8月22日(土)、長野県大町市美麻地区で全日本実業団自転車競技連盟Jサイクルツアー第8戦大町美麻ロード(主催:大町美麻ロードレース実行委員会、長野県自転車競技連盟)の第1ステージである個人ヒルクライムTTが行われ、佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)が優勝した。

1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)9分14秒1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)9分14秒 photo:Hideaki.TAKAGI2位には13秒差で西薗良太(東京大学)が入った。第2ステージは23日(日)に201.6kmの個人ロードレースが行われる。

大町美麻ロードは実業団体大会だが主催は大町美麻ロードレース実行委員会と長野県自転車競技連盟であり、独自の設定がなされる。
まずは2日間のステージレースであり、各賞ジャージが設定される。参加はチーム単位で4~6名、ワイルドカードとしてTRチーム以外も参加する。これらに共通する思想は「世界水準に通用する試合に」だ。主催者サイドの体制はもちろん、選手の側もチーム戦を全面に意識するものだ。今年に大改革を行った実業団TRクラスの制度を、さらに進めたものと捉えることもできる。その詳細は次のとおり。

2位 西薗良太(東京大学)9分27秒2位 西薗良太(東京大学)9分27秒 photo:Hideaki.TAKAGITRクラス
第1ステージ 個人TT
距離3.1km、標高差244mのヒルクライムTT。1分間隔ですべての選手が出走する。

第2ステージ 個人ロードレース 201.6km
コースは1周12.6km、標高差110m、30m、80mの坂のある1周あたり226mを上る。TRクラスはここを16周する201.6km、合計3700mを上るハードなもの。一つ一つの坂は大きくなく勾配もさほどきつくはないが、ペースが上がると休みどころがないハードなサバイバルコースだ。

BRクラス
コースを4周する50.4kmのレースで、日曜日のみの1ステージ。ER、FRの設定はないが女子選手が3人(山口亮子、豊岡英子、萩原麻由子)出走する。

実業団TRチーム以外の参加チーム
イナーメ・アイランド信濃山形(高岡亮寛、江下健太郎 、筧五郎ら)
MTB XC選抜(辻浦圭一、山本幸平、平野星矢、合田啓祐、小野寺健、竹之内悠)
東京大学運動会自転車部競技班(西薗良太ら)
O-Trick西日本学生選抜(福田高志ら、秋田謙監督)
3位 別府匠(愛三工業レーシングチーム)9分31秒3位 別府匠(愛三工業レーシングチーム)9分31秒 photo:Hideaki.TAKAGI信州大学自転車競技部
また、U-23とO-40もそれぞれ表彰対象だ。また、数多くの賞品が地元企業などから提供されている。



レースレポート

TRクラス 第1ステージ 個人TT

前半にスタートした佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)がパワフルな走りで明らかに速いスピードで駆け上がり、9分14秒のトップタイムで優勝。個人総合と山岳賞ジャージを手に入れた。そして2位は西薗良太(東京大学)。ワイルドカードで実業団レースに出場した学連登録チームだ。西薗は6月の全日本学生個人TT優勝、現在学生ロードシリーズ戦のチャンピオンであり、この結果は至極順当なものだ。そして3位にはヒルクライムを得意とする別府匠(愛三工業レーシングチーム)が入り、存在感を見せた。


4位 平野星矢(MTB XC選抜)9分35秒4位 平野星矢(MTB XC選抜)9分35秒 photo:Hideaki.TAKAGIこの第1ステージは、距離3.1kmと短いが上位でも20~30秒差が付いた。だがこれは翌日の第2ステージでは微妙なタイム差だ。すなわち、ゴール前の上りまでもつれ込んだ場合、非常に重要なタイム差となる。そのためには事前のボーナスタイムをいかに獲得しているかもカギだ。いっぽうで単独の逃げの展開の場合、この20~30秒差は簡単にひっくり返せるものだ。当日の最高気温は26度と涼しい予想。しかし200kmの長丁場がどう展開に影響するかが見どころだ。



第1ステージ 3.1km結果
1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)9分14秒
2位 西薗良太(東京大学)9分27秒
3位 別府匠(愛三工業レーシングチーム)9分31秒
4位 平野星矢(MTB XC選抜)9分35秒
5位 平塚吉光(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)9分36秒
6位 狩野智也(シマノレーシング)9分44秒
7位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)9分47秒
8位 野寺秀徳(シマノレーシング)9分50秒
9位 鈴木譲(シマノレーシング)9分54秒
全日本チャンピオンジャージで出場の盛一大(愛三工業レーシングチーム)、10分18秒で29位全日本チャンピオンジャージで出場の盛一大(愛三工業レーシングチーム)、10分18秒で29位 photo:Hideaki.TAKAGI10位 小段亮(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)9分55秒


photo&text:高木秀彰