エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)のステージ2勝目&首位奪還が決まったブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ。翌日の山岳決戦を見据える選手たちのコメントをお届けします。



マイヨロホを奪回したエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)

今大会2本目のシャンパンを開けるエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)今大会2本目のシャンパンを開けるエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tim de Waeleまた勝ったなんて信じられない!長く、暑く、ハードなステージだった。レース中盤にマシュー・ヘイマンと話をして、彼に『調子が良いならアタックするべきだ。明日はまたどうなるか分からないから』と言われ、アタックすることを心に決めた。ダリル・インピーにサポートされて集団前方で登りをスタートさせ、集団のペースを作っていた(モビスターの)アンドレイ・アマドールが苦しんでいるのを見てアタック。そのままフィニッシュまで突き進んだ。

レッドジャージを取り返すことが出来てとても幸せな気分。チームメイトやスタッフに今一度感謝したい。今日も彼らの働きは素晴らしかった。昨日ステージ優勝したカレイブ・イワンも今日はボトル運びに徹してくれた。このチームはまるで家族だ。

総合首位の座を失ったトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)

5秒遅れでフィニッシュするトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン)5秒遅れでフィニッシュするトム・ドゥムラン(オランダ、ジャイアント・アルペシン) photo:Tim de Waeleチームの働きは素晴らしく、良いポジションで最後の登りに突入。そこから全開で登りを進んだ。ライバルたちの動きを警戒していた時に、急勾配区間でチャベスがアタック。突然のアタックに驚き、すぐには反応出来なかった。

ローソン(クラドック)の強力な牽引でタイム差を詰め、そこからカウンターアタックして追撃したものの追いつかなかった。リーダージャージを失ったことは残念だけど、ミスなく走ったので被害を最小限に抑えることが出来た。今日はチャベスが強かった。その事実を受け入れなければならない。

ステージ5位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

登りの麓でアタックしてフィニッシュラインまで独走。チャベスは総合における危険なライバルの一人だと再確認した。まだブエルタは長いけど、彼は最終的な総合争いに残るかもしれない。

今日の登り自体は短く、そこまで勾配がなかったのでタイム差はつかないと予想していた。調子も良いし、チームの働きも素晴らしい。難易度の高い山頂フィニッシュが設定された明日も今日のような安定感で走りたい。

ステージ8位に入ったラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)

気温45度に達するようなめちゃくちゃ暑い1日。最後の登りは厳しかったけど、極めて厳しかったというとそうでもなく、集団はハイペースで登りを進んだ。常に集団内で走り、スプリントしながらフィニッシュ。チームのポジション取りも素晴らしかったし、ステージ8位という成績には満足している。今日は多くの選手が暑さに苦しんだはず。明日の山頂フィニッシュは距離が長く、もっとハードな展開になる。

日に日に調子は良くなっているけどまだまだブエルタは長い。総合タイムを失っていないし、総合上位陣から遅れを取っていない。ブエルタを決めるのは3週目の走り。まだ予想するには時期尚早だけどね。

総合9位につけるナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

数秒を失ったけど、3週間の戦いの中では些細なもの。ここまで自分向きのステージがなかったけど、順調に6日間をこなせている。(同じコロンビア出身の)チャベスが総合首位に返り咲いたことを嬉しく思うよ。コロンビアにとって素晴らしいことだ。

逃げグループから独走したスティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)

持ち前の独走力で単独逃げを試みるスティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ)持ち前の独走力で単独逃げを試みるスティーブ・クミングス(イギリス、MTNキュベカ) photo:Tim de Waele暑さは自分に味方した。今日はスタート直後からアタックが始まり、様々な思惑が入り混じったため逃げグループ形成まで長い時間がかかった。断続的な動きに対してチームは常に選手を送り込んでいたし、60〜70km経過してようやく逃げに成功。でも総合3分遅れのゴティエが逃げに乗ったことで、メイン集団は大きなタイム差を許さなかった。

しっかりと補給を取りながらタイム差が広がればいいなと楽観視していたけど、タイム差は縮小するばかり。組織的な追撃が崩ればいいのに、メイン集団に混乱が起こればいいのにと願いながら独走に持ち込んだけど逃げきれなかった。まだ数日のうちに逃げを試みるよ。

レース前半にアタックした新城幸也(ユーロップカー)

今日は、逃げることができずに残念だったが、エースのローマン以外のチームメンバーが誰かが必ず逃げに入ると言うことで、全員で動いたのでセリルが逃げに入れて良かった。

かなりきつい登り坂と言うことはわかっていたので、登りのエースのために位置取りなどの仕事はできた。狙っていただけに、脚の調子はとても良かったのに、全力を出せずに終わってしまった。また、どこかでチャンスを狙いたい。

今日は暑すぎた。ボトルの水もすぐにお湯になってしまうので、一人20本くらいは使用したと思う。これがブエルタの暑さだと実感した。

チームスカイのダリオ・チオーニ監督

とても暑く、逃げが決まるまで長い距離を要した。逃げグループの中に総合で3分遅れの選手が入ったこともあり、大きなリードは容認されず。最後の登りに向けてチームは安全にポジションをキープした。

チャベスやマーティン、ドゥムランが飛び出したものの、明日のステージ(1級山頂フィニッシュ)を見据えて無理に追い込まずにフィニッシュ。それでもトラブルなくニコ(ロッシュ)とフルーミーがトップ10に入ったので上出来だ。今日は総合争いに大きく影響しないステージだったけど明日は違う。チームの状態は良く、明日の勝負には人数を揃えた状態で挑めるだろう。大会最初の本格的な山岳バトルになるはずだ。

text:Kei Tsuji

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