2009年2月15日、ツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)の第1ステージが行なわれ、開始直後からアタックしたフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)が、遅れて合流した選手たちを振り切って優勝。冷たい雨の中でのタフな逃げを完遂したマンセーボは総合トップに躍り出た。

雨のデーヴィスの街をスタートしていく選手たち雨のデーヴィスの街をスタートしていく選手たち photo:CorVosカリフォルニア2日目、第1ステージはデーヴィスをスタートし、丘陵地帯を抜けてサンタローザにゴールする173km。中盤に標高300〜600mクラスの山岳ポイントが3つ登場し、最後は5kmの周回を3周してゴールとなる。この日は朝から冷たい雨が降り続いた。

開始早々にアタックしたのは、今シーズンから奇抜なブラックジャージに身を包むマンセーボだ。遅れて飛び出したデーヴィッド・ケンプ(オーストラリア、FLY・V・オーストラリア)とティモシー・ジョンソン(アメリカ、OUCHマキシス)の2人は、51km地点でようやく先頭マンセーボに追いついた。

雨のサンタローザ周回コースで逃げ続けるフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)雨のサンタローザ周回コースで逃げ続けるフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング) photo:CorVosこのエスケープトリオは、メイン集団から最大で12分のアドバンテージを稼ぎ出すことに成功する。その一方で、総合トップのファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)は体調不良によって補給ポイントでリタイア。イエロージャージがレースを去った。

やがてゴール71km手前に登場するハウエル・マウンテンの山岳ポイントで、マンセーボが逃げメンバー2名を振り切って独走を開始。メイン集団も上りで動きが見られ、ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)を含む強力な20名ほどのグループが飛び出す展開に。

ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)らを含む追走グループロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)らを含む追走グループ photo:CorVosしかし悪天候に伴うラジオツール(競技無線)の不調と、リーダーチーム欠如の影響により逃げとのタイム差が詰まらない。独走態勢に入ったマンセーボは、5分のリードを保ったままゴール40km手前の山岳ポイントをクリアした。

追走グループは人数を揃えるアスタナがコントロールし、マンセーボから1分07秒遅れでサンタローザの周回コースに突入。特例としてこのステージは1度目のフィニッシュライン通過時のタイムが総合成績に反映される。そのため、周回コースに入ると、アスタナは追走グループのペースを弱めた。

ヴァンデワールとニーバリを破ったフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)ヴァンデワールとニーバリを破ったフランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング) photo:CorVosペースダウンした追走グループから飛び出したのは、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)とユルゲン・ヴァンデワール(ベルギー、クイックステップ)だ。ステージ優勝を狙うこの2名はそれぞれ単独で先頭マンセーボに合流した。

最後はマンセーボ、ヴァンデワール、ニーバリによるスプリントに持ち込まれ、ラスト200mの上りで仕掛けたマンセーボが先頭でゴール。170km以上の逃げを成功させたマンセーボが何度も拳を突き上げた(総合成績においてニーバリとヴァンデワールは追走グループと同タイム)。

追走グループ内でゴールするランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)ら追走グループ内でゴールするランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)ら photo:CorVosかつてバネスト(イリェスバレアレス・ケースデパーニュ)に所属し、グランツールでコンスタントに好成績を収めていたマンセーボ。しかし2006年に勃発したオペラシオン・プエルトの捜査線上に名前があがり、所属していたアージェードゥーゼルを離れた。のちにドーピング関与は否定されたが、ビッグチームに所属することなく、レラックスGAMとポストガルのコンチネンタルチームを渡り歩き、今シーズンからロックレーシングへ。久々のビッグレース勝利で再びその名を世界に知らしめた。

この日遅れたクリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン)やカルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ)、フロイド・ランディス(アメリカ、OUCHマキシス)は、実質的に総合争いから脱落したことになる。ランディスは終盤まで追走グループに入っていたが、不運なメカトラブルによって遅れてゴールした。

フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)
とても寒かったから、最初は暖まるためにアタックしたんだ。スピードを上げるにつれて徐々に快適になったよ。この勝利は僕にとっても、そしてもちろんチームにとっても意味がある。チームにとってのホームレースを、優勝でスタートさせたことは素晴らしいこと。

レース公式サイトより

ツアー・オブ・カリフォルニア2009第1ステージ結果
1位 フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)4h11'07"
2位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+01"
3位 ユルゲン・ヴァンデワール(ベルギー、クイックステップ)
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)+1'07"
5位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)
6位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
7位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)
8位 スティーブ・モラビート(スイス、アスタナ)
9位 オスカル・セビリャ(スペイン、ロックレーシング)
10位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)

個人総合成績
1位 フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)4h15'46"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)+1'02"
3位 デーヴィット・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン)+1'03"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)
5位 ランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)+1'05"
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)+1'09"
7位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)+1'13"
8位 ホセルイス・ルビエラ(スペイン、アスタナ)
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
10位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+1'14"

山岳賞
フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)

スプリント賞
フランシスコ・マンセーボ(スペイン、ロックレーシング)

新人賞
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

チーム総合成績
アスタナ

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