ツアー・オブ・北京第2ステージは大気汚染悪化によるコース短縮に伴って3級山岳の頂上ゴールで決着。冷静にスパートのタイミングを見極めたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が優勝し、リーダージャージを獲得した。



紅葉の中を進むツアー・オブ・北京第2ステージ紅葉の中を進むツアー・オブ・北京第2ステージ (c)www.tourofbeijing.net
コースの短縮についてコミッセールと協議するベルハント・アイゼル(オーストリア、チームスカイ)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)コースの短縮についてコミッセールと協議するベルハント・アイゼル(オーストリア、チームスカイ)とフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) (c)www.tourofbeijing.netのどかな農村地帯を通過するプロトンのどかな農村地帯を通過するプロトン (c)www.tourofbeijing.net



集団を飛び出したァビオ・シルベストレ(ポルトガル、トレックファクトリーレーシング)ら4名集団を飛び出したァビオ・シルベストレ(ポルトガル、トレックファクトリーレーシング)ら4名 (c)www.tourofbeijing.net崇礼(チョンリー)から延慶(イェンチン)に至る147.5kmのコースで争われる予定だったツアー・オブ・北京第2ステージ。しかし、延慶県における大気汚染の悪化が深刻なことを受け、フィニッシュ地点は111km地点に位置する3級山岳YAN JIA PINGへと移動。変更前は集団スプリントで決着すると予想されていたが、一転して終盤はクライマーやパンチャー達による勝負となった。

雨によって冷え込んだため、多くのライダーがレインウェアや防寒アクセサリーを装着して出走雨によって冷え込んだため、多くのライダーがレインウェアや防寒アクセサリーを装着して出走 (c)www.tourofbeijing.net雨によって冷え込んだ序盤。アレクシ・グジャー(フランス、AG2Rラモンディアール)、ローラン・マンジェル
(フランス、FDJ.fr)、ジュリアン・アラフィリップ(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)、ファビオ・シルベストレ(ポルトガル、トレックファクトリーレーシング)の計4名が集団を飛び出す。

BMCレーシング、オリカ・グリーンエッジ、ガーミン・シャープなどがメイン集団をコントロールBMCレーシング、オリカ・グリーンエッジ、ガーミン・シャープなどがメイン集団をコントロール (c)www.tourofbeijing.netその後方ではオリカ・グリーンエッジ、ジャイアント・シマノ、ガーミン・シャープの3チームがメイン集団をコントロール。途中アラフィリップが離脱したことで3名となった先頭集団とのタイム差は、距離が短いため、約2分で推移していく。

50.5km地点と99km地点に設けられたスプリントポイントはシルベストレが、70.5km地点の3級山岳ポイントはシルベストレがそれぞれ先頭で通過。終盤にかけてはジャイアント・シマノ、カチューシャ、BMCレーシングがメイン集団をコントロールし、残り5kmを切ってから先頭3名を吸収する。

ゴールへ向かって徐々に勾配がキツくなると、替わってメイン集団の先頭に立ったのはチームスカイ。ペースアップによって徐々に人数を減らすプロトンからは残り2kmでマヌエーレ・ボアーロ(イタリア、ティンコフ・サクソ)が飛び出すも、ゴールまで1kmを残して吸収される。

振り出しに戻った先頭集団では残り300mでダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)を引き連れたエスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)が加速。ゴール前勝負の火蓋が切って落とされると、残り100mでレイナード・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ジャイアント・シマノ)がアタックを試みる。

しかし、スパートのタイミングを冷静に見極めたジルベールが右コーナーのアウト側からヤンセファンレンズバーグをかわし、左手でガッツポーズしながら先頭でフィニッシュ。6月に行われたステルZLMツアー以来5ヶ月ぶりとなるシーズン5勝目を飾った。



冷静にスパートのタイミングを見極めたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が優勝冷静にスパートのタイミングを見極めたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が優勝 (c)www.tourofbeijing.net


ステージ優勝のフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)ステージ優勝のフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) (c)www.tourofbeijing.net「今日の様なコースを待ち望んでいたし、それだけ勝てる自信があった」とコメントしたジルベール。「だからこそ、誰かが先にスパートするのを待った。僕は先頭に立ちたくなかったからね。そして先行したのがヤンセファンレンズバーグ。正に完璧だった。多分アウト側から僕にかぶせようと考えていたとんだと思うけど、大きくスペースが空いていたからリスクを侵すことなく僕は左から回り込んで勝つことができた」とレースを振り返った。

リーダージャージ及びポイント賞ジャージは第1ステージ優勝のルーカ・メスゲツ(スロベニア、ジャイアント・シマノ)からジルベールの手に。総合2位以下も今日の結果を受けて大きく入れ替わっている。明日の第3ステージは1級を含む7つの山岳ポイントが設定されたアップダウンに富む176kmで争われる。



ツアー・オブ・北京2014第2ステージ結果
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)             2h29'02"
2位 レイナード・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ジャイアント・シマノ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
6位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)
8位 エスデバン・シャベス(コロンビア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ミカエル・シェレル(フランス、AG2Rラモンディアール)

個人総合成績
1位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング) 
2位 レイナード・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ジャイアント・シマノ)
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、ランプレ・メリダ)
4位 ヘスス・エラーダ(スペイン、モビスター)
5位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ミカエル・シェレル(フランス、AG2Rラモンディアール)
7位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
8位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
10位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
6h51'49"
+05"
+07"
+11"








ポイント賞
フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)

山岳賞
トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)

チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ

text:Yuya.Yamamoto
photo:Tour of Baijin