ツアー・オブ・オマーンやブエルタ・ア・アンダルシアと並行してポルトガルで開催されたヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.1)。連日UCIプロチームライダーによるバトルが繰り広げられ、ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)が総合優勝に輝いた。
温暖なアルガルヴェ地方を行く photo:Tim de Waele
ポルトガル最南端のアルガルヴェ地方で行われるヴォルタ・アン・アルガルヴェ。1936年に初開催された歴史あるレースであり、ヨーロッパの中では比較的温暖(2月の平均最高気温17度、最低気温9度)であるため、本格シーズンに向けたビルドアップレースとして定着している。
第3ステージ 総合首位ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)はステージ3位 photo:Tim de Waele2015年の41回大会には2014年大会覇者で世界王者のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)と2011年&2013年覇者トニ・マルティン(ドイツ)擁するエティックス・クイックステップや、2012年大会覇者リッチー・ポート(オーストラリア)擁するチームスカイの他、ロット・ソウダル、ロットNLユンボ、カチューシャ、アスタナ、キャノンデール・ガーミン、モビスターが集結。UCIのレースカテゴリー1にも関わらずハイレベルな戦いが繰り広げられた。
総合表彰台 左から3位マシャド、優勝トーマス、2位クヴィアトコウスキー photo:Tim de Waeleジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)のスプリント勝利で幕開けた5日間のレースは、さながらエティックス・クイックステップとチームスカイの一騎打ちに。第2ステージの終盤にアタックを成功させ、集団を23秒振り切って独走勝利したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)が総合首位に立つ。
第3ステージの18.2km個人タイムトライアルではマルティンが貫禄の勝利を収めたものの、3秒差のステージ3位に入ったトーマスがリーダージャージをキープ。最難関の第4ステージも引き続き2チームのバトルに持ち込まれ、2級山岳マリャオン峠でポートがステージ優勝を飾るとともに、クヴィアトコウスキーを押さえ込んだトーマスが総合首位を守り抜いた。最終ステージの集団スプリントはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が制している。
「ステージ2勝と総合優勝、山岳賞、ポイント賞と、チームスカイにとって素晴らしい1週間になった」とトーマスは語る。「チームスカイはリッチー(ポート)をエースに立てて挑んだものの、第2ステージで勝利したことで予想外のリーダージャージ獲得。パリ〜ニースとクラシックレースが続く3月に向けて感触を得たよ」。
トラック競技出身のトーマスは北京五輪とロンドン五輪の団体追い抜きで金メダルを獲得。トラック世界選手権の団体追い抜きで3つの金メダルを獲得している。近年はクラシックレースを走れるオールラウンダーとして才能を伸ばし、2014年パリ〜ニースで2日間マイヨジョーヌを着用するとともに、E3ハレルベーク3位、パリ〜ルーベ7位、ロンド・ファン・フラーンデレン8位に。ツール・ド・フランスは総合22位だった。2週間後に迫ったパリ〜ニースではポートを強力にアシストすることになりそうだ。
選手コメントはチーム公式サイトより。
2月18日(水)第1ステージ ラゴス〜アルブフェイラ 168km
第1ステージ スプリントを制したジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waele
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 4h13’53”
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ロットNLユンボ)
4位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
5位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
2月19日(木)第2ステージ ラゴア〜モンシケ 192km
第2ステージ 独走勝利を飾ったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Tim de Waele
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 4h59’13”
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ) +19”
3位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ) +23”
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
5位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
2月20日(金)第3ステージ ヴィラ・ド・ビスポ〜サンヴィセンテ岬 18.2km(個人TT)
第3ステージ トップタイムで優勝したトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waele
1位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 21’51”
2位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +03”
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+09”
5位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +19”
2月21日(土)第4ステージ タヴィラ〜マリャオン 212km
第4ステージ 山頂フィニッシュを制したリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) photo:Tim de Waele
1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) 5h55’34”
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+03”
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +06”
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +09”
5位 マイケル・ウッズ(カナダ、オプティム・ケリーベネフィット) +13”
2月22日(日)第5ステージ アルモドヴァル〜ヴィラモウラ 178km
第5ステージ 大集団スプリントを制したアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waele
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4h15’40”
2位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
3位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
4位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
5位 フィル・バウハウス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
個人総合成績
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 19h46’13”
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+27”
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ) +1’11”
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) +1’14”
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) +1’18”
6位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ) +1’19”
7位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ) +1’32”
8位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ) +1’55”
9位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター) +2’04”
10位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +2’21”
ポイント賞
ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
ヤングライダー賞
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ガーミン)
チーム総合成績
カチューシャ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

ポルトガル最南端のアルガルヴェ地方で行われるヴォルタ・アン・アルガルヴェ。1936年に初開催された歴史あるレースであり、ヨーロッパの中では比較的温暖(2月の平均最高気温17度、最低気温9度)であるため、本格シーズンに向けたビルドアップレースとして定着している。


第3ステージの18.2km個人タイムトライアルではマルティンが貫禄の勝利を収めたものの、3秒差のステージ3位に入ったトーマスがリーダージャージをキープ。最難関の第4ステージも引き続き2チームのバトルに持ち込まれ、2級山岳マリャオン峠でポートがステージ優勝を飾るとともに、クヴィアトコウスキーを押さえ込んだトーマスが総合首位を守り抜いた。最終ステージの集団スプリントはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)が制している。
「ステージ2勝と総合優勝、山岳賞、ポイント賞と、チームスカイにとって素晴らしい1週間になった」とトーマスは語る。「チームスカイはリッチー(ポート)をエースに立てて挑んだものの、第2ステージで勝利したことで予想外のリーダージャージ獲得。パリ〜ニースとクラシックレースが続く3月に向けて感触を得たよ」。
トラック競技出身のトーマスは北京五輪とロンドン五輪の団体追い抜きで金メダルを獲得。トラック世界選手権の団体追い抜きで3つの金メダルを獲得している。近年はクラシックレースを走れるオールラウンダーとして才能を伸ばし、2014年パリ〜ニースで2日間マイヨジョーヌを着用するとともに、E3ハレルベーク3位、パリ〜ルーベ7位、ロンド・ファン・フラーンデレン8位に。ツール・ド・フランスは総合22位だった。2週間後に迫ったパリ〜ニースではポートを強力にアシストすることになりそうだ。
選手コメントはチーム公式サイトより。
2月18日(水)第1ステージ ラゴス〜アルブフェイラ 168km

1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) 4h13’53”
2位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
3位 ポール・マルテンス(ドイツ、ロットNLユンボ)
4位 ロイ・ヤンス(ベルギー、ワンティ・グループグベルト)
5位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)
2月19日(木)第2ステージ ラゴア〜モンシケ 192km

1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 4h59’13”
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ) +19”
3位 ヴァレリオ・アニョーリ(イタリア、アスタナ) +23”
4位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ)
5位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター)
2月20日(金)第3ステージ ヴィラ・ド・ビスポ〜サンヴィセンテ岬 18.2km(個人TT)

1位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) 21’51”
2位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
3位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +03”
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+09”
5位 エドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、カチューシャ) +19”
2月21日(土)第4ステージ タヴィラ〜マリャオン 212km

1位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) 5h55’34”
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+03”
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +06”
4位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +09”
5位 マイケル・ウッズ(カナダ、オプティム・ケリーベネフィット) +13”
2月22日(日)第5ステージ アルモドヴァル〜ヴィラモウラ 178km

1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 4h15’40”
2位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、ロットNLユンボ)
3位 リュトガー・ゼーリッヒ(ドイツ、カチューシャ)
4位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)
5位 フィル・バウハウス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
個人総合成績
1位 ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) 19h46’13”
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+27”
3位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、カチューシャ) +1’11”
4位 リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ) +1’14”
5位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ) +1’18”
6位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ) +1’19”
7位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ) +1’32”
8位 アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ) +1’55”
9位 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター) +2’04”
10位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター) +2’21”
ポイント賞
ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
山岳賞
リッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)
ヤングライダー賞
ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ガーミン)
チーム総合成績
カチューシャ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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