ツール・ド・フランスでステージ2勝を飾った勢いをそのままに、ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)が大会最初の山頂フィニッシュで勝利。久々に開催国ポーランドにステージ優勝をもたらした24歳が総合首位まで1秒差に迫った。



雨のスロバキア北部を走るプロトン雨のスロバキア北部を走るプロトン photo:Tim de Waele


ツール・ド・ポローニュ2014第5ステージツール・ド・ポローニュ2014第5ステージ image:tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ第5ステージの大部分は隣国スロバキアを走る。ポーランド南部のザコパネを発ち、中央ヨーロッパのタトラ山脈を越えてスロバキアへ。後半にかけて25.4kmの山岳周回コースを2周する。1級山岳シトゥルブスケー・プレソが合計3回登場し、標高1313mにフィニッシュする。大会最初の本格的な山岳ステージだ。

リーダージャージを着て走るペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)リーダージャージを着て走るペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Tim de Waele190kmコースの序盤から逃げたのは、山岳賞ジャージを着るマチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)ら9名。前日までとは打って変わってこの日は雨降りで気温も上がらず。逃げグループは4分差で先行した。

ユンヘルスのために追走グループを率いるファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)ユンヘルスのために追走グループを率いるファビオ・フェリーネ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) photo:Tim de Waele周回コースに入り、1級山岳シトゥルブスケー・プレソの登りが始まったところでメイン集団からロリー・スザーランド(オーストラリア、ティンコフ・サクソ)やボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、トレックファクトリーレーシング)ら7名が飛び出し、そのまま先頭グループにブリッジ成功。先行した16名を、オメガファーマ・クイックステップ率いるメイン集団が追い上げる展開に。

アタックを仕掛けるライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)アタックを仕掛けるライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) photo:Tim de Waele2回目の1級山岳シトゥルブスケー・プレソで先頭グループは崩壊し、クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)が粘り強くエスケープを続行する。しかしアタックが連発してペースが上がったメイン集団を振り切ることが出来ずに吸収。50名ほどに絞られた状態で最後の1級山岳シトゥルブスケー・プレソに差し掛かった。

登りでロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)やライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)、ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)らが立て続けにアタックを仕掛けたが決まらない。最終的に30名弱の集団によるゴールスプリントに持ち込まれ、モビスターの2人(インチャウスティとイサギーレ)を振り切ったマイカが勝利した。

「アウターを踏むハイスピードな登りだった。チームは逃げに選手を送り込んだし、最初から最後まで登りで主導権を得ていた。ポーランドのサポーターの大きな声援がモチベーションになったよ。明日も闘いに挑むけど、ツール直後なので自分の調子がよく分からないんだ」とマイカは語る。地元ポーランド勢によるステージ優勝は2004年以来10年ぶり。

リーダージャージを着て走ったペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)は残り5kmで集団から脱落したものの、大きくペースを落とすことなく26秒遅れでフィニッシュした。ボーナスタイム10秒を獲得したマイカを1秒差でかわし、ヴァコッチがリーダージャージを守っている。大会最初の山頂フィニッシュを終えて、依然として19名が11秒以内にひしめいている状態だ。

翌日の第6ステージは1級山岳が合計8カ所設定された174kmのタフコース。2日連続の山頂フィニッシュで総合は絞り込まれ、第7ステージの個人タイムトライアルで決着する。

選手コメントはレース公式サイトより。



ゴールスプリントを制したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)ゴールスプリントを制したラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ) photo:Tim de Waele
第5ステージ表彰台 モビスターの2人がラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)を囲む第5ステージ表彰台 モビスターの2人がラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)を囲む photo:Tim de Waele



ツール・ド・ポローニュ2014第5ステージ結果
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
2位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
3位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
4位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
7位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
8位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、ベルキン)
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
10位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ)
111位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
4h30'38"









+16'28"


個人総合成績
1位 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ラファル・マイカ(ポーランド、ティンコフ・サクソ)
3位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター)
4位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
5位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール)
6位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
7位 マレック・ルトキェビッチ(ポーランド、CCCポルサット)
8位 ペーター・ベリトス(スロバキア、BMCレーシング)
9位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
10位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
25h05'28"
+01"
+05"
+07"
+11"






ポイント賞
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)

山岳賞
マチェイ・パテルスキー(ポーランド、CCCポルサット)

スプリント賞
マティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)

チーム総合成績
モビスター

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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