東海地区のロードレーサーたちのトレーニングレースとして定着しつつある、開催2年目を迎えたAACAカップ第2戦の模様を紹介する。話題のチーム「キナン」がホストする、ホットなシリーズ戦だ。



第2戦の最高峰カテゴリー。6名となった逃げ集団が長良川沿いのコースを行く第2戦の最高峰カテゴリー。6名となった逃げ集団が長良川沿いのコースを行く (c)AACA Cup
より多くのレース経験をたくさんの選手に 中京地区で人気を高めるAACAカップ

中京地区で人気を博している、AACAカップは1-1〜1-4までカテゴリー分けされており、それぞれが自分の力に合わせて自己申告でカテゴリーを選択できるホビーロードレース。細かいカテゴリー分けは主催者の「より多くのレース経験をたくさんの選手に積んで欲しい」という思いからだ。

脚力レベルの目安としては、1-4が未登録の経験の少ない選手向け。1-3は未登録の経験者向け。1-2は登録者向けで、実業団のE2、E3選手相当。1-1は登録者向けで実業団のE1かP1選手相当となっており、レース経験の少ない選手でも気軽に参加できるカテゴリー設定と、出場クラスをステップアップしていく楽しみが参加するうえでの醍醐味となっている。

ホビーレーサーたちが各クラスで熱戦を繰り広げたホビーレーサーたちが各クラスで熱戦を繰り広げた (c)AACA Cupコーヒー、名古屋名物きしめん、マフィンやプロテインドリンクまで用意してくれたKAKO BUCYO COFFEEブースコーヒー、名古屋名物きしめん、マフィンやプロテインドリンクまで用意してくれたKAKO BUCYO COFFEEブース (c)AACA Cup

KINANやトップ選手たちとおしゃべりを楽しみながらの「トーキングライド」KINANやトップ選手たちとおしゃべりを楽しみながらの「トーキングライド」 (c)AACA Cupイナーメスポーツアロマオイルを使用したスタートアップのクイックマッサージイナーメスポーツアロマオイルを使用したスタートアップのクイックマッサージ (c)AACA Cup


寒さが厳しい冬でも、参加者たちは思う存分ロードレースを楽しんでいるのが印象的だ。それもそのはず、会場には温かいコーヒーや名古屋名物のきしめん、特製マフィンやレース後のプロテインドリンクまで用意した「KAKO BUCYO COFFEE」ブースが、会場に来た人々の体を芯から温めてくれたのが大きかった。マスターズの星・筧太一氏のプロデュースのこのお店は自転車乗りの心情を知り尽くし、第2戦の冠スポンサーにもなっているのだ。

そして、AACAカップの主催は2015年に発足したUCIコンチネンタル登録のKINAN Cycling Team (チーム体制紹介記事)ということもあり、サービスの一環としてチームの専属マッサージャーである藤間雅已氏による、イナーメスポーツアロマオイルを使用したスタートアップのクイックマッサージがレース参加者なら誰でも無料で体験できる機会が設けられた。レース前の準備はプロさながらの体制で戦いに挑む参加者の姿も見られた。

第2戦、最高カテゴリーはホストチームKINANの野中竜馬が勝利

ハイペースを刻むメイン集団ハイペースを刻むメイン集団 (c)kikuzo序盤に出来た逃げメンバー4人 。順調に差を開く序盤に出来た逃げメンバー4人 。順調に差を開く (c)AACA Cupたまらず追走に動いたロイック・デリアック(KINAN)たまらず追走に動いたロイック・デリアック(KINAN) (c)AACA Cup周回賞と敢闘賞の中村龍太郎(イナーメ信濃山形)周回賞と敢闘賞の中村龍太郎(イナーメ信濃山形) (c)AACA Cup2月開催のAACAカップの第2戦は「プチステージレース」ということで、二日間、プロローグを含む3つのステージの合計タイムで争われる本格的なステージレース形式が採用された。リーダージャージも用意されていたが、初日はあいにくの悪天候で、雪と路面凍結の影響でプロローグと第1ステージがキャンセルとなり、二日目の2/15(日)のみのワンデイ開催となった。

スプリントする加賀雄大(VICTOIRE広島)と水野貴行(ニールプライド南信スバル)スプリントする加賀雄大(VICTOIRE広島)と水野貴行(ニールプライド南信スバル) (c)AACA Cup冬将軍が到来した当日は、かなりの強風に加えて少し雨もちらつく中、4つに分かれたカテゴリーに参加する東海地方のロードレース愛好家、高校生、大学生、登録選手、未登録選手あわせて約120人ほどが集結した。

レースは二日目の会場である長良川サービスセンター前の特設コースで行われた。最高カテゴリーの1-2クラスは5.1kmの周回を20周する102kmで争われた。国内トップレーサーたちもトレーニングを兼ねて参加するこのクラス。今回もCoraggio Kawanishi(コラッジョ川西)、VICTOIRE広島、イナーメ信濃山形、ニールプライド南信スバル、KINANなどの有力選手たちが参加した。

最初の混沌とした不安定な集団から抜け出しに成功したのは4名。柳瀬慶明(Coraggio Kawanishi)、中村龍太郎(イナーメ信濃山形)、水野貴行(ニールプライド南信スバル)、中西重智(KINAN)の、脚のあるメンバーが揃った。しかし後ろの集団がかなり大きく、このメンバーで最後まで逃げ切るのは難しいだろうとの予想の中、4人は集団とのタイム差を少しづつ稼いでいく。

たまらず後続集団から動いたのがロイック・デリアック(KINAN)と、それに反応したチームメイトの野中竜馬の2名だ。AACAカップ第1戦で勝利を飾っている野中と、今季初参戦のデリアックのキナンコンビはみるみるペースを上げて逃げ集団との距離を縮めていく。

先頭では10周目の周回賞を中村が獲得。この動きで逃げの4名がばらけてペースダウンしたところに、追走の2名が追いついてきて1つの集団となり、先頭メンバーは柳瀬、中村、水野、中西、デリアック、野中の6名となる。

逃げメンバーの走りは強力で、このままタイム差が1分以上に開くが、後続のメイン集団も諦めない。そして先頭集団も最初のうちはうまく協調体制をとっていたものの、しばらくするとそれぞれの足並みが揃わなくなり、ローテーションが次第に回らなくなってきたようだ。このためメイン集団のとのタイム差は大きく開かずに1分前後でしばらくの間レースは進む。

筧五郎(イナーメ信濃山形)が集団の意識をまとめてペースアップしたメイン集団は、残り7周回を残してついに先頭の6名を捕らえることに成功。終盤に向けて振り出しに戻ったレースに、残った選手の数は残り6周回でたったの14名に。相変わらずのサバイバルとなった優勝争いに注目が集まる中、最後のアタック合戦へと突入していく。

アタックがかかっては潰されを繰り返し、それぞれの選手の思惑が絡まり、落ち着かない。そしてついに残り4周回、野中と中村の2名が抜け出しに成功。結果、これが勝ち逃げとなり、最終的に、中村のスプリント力を警戒した野中がラスト2周でアタックを決めて逃げ切り独走優勝。開幕2連勝でシリーズ戦のリーダージャージをキープした。そして中村を吸収したメンバーでのスプリントを加賀雄大(VICTOIRE広島)が制して2位に入り、この日、最も動いた水野は3位となった。

第1戦につづいてAACAカップを制した野中竜馬(KINAN)第1戦につづいてAACAカップを制した野中竜馬(KINAN) (c)kikuzo
またレース後にはクールダウンとKINAN サイクリングチームファンとの交流走行を兼ねた「ゆったりトーキングライド」も行われた。「プロ選手たちの普段の姿を身近に感じてもらえる機会を少しでも増やしたい」との石田哲也監督の思いが、レースイベントに付加価値をプラスする形となった。トーキングライドを走った参加者からは「プロ選手ってあんなに気さくに会話してくれるんですね!」と驚きと喜びのコメントが寄せられた。

AACAカップはレース入門者の方に気軽にレース経験を積んでもらえるように年間シリーズ戦となっており、毎月1回、木曽三川公園の長良川サービスセンター前特設コースにて開催されている。今後の日程や申し込み方法は下記を参考にして欲しい。



AACAカップ2015 今後の開催日程と申し込み方法
第3戦 3月29日 (日曜日)
第4戦 4月29日 (祝日) 
第5戦 5月6日 (祝日)
第6戦 6月20日 (土曜日)
第7戦 7月11日 (土曜日)
第8戦 8月15〜16日 (土日)
第9戦 9月23日 (祝日)
第10戦 10月24日 (土曜日)
(以降、決まり次第ホームページに掲載される)

レース申し込みは毎戦、専用ページがシリーズ戦ホームページに設けられ、インターネットから申し込み出来るようになっている。直前の予定変更等で急遽参加可能なった人にも優しい当日受付もできる仕組みとなっている。(ただし参加枠に空きがある場合に限られる)

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