伝統のトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネで、必勝態勢を敷いたアスタナのヴィンツェンツォ・ニーバリが独走勝利。精鋭グループを一発のアタックで振り切り高々とガッツポーズを決めた。



集団内でヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が走る集団内でヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が走る photo:Tim de Waele1919年に第1回大会が開催され、今年で開催95回目を迎える伝統のワンデーレース、トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ。舞台となるのは北イタリアのロンバルディア州で、2つのカテゴリー山岳を含む83.3kmを走行後、ヴァレーゼを中心とした12.8kmの周回コースを9周する。

独走でゴールに飛び込むヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)独走でゴールに飛び込むヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waeleゴール1.5km手前までは2kmほどの緩斜面が用意されており、毎年少集団スプリントないしは逃げ切りが決まっているレース。昨年の覇者はミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)で、歴代優勝者リストにはダヴィデ・レベリン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)やダニエル・マーティン(アイルランド、キャノンデール・ガーミン)と言った名が連なる。

声援に応えるヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)声援に応えるヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Tim de Waeleスタート直後から山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)も加わったアタック合戦が続き、およそ30kmを経過して20人という逃げグループができあがる。しかしヴィンツェンツォ・ニーバリ、ファビオ・アル、ミケーレ・スカルポーニ、ディエゴ・ローザ(全員イタリア)というグランツアーさながらの必勝態勢を敷いたアスタナが集団をコントロールし、徐々に差を詰めていく展開に。

高速で推移する中、大きなエスケープは周回コースでキャッチされ、代わってアルノー・ジャネソン(フランス、FDJ)とステファノ・ピラッツィ(イタリア、バルディアーニ・CSF)が2分半差を持って逃げたものの、アップダウンの続くコースはアスタナ率いる集団に味方した。

ラスト1周回突入時でメイン集団は30人ほど。ローザとティラロンゴが牽き続ける集団からはアンドレア・フェディ(イタリア、サウスイースト)がアタックしたものの、暫くの独走の後に引き戻される。すると最後の登坂を前に先頭に立ったニーバリが、追従するジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)やティボー・ピノ(フランス、FDJ)らを登坂力で引き離した。

トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ2015表彰台。ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が中央にトレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ2015表彰台。ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)が中央に photo:Tim de Waele
一発の攻撃で独走に持ち込んだニーバリは、追走する精鋭集団を振り切ってそのままゴールへ。不意のブエルタ失格以降イタリアのワンデーレースでコンスタントに成績を残していたが、ここでHCレース優勝に繋げた。レース後には「この成功はチームメイトのおかげ。彼らに感謝しなければならない」と語った。

また山本元喜は150km地点で途中リタイア。「心拍数の平均値がかなり高かったので今日は相当ハードなレースだったという事が理解できた。途中で遅れた際に今までであれば諦めていたところで頑張って復帰できたのは良かったと思う。しかし、その後何もできずに千切れてしまっていたので反省すべきところであると思う。明日からのレースも引き続き頑張っていきたい」と自身のブログに綴っている。



トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ2015
1位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)            4h44'09"
2位 セルゲイ・フィルザノフ(ロシア、ラスヴェロ)                +08"
3位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 シモーネ・ポンツィ(イタリア、サウスイースト)
5位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
6位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
7位 ケニー・エリッソンド(フランス、FDJ)
8位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
9位 アントニオ・パリネッロ(イタリア、ダミーコ・ボッテキア)
10位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、サウスイースト)

text:So.Isobe


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