まだ路面が凍った状態で行なわれたシクロクロス全日本選手権ジュニアレース。「1年前のリベンジを果たせた」と語る竹内遼(WESTBERG/ProRide)が大会最速ラップをマークして優勝した。



男子ジュニア 並んでウォッシュボードを走る竹内遼(WESTBERG/ProRide)と山田将輝(PAX PROJECT)男子ジュニア 並んでウォッシュボードを走る竹内遼(WESTBERG/ProRide)と山田将輝(PAX PROJECT) photo:Kei Tsuji
男子ジュニア 7名がスタートを切る男子ジュニア 7名がスタートを切る photo:Kei Tsuji男子ジュニア 先頭で1周目を走る山田将輝(PAX PROJECT)と竹内遼(WESTBERG/ProRide)男子ジュニア 先頭で1周目を走る山田将輝(PAX PROJECT)と竹内遼(WESTBERG/ProRide) photo:Kei Tsuji


男子ジュニア ピットエリアを通過し、ダウンヒルに差し掛かる先頭2名男子ジュニア ピットエリアを通過し、ダウンヒルに差し掛かる先頭2名 photo:Kei Tsuji午前9時の気温はマイナス2度。前日から降った雪によって白くなった斜面を背に、まだ凍結状態のコースに7名の選手たちが繰り出した。

男子ジュニア 3番手を走る織田聖(Bottles and Chains)男子ジュニア 3番手を走る織田聖(Bottles and Chains) photo:Kei Tsujiホールショットを奪った竹内遼(WESTBERG/ProRide)に山田将輝(PAX PROJECT)が反応し、2人が先頭を争いながら後続を突き放す。織田聖(Bottles and Chains)が単独3番手を走り、スタートで出遅れた日野竜嘉(松山聖陵高校)が後方から追い上げる展開に。

男子ジュニア 織田を抜いて3番手に浮上した日野竜嘉(松山聖陵高校)男子ジュニア 織田を抜いて3番手に浮上した日野竜嘉(松山聖陵高校) photo:Kei Tsuji「急勾配の短い登りが自分に有利」と語る竹内と、「テクニカルなセクションでは自分が上」と語る山田。2週間前の野辺山シクロクロスの土曜日C2レースでは竹内、日曜日ジュニアレースでは山田が勝利している。普段から競り合う2人が一進一退の攻防を繰り広げた。

男子ジュニア 単独先頭でダウンヒルをこなす竹内遼(WESTBERG/ProRide)男子ジュニア 単独先頭でダウンヒルをこなす竹内遼(WESTBERG/ProRide) photo:Kei Tsujiレース後半に差し掛かり、残り2周を切ったところでレースは動く。周回前半のシケインで距離が開いた隙を突いて竹内がアタック。一気に仕掛けた竹内が山田を置き去りにした。

「今日は路面がドライに近いぐらい堅く締まっていました。滑りやすいコーナーやウォッシュボードでは山田君のほうが速い。そこまでに差を広げることが出来れば勝てると思っていました」と語る竹内が先行する。「残り2周で距離が開いたので、『ここしかない』と思って一気に行きました。とにかくミスをしないように慎重に。メカトラブルにも気をつけ、最後まで追い込み続けました」。最終的に1分33秒差で勝負が決まった。

前年の全日本選手権ジュニアレースでは中井唯晶(瀬田工業高校:現在U23)とバトルを繰り広げ、最終スプリントで僅差の敗北を味わった竹内。「1年前のリベンジを果たせたので嬉しく思います」と笑顔を浮かべる。次なる目標である世界選手権に向けて初タイトルを手にした。

敗れた山田は「前半は遼選手に付いていけたのですが、後半に入って急に身体が動かなくなった」と肩を落とす。「ウォッシュボードで勝負を仕掛けようと思っていたんですが、その前に離れてしまった。後半まで踏めていれば勝負になったのに。残り2周で生まれた差で勝負が決まってしまいました」。

3位争いは織田と日野の闘いとなり、普段ロードレースで活躍する日野が織田を抜いて表彰台を獲得。なお、泥のコンディションが時間とともに悪化したため単純比較出来ないが、竹内が山田を引き離した4周目にマークした7分04秒のラップタイムは今大会最速だった(エリート最速は小坂光の8分04秒)。



男子ジュニア フィニッシュまで2周を残して山田を引き離した竹内遼(WESTBERG/ProRide)男子ジュニア フィニッシュまで2周を残して山田を引き離した竹内遼(WESTBERG/ProRide) photo:Kei Tsuji男子ジュニア 懸命に竹内を追う山田将輝(PAX PROJECT)男子ジュニア 懸命に竹内を追う山田将輝(PAX PROJECT) photo:Kei Tsuji
男子ジュニア 独走でフィニッシュする竹内遼(WESTBERG/ProRide)男子ジュニア 独走でフィニッシュする竹内遼(WESTBERG/ProRide) photo:Kei Tsuji
男子ジュニア 優勝を飾った竹内遼(WESTBERG/ProRide)男子ジュニア 優勝を飾った竹内遼(WESTBERG/ProRide) photo:Kei Tsuji男子ジュニア表彰台男子ジュニア表彰台 photo:Kei Tsuji


男子ジュニア
1位 竹内遼(WESTBERG/ProRide)       37'06"
2位 山田将輝(PAX PROJECT)         +1'33"
3位 日野竜嘉(松山聖陵高校)          +2'45"
4位 織田聖(Bottles and Chains)      +4'09"
5位 藤田拓海(横浜高校)             +7'20"
6位 齋藤拓真(Team CHAINRING Espoir)    +8'00"
7位 阿部健大(Cycleclub3UP)         -2Laps

tex&photot:Kei Tsuji