2015/08/18(火) - 17:53
8月17日、アメリカ・コロラド州でUSAプロチャレンジ（UCI2.HC）が開幕。大怪我から1年以上のリハビリを経て復活したテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング）が初日の集団スプリントを制した。
晴れ渡るコロラド州の高原を走る photo:Tim de Waele
USAプロチャレンジ2015第1ステージ image:www.usaprocyclingchallenge.com2011年に初開催され、2012年からHCクラスのステージレースとして開催されているUSAプロチャレンジ。ツアー・オブ・カリフォルニアなどに並ぶアメリカ最高峰のステージレースであり、コロラド州の高地が舞台となる。
スプリントポイントに差し掛かる逃げグループ photo:Tim de Waele2015年大会にはUCIワールドチームであるBMCレーシング、キャノンデール・ガーミン、トレックファクトリーレーシング、ティンコフ・サクソの4チームに加え、国内外のUCIプロコンチネンタル＆UCIコンチネンタルチームが12チーム出場。本格山岳ステージも組み込まれた7日間の戦いは、コロラド州中部に位置するスキーリゾート地スティームボートスプリングスで開幕した。
BMCレーシングがコントロールするメイン集団 photo:Tim de Waele標高2000mのスティームボートスプリングスを発着する山岳周回コースを2周する合計156kmで争われた第1ステージ。地元アメリカチームを中心に構成された7名の逃げグループを、UCIワールドチーム率いるメイン集団が追い上げる展開。4分を推移したタイム差はスプリントポイント通過後の2周目に縮小を続けた。2つのKOMでポイントを稼いだジョナサン・クラーク（オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア）が山岳賞のトップに立っている。
レース終盤に逃げるローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング） photo:Tim de Waeleタイム差が1分を下回った残り30kmで逃げグループからカーソン・ミラー（アメリカ、ジェーミス・ハーゲンベルマン）がアタック。メイン集団からはローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング）らが飛び出して先頭に合流する。デニスはそこからカナダチャンピオンのギヨーム・ボワヴァン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）を引き連れ、新たにエスケープを開始した。
集団スプリントで抜け出すテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de Waele30秒のリードを築いたデニスとボワヴァンを追ったのはユナイテッドヘルスケアが牽引する40名強のメイン集団。元アワーレコード保持者デニスは強力なリードを見せたもののフラムルージュ（残り1kmアーチ）通過後すぐに吸収される。カウンターアタックでロングスパートに持ち込んだジョーダン・カービー（オーストラリア、ドラパック）を追う形でスプリントが始まった。
キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）の2年連続第1ステージ勝利を狙うユナイテッドヘルスケアのトレインの後ろから、自分のタイミングでフィニーが発進。およそ300mにおよぶロングスプリントでフィニーが先頭のカービーを抜き、集団から完全に抜け出してフィニッシュに向かう。圧倒的なスピードでフィニーが開幕スプリントを制した。
フィニーは2014年のドバイツアーで総合優勝し、ツアー・オブ・カリフォルニアでステージ優勝。さらに5月のアメリカ選手権タイムトライアルで優勝したが、その2日後に行われたロードレースの下りで落車してガードレールに衝突してしまい、左脚の脛骨を開放骨折するとともに膝蓋腱に大きなダメージを負った。
一時はキャリアをも危ぶまれた大怪我から長いリハビリを経て復活したフィニーは「本当にスペシャルで、エモーショナルな勝利だ。（怪我以降の）15ヶ月間、フィニッシュラインで両手を挙げることだけを考えてきた。加速ではピュアスプリンターに負けてしまうので早めに仕掛けたんだ。最後の8〜9秒間はひたすら頭を下げて全開で踏み続けたよ」とコメント。出身地コロラドで25歳のサラブレッドが復活をアピールした。
選手コメントはチーム公式サイトより。
集団スプリントを制したテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de Waele
リーダージャージに袖を通したテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de Waele
USAプロチャレンジ2015第1ステージ結果
1位 テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） 3h39’07”
2位 キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）
3位 ブレント・ブックウォルター（アメリカ、BMCレーシング）
4位 ライアン・アンダーソン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）
5位 ギャヴィン・マニオン（アメリカ、ジェリーベリー）
6位 ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
7位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング）
8位 イワン・ロフニー（ロシア、ティンコフ・サクソ）
9位 トムス・スクインス（ラトビア、ヒンカピーレーシング）
10位 ダミアーノ・カルーゾ（イタリア、BMCレーシング）
個人総合成績
1位 テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） 3h39’07”
2位 キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）
3位 ブレント・ブックウォルター（アメリカ、BMCレーシング）
4位 ライアン・アンダーソン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）
5位 ギャヴィン・マニオン（アメリカ、ジェリーベリー）
6位 ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
7位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング）
8位 イワン・ロフニー（ロシア、ティンコフ・サクソ）
9位 トムス・スクインス（ラトビア、ヒンカピーレーシング）
10位 ダミアーノ・カルーゾ（イタリア、BMCレーシング）
ポイント賞
テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング）
山岳賞
ジョナサン・クラーク（オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア）
ヤングライダー賞
ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
晴れ渡るコロラド州の高原を走る photo:Tim de WaeleUSAプロチャレンジ2015第1ステージ image:www.usaprocyclingchallenge.com2011年に初開催され、2012年からHCクラスのステージレースとして開催されているUSAプロチャレンジ。ツアー・オブ・カリフォルニアなどに並ぶアメリカ最高峰のステージレースであり、コロラド州の高地が舞台となる。スプリントポイントに差し掛かる逃げグループ photo:Tim de Waele2015年大会にはUCIワールドチームであるBMCレーシング、キャノンデール・ガーミン、トレックファクトリーレーシング、ティンコフ・サクソの4チームに加え、国内外のUCIプロコンチネンタル＆UCIコンチネンタルチームが12チーム出場。本格山岳ステージも組み込まれた7日間の戦いは、コロラド州中部に位置するスキーリゾート地スティームボートスプリングスで開幕した。BMCレーシングがコントロールするメイン集団 photo:Tim de Waele標高2000mのスティームボートスプリングスを発着する山岳周回コースを2周する合計156kmで争われた第1ステージ。地元アメリカチームを中心に構成された7名の逃げグループを、UCIワールドチーム率いるメイン集団が追い上げる展開。4分を推移したタイム差はスプリントポイント通過後の2周目に縮小を続けた。2つのKOMでポイントを稼いだジョナサン・クラーク（オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア）が山岳賞のトップに立っている。レース終盤に逃げるローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング） photo:Tim de Waeleタイム差が1分を下回った残り30kmで逃げグループからカーソン・ミラー（アメリカ、ジェーミス・ハーゲンベルマン）がアタック。メイン集団からはローハン・デニス（オーストラリア、BMCレーシング）らが飛び出して先頭に合流する。デニスはそこからカナダチャンピオンのギヨーム・ボワヴァン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）を引き連れ、新たにエスケープを開始した。集団スプリントで抜け出すテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de Waele30秒のリードを築いたデニスとボワヴァンを追ったのはユナイテッドヘルスケアが牽引する40名強のメイン集団。元アワーレコード保持者デニスは強力なリードを見せたもののフラムルージュ（残り1kmアーチ）通過後すぐに吸収される。カウンターアタックでロングスパートに持ち込んだジョーダン・カービー（オーストラリア、ドラパック）を追う形でスプリントが始まった。キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）の2年連続第1ステージ勝利を狙うユナイテッドヘルスケアのトレインの後ろから、自分のタイミングでフィニーが発進。およそ300mにおよぶロングスプリントでフィニーが先頭のカービーを抜き、集団から完全に抜け出してフィニッシュに向かう。圧倒的なスピードでフィニーが開幕スプリントを制した。
フィニーは2014年のドバイツアーで総合優勝し、ツアー・オブ・カリフォルニアでステージ優勝。さらに5月のアメリカ選手権タイムトライアルで優勝したが、その2日後に行われたロードレースの下りで落車してガードレールに衝突してしまい、左脚の脛骨を開放骨折するとともに膝蓋腱に大きなダメージを負った。
一時はキャリアをも危ぶまれた大怪我から長いリハビリを経て復活したフィニーは「本当にスペシャルで、エモーショナルな勝利だ。（怪我以降の）15ヶ月間、フィニッシュラインで両手を挙げることだけを考えてきた。加速ではピュアスプリンターに負けてしまうので早めに仕掛けたんだ。最後の8〜9秒間はひたすら頭を下げて全開で踏み続けたよ」とコメント。出身地コロラドで25歳のサラブレッドが復活をアピールした。
選手コメントはチーム公式サイトより。
集団スプリントを制したテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de Waeleリーダージャージに袖を通したテイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） photo:Tim de WaeleUSAプロチャレンジ2015第1ステージ結果
1位 テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） 3h39’07”
2位 キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）
3位 ブレント・ブックウォルター（アメリカ、BMCレーシング）
4位 ライアン・アンダーソン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）
5位 ギャヴィン・マニオン（アメリカ、ジェリーベリー）
6位 ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
7位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング）
8位 イワン・ロフニー（ロシア、ティンコフ・サクソ）
9位 トムス・スクインス（ラトビア、ヒンカピーレーシング）
10位 ダミアーノ・カルーゾ（イタリア、BMCレーシング）
個人総合成績
1位 テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング） 3h39’07”
2位 キール・レイネン（アメリカ、ユナイテッドヘルスケア）
3位 ブレント・ブックウォルター（アメリカ、BMCレーシング）
4位 ライアン・アンダーソン（カナダ、オプティム・ケリーベネフィット）
5位 ギャヴィン・マニオン（アメリカ、ジェリーベリー）
6位 ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
7位 ジュリアン・アレドンド（コロンビア、トレックファクトリーレーシング）
8位 イワン・ロフニー（ロシア、ティンコフ・サクソ）
9位 トムス・スクインス（ラトビア、ヒンカピーレーシング）
10位 ダミアーノ・カルーゾ（イタリア、BMCレーシング）
ポイント賞
テイラー・フィニー（アメリカ、BMCレーシング）
山岳賞
ジョナサン・クラーク（オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア）
ヤングライダー賞
ローガン・オーウェン（アメリカ、アクセオンサイクリング）
チーム総合成績
BMCレーシング
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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