2015年から幅広いラインナップを一挙発表し、一躍ホイールブランドとしての顔を併せ持ったヴィットリア。様々な特徴を持つミドルグレードのクリンチャーホイール、「ELUSION NERO」をインプレッションした。


ヴィットリア ELUSION NEROヴィットリア ELUSION NERO
プラズマ電界酸化皮膜処理を施したアルミリムプラズマ電界酸化皮膜処理を施したアルミリム 前後でハイトの違うリム。フロントが26mmに対して左右非対称デザインのリアは28mm前後でハイトの違うリム。フロントが26mmに対して左右非対称デザインのリアは28mm


今回インプレッションするホイールは、8つのヴィットリアホイールのロード用ラインナップ中、ミドルグレードに当たるELUSION NERO。NERO(ブラック)という名称からもカーボンホイールをイメージさせるが、リムはプラズマ電界酸化皮膜処理を施したアルミ製。オールブラックの精悍なフォルムが特徴的な一本だ。

ブレーキ面は円周方向にカットを入れることで、被膜処理と共にブレーキング時の制動力を極限まで高めており、グランツールに登場するような長距離のダウンヒルで効力を発揮する。

剛性と強度の面から前後でリムハイトが異なり、フロントが26mmに対して左右非対称デザインのリアは28mm。ストレートプルタイプのスポーク数はフロント16H、リアが2:1のスポーク比による21Hという組み合わせが選択されている。トレンドに則ったリアのワイドフランジなど、いかにも高剛性を狙った意図が汲み取れる。

スポークは剛性に優れるストレートプルスポークは剛性に優れるストレートプル 工具無しでシマノ、カンパニョーロどちらのカセットにも交換することができるSwitchIT フリーホイール工具無しでシマノ、カンパニョーロどちらのカセットにも交換することができるSwitchIT フリーホイール


ヴィットリアがジロ・デ・イタリアなどでニュートラルサービスを行う観点から導入された「SwitchIT フリーホイール」が搭載されていおり、工具無しでシマノ、カンパニョーロどちらのカセットにも交換することができるのだ。それではインプレッションに移ろう。



インプレッション:「高剛性で扱いやすい 高い制動力がこれほどライドを楽にしてくれるとは」

「タイヤメーカーが作るホイール?」とタカをくくっている方も当然いるだろう。しかし安心して欲しい。ヴィットリアは本気だ。このホイールの質の高さは、一度乗ってみれば絶対に分かる。

ヴィットリア公式サイトの謳い文句通り、このホイールは紛れもない「レーシングホイール」である。とにかくリム剛性が高く、スポークテンションもキンキンだ。加速にもこの硬さが役立つゆえ、ゼロ発進からスプリントまで一縷のよどみが無い。

オールマイティで登坂でも使いやすい。高剛性が速度の掛かりに活きるオールマイティで登坂でも使いやすい。高剛性が速度の掛かりに活きる
軽量を掲げるホイールではないため、リムの重量はそこそこ感じる。剛性が高いことで路面の衝撃を容赦なく脚や身体に伝えてくるが、このあたりは同社のCORSAシリーズなど、シルキーなタイヤと組み合わせるとバランスが高まるだろう。

また、巡行性能も高く、一度速度を乗せてしまえばスピード維持が行いやすいようにも感じた。感覚的には40〜50mmリムハイトのホイールと似通っているようにも思う。

ロープロファイルのホイールだけに扱いやすく、下りコーナーの切り返しでもクセがなく、ナチュラルでキビキビとしている。そして峠を下り終わったあと、筆者はこう思った。「制動力は正義だ」。

ブレーキシューは専用品。磨耗は早めだが、交換品は買い求めやすい価格で販売されているブレーキシューは専用品。磨耗は早めだが、交換品は買い求めやすい価格で販売されている プラズマ電界酸化皮膜処理を施したアルミリム。カットは円周方向に加えられているプラズマ電界酸化皮膜処理を施したアルミリム。カットは円周方向に加えられている 当て効きの段階から制動力がスムーズに立ち上がり、ブレーキレバーを握り込むほどに「グッ、グググッ!」と ブレーキシューが強力に食いついていることが分かる。リムのカット(ヤスリ目状の溝)がマヴィック・エグザリットとは違い単一方向であるため、制動力で比較すればエグザリットよりも若干分が悪い。しかし一般的なリムと比較すればその違いは圧倒的だし、きつい下り勾配が連続して続く場所でも下ハンドルではなく、ブラケットポジションで余裕を持ってクリアできた。

付属品の数々付属品の数々 神経質な下りでも余裕が生まれるから、頭も身体も疲れない。試用期間中には雨の下りを走ることもあったが、特にウェットコンディションでの安定感は、一度使ったら普通のリムには戻りたくないと思ってしまうほど。いやはや、絶対的な制動力が正義であることを改めて思い知らされたのである。

このタイプのブレーキではシューの減りが早いことが通例だが、ELUSION NEROも多分に漏れず、特に使い始めは目に見えてシューの磨耗が早かった。制動力とのトレードオフであるので致し方ないが、それを鑑みてヴィットリア・ジャパンからは交換用専用シューが買い求めやすい価格でリリースされているからありがたい。ライフサイクルが早いことはつまり、シューの硬化による制動力低下を未然に防げるという見方もできるだろう。

ELUSION NEROの価格は前後ペアで109,300円(税抜)というもの。同価格帯はマヴィック・キシリウムエリートやフルクラム・レーシング3、シマノ・WH-9000-C24-CLなどライバル製品が多く存在するが、その中においても性能的な価値は十分に高く、かつカーボンモデルのようなオールブラックのルックスは唯一無二の存在と言って良い。

ヒルクライム性能に特化して考えれば、WH-9000-C24-CLに代表される軽量ホイールが秀でる。しかしELUSION NEROの高速巡行性能はそれらに無いものであるし、制動力の高さは握力に自信が無い方や、女性、キッズライダーのダウンヒルで大きな助けになってくれるはず。まだ登場から間も無いヴィットリアのホイールだが、その完成度、コストパフォーマンスは非常に高いと感じた。定番アルミホイールに名乗りを上げた、新世代の意欲作だ。



ヴィットリア ELUSION NERO スペック
リムハイト:26mm(フロント)、28mm(リア)
スポーク:ストレートプル、18H(フロント)、21H(リア)
ハ ブ:SwitchIT フリーホイール
重 量:1,576g
付属品:ホイールバッグ、セラミックブレーキシュー
価 格:109,300円(税別、前後ペア)

text:So.Isobe

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