7月26〜30日にかけての5日間、ベルギーのワロン地方でツール・ド・ワロニー(2.HC)が開催。連日繰り広げられた集団スプリントで2位を4回、1位を1回と好成績を残したジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝に輝いた。



開幕ステージを制したイェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)開幕ステージを制したイェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル) photo:www.trworg.be
小麦畑を横目にプロトンが行く小麦畑を横目にプロトンが行く photo:www.trworg.be1980年に第1回大会が開催され、今年で35回目の開催を迎えたツール・ド・ワロニー。ベルギー西部のワロン地方を5日間に渡って駆け巡り、UCIヨーロッパツアーのHCランクが与えられるレースだ。

第2ステージを制したジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング) 第2ステージを制したジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)  photo:www.trworg.be春に同地方で開催されるアルデンヌクラシックと同じく、このレースには細い道や石畳、短いながらも急勾配の丘が設定され、レースの雰囲気はベルギーワンデーレースのそれに似る。

しかし長い登りが設定されないため、過去の総合優勝者リストにはフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)や、ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)など、登坂力のあるスプリンターが名を連ねる。ちなみに、毎年9月下旬に開催されるツール・ド・ワロニー・ピカルディとは別のレースである。

第3ステージ優勝 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)第3ステージ優勝 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター) photo:www.trworg.be今年は2012年の総合優勝者ニッツォロを擁するトレックファクトリーレーシングをはじめとする11のプロチームと、4つのプロコンチネンタルチーム、そして2つのコンチネンタルチームが参加。今年のロード世界選で引退する予定のトル・フースホフト(ノルウェー、BMCレーシング)もスタートラインに並んだ。

第4ステージはトム・ヴァンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)が優勝第4ステージはトム・ヴァンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)が優勝 photo:www.trworg.be7月26日に開催された開幕ステージでは、まずベルギーチャンピオンのイェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)がメールスマンを退けスプリント勝利し、ボーナスポイントを獲得して総合首位に立つ。次ぐ第2ステージでは総合優勝奪還を狙うニッツォロがメールスマンを抑え優勝。メールスマンは2日連続2位に入ったことで総合リーダーとなり、以降そのポジションを譲ることが無かった。

最終ステージを制したジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)最終ステージを制したジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:www.trworg.be雨に濡れた第3ステージではファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)がスプリントを制し、春のクラシックでも有名な石畳の激坂「ミュール」が登場した第4ステージで勝ち星を挙げたのはトム・ヴァンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)。この両ステージ共にメールスマンは2位となり、着実に総合リードを広げていく。

そしてマルメディからアンスにかけての180kmで行われた最終第5ステージでは、ここまで4連続2位に入っていたメールスマンがゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)のアシストを受け遂にステージ優勝。2位のロバトに対して総合リードを30秒まで広げ、35代ツール・ド・ワロニーの総合優勝に輝いた。

以下はメールスマンのコメント。
「この勝利をとても嬉しく思っているよ。4連続の2位ということもあって、総合だけではなくどうしても最終ステージで勝ちたかった。チームメイトの素晴しい働きを、ステージ優勝に結びつけることができて良かったと思う。十分にレベルの高いレースだから、この勝利での満足感はとても大きいよ」

「次のレースはクラシカ・サンセバスティアン。2012年に走った時は総合3位になっているし、そのことが自身に繋がっている。好調のまま乗り込むことができそうだから楽しみだ。」
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が総合優勝 photo:www.trworg.be


7月26日 第1ステージ Frasnes-Lez-Anvaing〜トゥルネー 147.9km
1位 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)             3h39'18"
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
4位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
5位 マルコ・クンプ(スロベニア、ティンコフ・サクソ)



7月27日 第2ステージ Peronnes-lez-Antoing〜ペルヴェ 193.1km
1位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)       4h51'35"
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
5位 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ベリソル)



7月28日 第3ステージ Somme-Leuz〜ヌフシャトー 174.1km
1位 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)                  4h35'20"
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
4位 アントニー・ルー(フランス、FDJ.fr)
5位 クリストフ・ラポール(フランス、コフィディス)



7月29日 第4ステージ ヘルベ〜ワレム 174.9km
1位 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)      4h38'41"
2位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ)
4位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
5位 ニッキー・ファンデルライク(オランダ、ベルキン)



7月30日 第5ステージ マルメディ〜アンス 180.6km
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)      4h33'00"
2位 イヴ・ランパート(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
3位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
4位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
5位 クリストフ・ラポール(フランス、コフィディス)



個人総合成績
1位 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ファンホセ・ロバト(スペイン、モビスター)
3位 シルヴァン・ディリエル(スイス、BMCレーシング)
4位 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
5位 ジコ・ワイテンツ(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
6位 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ティンコフ・サクソ)
7位 ヴィチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ)
8位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
9位 ピム・リヒハルト(オランダ、ロット・ベリソル)
10位 パヴェル・コチェトコフ(ロシア、カチューシャ)
22h17'11"
+30"
+33"

+34"
+38"
+40"
+41"

+42"



text:So.Isobe
photo:www.trworg.be

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