オランダで開催されたヴォルタ・リンブルグクラシックで、BMCの21歳ステファン・キュングが独走勝利。NIPPOヴィーニファンティーニの黒枝と山本は序盤のペースアップで遅れを喫しリタイアという結果になった。
スタートラインに並ぶ黒枝士揮と山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ) photo:Makoto.Ayano
長閑な田舎道を縫うように走る photo:Makoto.Ayanoオランダで開催されたヴォルタ・リンブルグクラシック(UCI1.1)は、今年で開催42回目を迎えるワンデーレース。ドイツ色濃い当地方を縦横無尽に駆け巡るコースには細かいアップダウンが無数に続き、その様子はアルデンヌクラシックに近い。
キュングの先行を許してしまったロットNLユンボが追走グループを率いる photo:Makoto.Ayanoロンド・ファン・フラーンデレン開催目前のこのレースには、2つのワールドチーム(ロットNLユンボ、BMCレーシングチーム)を筆頭に22チームが参加。NIPPOヴィーニファンティーニはダミアーノ・クネゴ(イタリア)をエースに据え、黒枝士揮と山本元喜もスタートラインに並んだ。
常にインターバルが掛かり続ける展開からマヌエル・センニ(BMCレーシング)を含む7名が逃げ、終盤に掛けてCCCスプランディ・ポルコウィチェがタイムギャップを詰めていく。マチェイ・パテルスキーやダヴィデ・レベリンが2人でブリッジを試みるも失敗し、代わって抜け出したグループが先頭へと合流。この時点でBMCは3名(センニ、キュング、ウィス)を送り込む有利な展開を作り上げる。
すると「登りの後に向かい風、そして曲がってから追い風になる区間で、ダニーロ(ウィス)が"行け!"と伝えてくれた。一度も振り返らずに踏み続けた」と語るようにキュングがアタック。フォローしたベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)とディミトリ・クライス(ベルギー、ベランダス・ウィレムス)を千切って独走に持ち込んだ。
「逃げている間はずっと(2位に入った)デパンヌ・コクサイデ3日間レースの個人TTのことを考えていた。良い走りができたし、それを認めてもらえる結果が出たからとても満足」というキュングは結果的に追走グループを27秒引き離してフィニッシュ。今年プロ入りした1993年生まれの21歳が、独走でのプロ初勝利を飾ってみせた。
独走でゴールに飛び込んだステファン・キュング(スイス、BMCレーシング) photo:Makoto.Ayano
「もう少し粘ることができれば状況は変わってくる」山本元喜 photo:Makoto.Ayano2位グループでは積極的に動いたパテルスキーが先着し、クネゴは9位に。BMCは23歳のテウンスが3位、アマエル・モワナールも7位に入るなど大成功を収めた。また黒枝と山本は序盤のうちに遅れを喫し、そのままリタイアに追い込まれてしまった。以下は両選手のコメント。
「ふがいない結果になってしまった」黒枝士揮 photo:Makoto.Ayano山本元喜
コースプロフィールで分からない登りが多くあって、しかもインターバルがかかり続けるなかで足がいっぱいになって、ちぎれてしまった。その後も諦めずに踏んでいたんですが、もう少し粘ることができれば状況は変わってくるのかなと思います。気を取り直して次のレースに向かいます。
黒枝士輝
コッリからチームカーに持っていくようにとレインジャケットを受け取って、後ろに下がったタイミングでペースアップがあってそのまま復帰できなくなってしまった。ふがいない結果になってしまった。まだ集団が落ち着いていない状況だと知りながら過ちを犯してしまった。不完全燃焼です。丘が多くて狭いコースだと集団の後ろにいるとキツイですね。
ヴォルタ・リンブルグクラシック2015結果
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano



常にインターバルが掛かり続ける展開からマヌエル・センニ(BMCレーシング)を含む7名が逃げ、終盤に掛けてCCCスプランディ・ポルコウィチェがタイムギャップを詰めていく。マチェイ・パテルスキーやダヴィデ・レベリンが2人でブリッジを試みるも失敗し、代わって抜け出したグループが先頭へと合流。この時点でBMCは3名(センニ、キュング、ウィス)を送り込む有利な展開を作り上げる。
すると「登りの後に向かい風、そして曲がってから追い風になる区間で、ダニーロ(ウィス)が"行け!"と伝えてくれた。一度も振り返らずに踏み続けた」と語るようにキュングがアタック。フォローしたベルトヤン・リンデマン(オランダ、ロットNLユンボ)とディミトリ・クライス(ベルギー、ベランダス・ウィレムス)を千切って独走に持ち込んだ。
「逃げている間はずっと(2位に入った)デパンヌ・コクサイデ3日間レースの個人TTのことを考えていた。良い走りができたし、それを認めてもらえる結果が出たからとても満足」というキュングは結果的に追走グループを27秒引き離してフィニッシュ。今年プロ入りした1993年生まれの21歳が、独走でのプロ初勝利を飾ってみせた。



コースプロフィールで分からない登りが多くあって、しかもインターバルがかかり続けるなかで足がいっぱいになって、ちぎれてしまった。その後も諦めずに踏んでいたんですが、もう少し粘ることができれば状況は変わってくるのかなと思います。気を取り直して次のレースに向かいます。
黒枝士輝
コッリからチームカーに持っていくようにとレインジャケットを受け取って、後ろに下がったタイミングでペースアップがあってそのまま復帰できなくなってしまった。ふがいない結果になってしまった。まだ集団が落ち着いていない状況だと知りながら過ちを犯してしまった。不完全燃焼です。丘が多くて狭いコースだと集団の後ろにいるとキツイですね。
ヴォルタ・リンブルグクラシック2015結果
1位 ステファン・キュング(スイス、BMCレーシング)
2位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
3位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)
4位 エンリーコ・バッタリン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5位 ラスムス・ガルドハマー(デンマーク、クルトエナジー)
6位 クラフ・アンデルセン(デンマーク、トレフォール・ブルーウォーター)
7位 アマエル・モワナール(フランス、BMCレーシング)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 ステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
DNF 黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ)
DNF 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
2位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコウィチェ)
3位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)
4位 エンリーコ・バッタリン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
5位 ラスムス・ガルドハマー(デンマーク、クルトエナジー)
6位 クラフ・アンデルセン(デンマーク、トレフォール・ブルーウォーター)
7位 アマエル・モワナール(フランス、BMCレーシング)
8位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ロットNLユンボ)
9位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 ステフェン・クルイスウィク(オランダ、ロットNLユンボ)
DNF 黒枝士揮(NIPPOヴィーニファンティーニ)
DNF 山本元喜(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5h02'30"
+27"
+29"
+31"
+35"
+27"
+29"
+31"
+35"
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano