2015年1月11日、オーストラリア選手権ロードレースがオーストラリア南東部ヴィクトリア州バララットで開催され、逃げ切った6名によるスプリントでハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング)が勝利。2010年にオーストラリア国籍を取得した30歳が初のタイトルを手にした。



観客が詰めかけたバララットの周回コース観客が詰めかけたバララットの周回コース photo:Tim de Waele


バララットの周回コースをこなすプロトンバララットの周回コースをこなすプロトン photo:Tim de Waele2015年もオーストラリア選手権の開催地はヴィクトリア州のバララット。ロードレースは定番の10.2km周回を18周する全長183.6km。

アタックを仕掛けるキャンベル・フレークモア(BMCレーシング)らアタックを仕掛けるキャンベル・フレークモア(BMCレーシング)ら photo:Tim de Waele149名がスタートしたエリート男子レースは、前半からバジェットフォークリフツやドラパックなどのUCIプロコンチネンタルチームが積極的に逃げに選手を送り込む展開に。

スプリントを繰り広げるカレイブ・イワン(オリカ・グリーンエッジ)とハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング)スプリントを繰り広げるカレイブ・イワン(オリカ・グリーンエッジ)とハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング) photo:Tim de Waele15名の逃げグループは一時的に2分のアドバンテージを獲得したものの、逃げグループ内のアタック合戦によって徐々に人数を減らし、やがては失速してしまう。フィニッシュまで3周を切ったところで逃げが吸収されるとカウンターアタックで17名が先行。残り2周で1分半のリードを得たこの動きが決定的となった。

最終周回の登りで動いたネオプロのカレイブ・イワン(オリカ・グリーンエッジ)に5名が追いついて先頭は6名。メイン集団は依然として1分後方。逃げ切りを確定させた6名によるスプリント勝負が始まり、スプリンターとして鳴り物入りでプロ入りした20歳のイワンをハウッスラーが破った。

「ラスト100mは耳から乳酸が出てくるんじゃないかと思うぐらいタフなスプリントだった」。自身初のオーストラリアチャンピオンジャージを手にしたハウッスラーはレース後のインタビューでそう語っている。

ドイツ人の父とオーストラリア人の母をもつハウッスラーはオーストラリアのニューサウスウェールズ出身。二重国籍をもつハウッスラーは、1998年、14歳の時にプロロード選手を目指して渡欧した。

ドイツ人選手として活動した後、ハウッスラーは2010年にオーストラリア国籍を取得。ゲロルシュタイナー時代の2005年にブエルタ・ア・エスパーニャで、サーヴェロテストチーム時代の2009年にツール・ド・フランスでステージ優勝を飾っている。



ゴールスプリントでイワンを制したハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング)ゴールスプリントでイワンを制したハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング) photo:Tim de Waele


オーストラリアチャンピオンジャージを手にしたハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング)オーストラリアチャンピオンジャージを手にしたハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング) photo:Tim de Waele「正直言ってまだ信じられない。間違いなく人生最良の日。最高のシーズンの幕開けだ。違うレベルに押し上げてくれる気分」とハウッスラーはコメント。ハウッスラーはIAMサイクリングのメンバーとして、ゴールドとグリーンのチャンピオンジャージを着てツアー・ダウンアンダーに出場する予定だ。

TTとのダブルタイトルが期待されたリッチー・ポート(チームスカイ)や、キャリア最後のオーストラリア選手権に挑んだカデル・エヴァンス(BMCレーシング)は52秒遅れの集団でフィニッシュしている。

選手コメントはサイクリングオーストラリアより。



オーストラリア選手権2015ロードレース結果
1位 ハインリッヒ・ハウッスラー(IAMサイクリング)       4h47'24"
2位 カレイブ・イワン(オリカ・グリーンエッジ)
3位 ニール・ヴァンデルプローグ(アヴァンティレーシング)
4位 キャンベル・フレークモア(BMCレーシング)
5位 サムエル・スポークス(ドラパック)
6位 ジャック・ボブリッジ(バジェットフォークリフツ)
7位 アンガス・モートン(ジェリーベリー)             +09"
8位 アダム・ハンセン(ロット・ソウダル)             +48"
9位 スティール・ヴォンホフ(NFTO)               +52"
10位 サイモン・クラーク(オリカ・グリーンエッジ)

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp

最新ニュース(全ジャンル)