2015年度のUCIワールドツアーライセンス更新を逃し、UCIプロコンチネンタルチームとして活動するフランスのユーロップカー。ジャンルネ・ベルノドーGMは「目標予算に6%届かなかった」とコメントし、思わしくないチームの財政状況を打ち明けた。規定に沿って所属選手は他チームへの移籍が可能となる。



ユーロップカーのジャンルネ・ベルノドーGMユーロップカーのジャンルネ・ベルノドーGM photo:Makoto.AYANO12月4日にUCI(国際自転車競技連合)が発表した2015年度UCIワールドチームリストの中にユーロップカーの名前は無かった。「財政上の基準を満たしていない」としてライセンス委員会は審査を続け、ライセンス更新は保留状態に。12月10日にUCIは改めてプレスリリースを出し、アスタナにUCIワールドツアーライセンスを与える一方で、ユーロップカーの申請をを却下した

ユーロップカーユーロップカー photo:Tim de Waeleまだ正式決定はしていないが、ユーロップカーは2015年シーズンをUCIプロコンチネンタルチームとして活動することになる。キャノンデールが解散し、ユーロップカーが降格し、IAMサイクリングが昇格。2015年度のUCIワールドツアーは上限より1チーム少ない17チームで運営される。

「チームの管理能力や倫理性は高評価を得たが、目標予算に6%届かなかった」と、ユーロップカーのベルノドーGMはレキップ紙のインタビューの中で語っている。レキップ紙によると、ユーロップカーの年間予算はUCIワールドチーム平均年間予算1400万ユーロ(約20億円)の半分強。「セカンドディビジョン(UCIプロコンチネンタルチーム)の中には我々よりも大きな予算で活動しているところが3チームほどある。我々は所属選手に能力相応の給料を払うことが出来ていない」とベルノドーGMは打ち明けている。

UCIワールドツアーライセンスが確約されなかったことにより、規定によって所属選手は他チームへの移籍が可能に。しかし2015年シーズンの幕開けまで1ヶ月を切っており、現実的に好条件で移籍するのは困難を極めるだろう。ワイルドカード枠でのUCIワールドツアーレース出場の可能性も残されており、ほとんどの選手たちがチームに残留すると見られる。実績としてユーロップカーはブイグテレコム時代からワイルドカード枠で毎年ツール・ド・フランスに出場している。

大手レンタカー会社のユーロップカー社は2015年シーズンをもってスポンサー活動を終了予定。フランスチームを率いるベルノドーGMは新たなスポンサー探しに奔走中だ。

text:Kei Tsuji

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