チームタイムトライアルの大学日本一を決める「第54回全日本学生チームロードタイムトライアル大会」が開催された。出走した各大学の敵はライバル校ではなく、強い向かい風だった。



チームタイムトライアルの大学日本一を決める「第54回全日本学生チームロードタイムトライアル大会」チームタイムトライアルの大学日本一を決める「第54回全日本学生チームロードタイムトライアル大会」 photo:Satoru KATO
毎年5月末又は6月上旬に開催されるタイムトライアルの学生日本一を決める大会。今年はチームタイムトライアルと個人タイムトライアルの大会が2週連続で行われる事になり、5月31日にまずチームタイムトライアルの大会が開催された。開催地は昨年に続き埼玉県加須市(かぞし)と羽生市(はにゅうし)にまたがる利根川河川敷。直線路を折り返して2往復する計62.4kmのレースに、北海道から九州までの25校が出走した。

当日の天気は曇りの予報に反して朝から快晴。気温は30℃以上にまで上昇した。さらに、河川敷の草木が波打つような強い風が吹き続けるため、往路は向かい風、復路は追い風という状態。2回ある向かい風区間の攻略が、この日のポイントになった。

1位 鹿屋体育大学1位 鹿屋体育大学 photo:Satoru KATO2位 朝日大学2位 朝日大学 photo:Satoru KATO

3位 明治大学3位 明治大学 photo:Satoru KATO4位 法政大学4位 法政大学 photo:Satoru KATO

5位 順天堂大学5位 順天堂大学 photo:Satoru KATO6位 中央大学6位 中央大学 photo:Satoru KATO


スタート順は、鹿屋体育大学から順に昨年の上位8校までは2分間隔でスタート。その後は1分間隔のスタートとなる。1チーム4人で出走し、3人目のタイムがチームのタイムとなる。

1番目にスタートした鹿屋体育大学は、前半の中間計測でトップタイムを出し、2位の朝日大学に40秒以上の差をつける。しかし、前半の早い段階で1人が遅れた事が影響し、その後のタイムが伸びない。逆に朝日大学と明治大学は後半のタイムの落ちを最小限にして鹿屋に肉薄。それでも鹿屋が前半に築いたタイム差でなんとか上回って辛勝。2位朝日大学とは約9秒、3位明治大学とは11秒の僅差だった。

終盤まで4人を維持した明治大学も後半は鹿屋を上回った終盤まで4人を維持した明治大学も後半は鹿屋を上回った photo:Satoru KATO朝日大学は鹿屋同様に3人になりながらも後半は鹿屋を上回るペース朝日大学は鹿屋同様に3人になりながらも後半は鹿屋を上回るペース photo:Satoru KATO
昨年も出場した山本大喜は「昨年同様に平均50km/hを目標に行く予定だったのだけれど、風が予想以上に強かったのでペース配分を考えて行く事に変更した。でも前半飛ばしすぎて、後半は前半に稼いだタイム差をキープするのが精一杯になってしまった」と反省する。2年ぶりに出場した原田裕成は「勝てたけど、2位とのタイム差を考えるとあまり喜べない」と言葉少な。山本と同じく昨年出場した徳田優も「勝ったから良し、ではなくて、もっと圧倒的な力で勝てるようにならなければならない」と自省の言葉を重ねる。

一方、僅差の2位となった朝日大学の山﨑監督は、「後半は鹿屋より速く走れた点は良かったと思う。でも、結果としてわずかなタイム差だった事を考えると、前半につけられた差をもっと少なく出来ていればもっと良かったと思う。ここに来るからには優勝を狙っているので、もっと練習と調整をうまくやる必要がある」と語った。

6月7日には、個人タイムトライアルの学生チャンピオンを決める「全日本学生選手権第27回個人ロードTT自転車競技大会」が、同じ場所で開催される。全日本選手権の男子アンダー23の勝負の行方を占う意味でも注目したい。



表彰式 入賞した8校表彰式 入賞した8校 photo:Satoru KATO


第54回全日本学生チームロードタイムトライアル大会 結果

1位 鹿屋体育大学(原田・徳田・山本・冨尾) 1時間23分4秒67 45.07km/h
2位 朝日大学(渡邊・金田・浦田・仲沢) +8秒79
3位 明治大学(小林・眞砂・河津・酒井) +11秒06
4位 法政大学(相本・新村・寺崎・荒井) +1分27秒
5位 順天堂大学(吉川・西尾・重田・海老本) +1分39秒
6位 中央大学(原井・高橋・橋詰・安原) +2分29秒
7位 東京大学(浦・林・和泉・秋山) +3分33秒
8位 日本大学(岡本・森口・草場・佐々木) +3分39秒

text&photo:Satoru.Kato

最新ニュース(全ジャンル)