地中海に浮かぶコルシカ島を舞台にした、2日間3ステージのクリテリウム・アンテルナシオナルが先週末に開催。最終日の頂上フィニッシュで優勝したジャンクリストフ・ペローが2年連続の総合優勝に輝いた。



地中海を背に、ポルトヴェッキオの街並をスタートしていくプロトン地中海を背に、ポルトヴェッキオの街並をスタートしていくプロトン photo:A.S.O.


クリテリウム・アンテルナシオナル2015 コースマップクリテリウム・アンテルナシオナル2015 コースマップ クレメン・サンマルティン(フランス、マルセイユ13KTM)とベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)が逃げるクレメン・サンマルティン(フランス、マルセイユ13KTM)とベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)が逃げる photo:A.S.O.ツール・ド・フランスと同じA.S.O.(アモリー・スポール・オルガニザシオン)が主催するクリテリウム・アンテルナシオナル(UCI2.HC)。2日間という短い日程ながら、バリエーションに富んだ3ステージが詰め込まれている。

初日午後から開催された7kmの個人タイムトライアル初日午後から開催された7kmの個人タイムトライアル photo:A.S.O.初日は92kmのロードレースと7kmの個人タイムトライアル。2日目に標高956mのコル・ド・ロスペダル(オスペダル峠)の山頂フィニッシュが設定されており、クリス・フルーム(2013年)、カデル・エヴァンス(2012年)、フランク・シュレク(2011年)などそうそうたるメンバーが昨今の優勝者リストに並ぶ。

コル・ド・ロスペダルでティボー・ピノ(フランス、FDJ)がアタックコル・ド・ロスペダルでティボー・ピノ(フランス、FDJ)がアタック photo:A.S.O.今年は7つのワールドチームを含む16チームが参加し、昨年の優勝者であるジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)がゼッケン1。新城幸也(ユーロップカー)も昨年に続いて出場した。

カウンターで飛び出したジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)カウンターで飛び出したジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:A.S.O.初日の午前中に行われた第1ステージは、コルシカ島東海岸のリゾート地であるポルトヴェッキオ周辺を巡る92km。中盤に山岳ポイントが一カ所あれど、毎年集団スプリントにもつれ込むのが通例だが、この日は珍しく逃げ切りが決まる。

共に逃げたクレメン・サンマルティン(フランス、マルセイユ13KTM)をゴール前で振り切ったのは、先週末のミラノ〜サンレモで落車リタイアに終わったベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)。サンマルティンに対して5秒、集団に対して39秒をリードして総合リーダーに躍り出る。

続いて午後からは7kmの個人タイムトライアルで争われる第2ステージが行われ、平均時速45.735km/hで駆け抜けたファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)がステージ優勝。マイヨジョーヌを着て走ったキングは21秒差の19位に入り、タイム差を詰められながらも首位をキープした。新城は41位と36位で初日を終えている。

レース2日目、つまり最終日の第3ステージに登場するコル・ド・ロスペダル山頂フィニッシュは、登坂距離14km/平均勾配6.2%という難易度を誇るもの。高速で登りを進むプロトンからはリーダージャージも脱落し、ゴールまで7kmを残した中腹でペローが発進。ピエリック・フェドリゴ(フランス、ブルターニュ・セシェ)やティボー・ピノ(フランス、FDJ)を引き千切り、そのまま後続を15秒以上引き離してゴールに飛び込んだ。

総合首位につけていたキングが大きく遅れたため、最終的にマイヨジョーヌはペローの手に渡り、2年連続の総合優勝を達成。「最初は(アレクシ)ヴィエルモをサポートするつもりだったが、全てが上手く働いた。パリ〜ニースで途中リタイアするなど不調が続いていたが、この勝利は再び集中力を高めてくれるはず。」とコメントするペロー。次なるバスク一周レースや、その先に見据えるツール・ド・フランスに向けての好材料を掴んだ。

新城はステージ64位でコル・ド・ロスペダル山頂へとフィニッシュし、総合62位で2日間3ステージのステージレースを終了している。



3月28日(土)第1ステージ ポルトヴェッキオ〜ポルトヴェッキオ(92.5km)

逃げ切り勝利を挙げたベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)逃げ切り勝利を挙げたベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン) photo:A.S.O.
1位 ベンジャミン・キング(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)
2位 クレメン・サンマルティン(フランス、マルセイユ13KTM)
3位 ロメン・フェイユー(フランス、ブルターニュ・セシェ)
4位 トム・フィーラース(オランダ、ジャイアント・アルペシン)
5位 クレメン・ヴェンチュリーニ(フランス、コフィディス)
2h06'43"
+05"
+39"






3月28日(土)第2ステージ ポルトヴェッキオ〜ポルトヴェッキオ(7km)

第2ステージ トップタイムを叩き出したファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)第2ステージ トップタイムを叩き出したファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) photo:A.S.O.
1位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
2位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)
3位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
5位 ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、キャノンデール・ガーミン)
9'11"
+01"
+02"
+06"
+09"




3月29日(日)第3ステージ ポルトヴェッキオ〜コル・ド・ロスペダル(189.5km)

単独でゴールに到達したジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)単独でゴールに到達したジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール) photo:A.S.O.
1位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
2位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、ブルターニュ・セシェ)
3位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
4位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)
5位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
5h19'05"
+15"
+16"
+25"




総合優勝のジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)を囲む総合優勝のジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)を囲む photo:A.S.O.
個人総合成績
1位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
2位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
3位 ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 ピエリック・フェドリゴ(フランス、ブルターニュ・セシェ)
5位 ホセ・メンデス(ポルトガル、ボーラ・アルゴン18)
6位 ヤン・バケランツ(ベルギー、AG2Rラモンディアール)
7位 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス)
8位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
9位 アレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)
10位 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
7h35'45"
+10"
+18"

+40"
+41"
+43"
+44"
+45"
+46"


ポイント賞
ファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)

山岳賞
マルコ・カーノラ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)

ヤングライダー賞
ティボー・ピノ(フランス、FDJ)

チーム総合成績
AG2Rラモンディアール

text:So.Isobe
photo:CorVos

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