午前のジュニア女子に続き、午後に行なわれたU23男子個人タイムトライアルも雨模様。昨年4位のキャンベル・フレークモア(オーストラリア)が僅か0.48秒差で世界タイトルを手にした。



フィニッシュに向かってスプリントするキャンベル・フレークモア(オーストラリア)フィニッシュに向かってスプリントするキャンベル・フレークモア(オーストラリア) photo:Tim de Waele


9秒差の3位に入ったステファン・キュエン(スイス)9秒差の3位に入ったステファン・キュエン(スイス) photo:Tim de Waele「昨年は4位という結果に落胆したので、今年は何としても勝ちたかった」と語るフレークモアがスプリントしながらフィニッシュラインに飛び込むと、それまでホットシートに座っていたライアン・ミューレン(アイルランド)は表情を失った。

僅か0.48秒差でタイトルを逃したライアン・ミューレン(アイルランド)僅か0.48秒差でタイトルを逃したライアン・ミューレン(アイルランド) photo:Tim de Waele午後にかけて雨脚が強まったためポンフェラーダの36.15kmコースは完全ウェットな状態に。そんな悪条件の中でもフレークモアは平均49.5km/hをマークした。敗れたミューレンは「最速の選手が勝った。最善を尽くしたので、これ以上タイムを伸ばすポイントが思い当たらない」とコメント。そのタイム差は僅かに0.48秒。昨年4位のフレークモアが昨年7位のミューレンを打ち破った。

雨の中を走るキャンベル・フレークモア(オーストラリア)雨の中を走るキャンベル・フレークモア(オーストラリア) photo:Tim de Waele「40分間の最後に登りが登場するので、前半は抑え気味に走ったんだ。2つの計測ポイントではミューレンから20秒ほど遅れていたけど、その作戦が功を奏したと思う。フィニッシュまでのラスト数キロはタンクが空になるまで追い込んだよ。雨の影響でコーナーを攻めることが出来なかったけど、どの選手も条件は一緒だった」とフレークモア。

オーストラリアは2年連続、4度目のU23タイムトライアル制覇。今大会すでに2つめの金メダルを手にしている。「オーストラリアにはTTの伝統が息づいている。その伝統の波に乗ることが出来て嬉しいよ」と勝者は語る。

タスマニア島ホバート出身のフレークモアは現在UCIコンチネンタルチームのアヴァンティレーシングに所属する22歳で、8月に開催されたツール・ド・ラヴニールのプロローグで優勝。1月に行なわれたオーストラリア選手権U23タイムトライアルでは4位だった。フレークモアの2015年所属チームは未定。「タイムトライアルは得意だけど、まだまだロードレースでは持久力と経験が足りないんだ。ラヴニールとこの勝利でUCIワールドツアーチームから声が掛かれば良いけど」と語っている。

選手コメントはオーストラリア車連ならびにレース公式サイトより。



2位ライアン・ミューレン(アイルランド)、優勝キャンベル・フレークモア(オーストラリア)、3位ステファン・キュエン(スイス)2位ライアン・ミューレン(アイルランド)、優勝キャンベル・フレークモア(オーストラリア)、3位ステファン・キュエン(スイス) photo:Tim de Waele



ロード世界選手権2014タイムトライアル U23男子
1位 キャンベル・フレークモア(オーストラリア)    43'49"
2位 ライアン・ミューレン(アイルランド)        +00"
3位 ステファン・キュエン(スイス)           +09"
4位 ラファエル・フェレイラ(ポルトガル)        +19"
5位 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ)        +37"
6位 ジョナサン・ディッベン(イギリス)         +38"
7位 アンドレアス・ヴァングスタッド(ノルウェー)    +44"
8位 ルイス・マインティーズ(南アフリカ)        +48"
9位 フレデリック・フリゾン(ベルギー)        +1'07"
10位 ジェームス・オラム(ニュージーランド)      +1'09"

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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