逃げていた2人をフィニッシュライン直前で捕まえ、そのまま先頭でフィニッシュ。落ち着いて勝負に持ち込んだミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)がステージ優勝を飾るとともに、総合リーダージャージを射止めた。



ツアー・オブ・ブリテン2014第4ステージツアー・オブ・ブリテン2014第4ステージ photo:www.tourofbritain.co.ukツアー・オブ・ブリテン第4ステージはウスターからブリストルまで南下する185kmのアップダウンコース。勝負の鍵を握るのは残り2km地点登場する2級山岳ブリッジヴァレーの登りだ。

多くの観客が詰めかけたコースを走る多くの観客が詰めかけたコースを走る photo:www.tourofbritain.co.uk序盤から逃げたのはアルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・シマノ)、ペーター・ベリトス(スロバキア、BMCレーシング)、アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)、ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、ガーミン・シャープ)、クリスティアン・ハウス(イギリス、ラファ・コンドールJTL)という脚の揃ったメンバー。

2級山岳ブリッジヴァレーを駆け上がるニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)2級山岳ブリッジヴァレーを駆け上がるニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ) photo:www.tourofbritain.co.ukここから生き残ったティマー、ベリトス、ハンセンが粘りを見せたが、メイン集団の追撃によって残り7km地点でタイム差は1分を割り込む。メイン集団のペースは落ちず残り3km地点で30秒に。

2級山岳ブリッジヴァレーを駆け上がるミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)2級山岳ブリッジヴァレーを駆け上がるミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.tourofbritain.co.ukそしていよいよ「180度コーナーからゼロ発進に近い形で登りが始まるので、集団前方で走ることが不可欠(クヴィアトコウスキー)」という2級山岳ブリッジヴァレーが始まった。

先頭ティマーとバウアーを抜き去ったミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)先頭ティマーとバウアーを抜き去ったミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.tourofbritain.co.uk先頭で独走に持ち込んだティマーに、登りでメイン集団から飛び出したジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)がジョイン。後方ではニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)がアタックを仕掛け、ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)とヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)、そしてクヴィアトコウスキーとともに追走グループを形成した。

パワフルな走りでバウアーが先頭を牽き、ティマーとともに残り1kmを切る。スプリントに向けて牽制する2人の後ろからクヴィアトコウスキーがロケットのように迫り、並び、追い抜く。フィニッシュライン直前で2人を抜き去ったクヴィアトコウスキーが両手を挙げた。

「どこからともなくやって来たかのように見えたかも知れないけど、これは狙い通りの結果なんだ。ニキ・テルプストラとジュリアン・ヴェルモトが逃げとの距離を縮め、勝利をお膳立てしてくれた。先頭の2人(バウアーとティマー)はまさか追いつかれるとは思っていなかったはず。最終コーナーを前に単独で追走を仕掛けて、先頭をパスした」と、今シーズン9勝目を掴んだクヴィアトコウスキーは語る。

リーダージャージを着るエドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)やブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)らが6秒遅れの集団でフィニッシュしたため、ボーナスタイム獲得のクヴィアトコウスキーが総合首位に浮上した。

「シーズン半ばの休息期間から復帰したばかりなので自分のコンディションがよく分からない。タイムトライアルは得意だけど、最終日の個人TTは距離が短く(8.8km)、どれだけ闘えるか分からない。でもオメガファーマ・クイックステップは世界選手権のチームTTを見据えているし、短くてテクニカルな個人TTで結果を残したい」とクヴィアトコウスキーは大会制覇に向けて意気込む。ザルディーニと3秒差、ウィギンズと27秒差でリーダージャージに袖を通した。

選手コメントはレース公式サイトより。



リーダージャージに袖を通したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)リーダージャージに袖を通したミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.tourofbritain.co.uk


ツアー・オブ・ブリテン2014第4ステージ結果
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)4h19'09"
2位 アルバート・ティマー(オランダ、ジャイアント・シマノ)
3位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)
4位 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
6位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
7位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)                   +06"
8位 リック・ツァベル(ドイツ、BMCレーシング)
9位 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バルディアーニCSF)
10位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、IAMサイクリング)

個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)15h49'33"
2位 エドアルド・ザルディーニ(イタリア、バルディアーニCSF)            +03"
3位 ディラン・テウンス(ベルギー、BMCレーシング)                 +14"
4位 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、ティンコフ・サクソ)
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)                    +23"
6位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)                +27"
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、チームスカイ)
8位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンドゥーラ)          +29"
9位 セバスティアン・レイヘンバッハ(スイス、IAMサイクリング)
10位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)

ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
マーク・マクナリー(イギリス、アンポスト・チェーンリアクション)

チーム総合成績
ティンコフ・サクソ

text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk

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