANO,Yuri.Tozaki

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