8月4日に行なわれたツール・ド・ポローニュ第3ステージは、大会3回目の集団スプリントで新星ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)が競り勝って優勝。ステージ3位のアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)が総合首位に立った。

逃げるラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)、オリヴィエ・カイセン(ベルギー、サイレンス・ロット)、ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)逃げるラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)、オリヴィエ・カイセン(ベルギー、サイレンス・ロット)、ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム) photo:www.tourdepologne.plビエルスク・ポドラスキからルブリンまでの平坦な225kmで行なわれた第3ステージは、ラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)、オリヴィエ・カイセン(ベルギー、サイレンス・ロット)、ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)の3名が序盤から逃げる展開に。

逃げに乗ったボドロギは、ハンガリーのロードチャンピオンに3度、TTチャンピオンに4度輝いており、赤白緑のナショナルチャンピオンジャージがトレードマークだった。しかし昨年フランスに帰化し、今年からフランス人選手として出場している。

集団スプリントでプロ初勝利を飾ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)集団スプリントでプロ初勝利を飾ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス) photo:Cor Vosこのエスケープトリオのリードは、ヴァカンソレイユやランプレの集団コントロールによって6分30秒以上に広がらず。やがてレース後半にかけての集団ペースアップにより、逃げた3名は残り10km地点で吸収された。

ガーミンやサクソバンク、リクイガスがスピードを上げるメイン集団からは、残り2kmでヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、ケースデパーニュ)がアタックを仕掛けたが失敗。残り1kmを切ると、計ったようにチームコロンビア・HTCが先頭に出た。

プロ初勝利を飾ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)プロ初勝利を飾ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス) photo:www.tourdepologne.plしかしコロンビアトレインは完全に主導権を奪えず、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)のスプリントに反応したグアルニエーリが一気に先行。アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)やアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)の追撃届かず、グアルニエーリが勢い良く片手を突き上げた。

グアルニエーリは今年リクイガスでプロ入りした21歳で、デビュー戦のツアー・ダウンアンダーでは第1ステージで5位。イタリア国内の開幕戦として知られるGPコスタ・デッリ・エトゥルスキではアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、LPRブレークス)に次いで2位に入った。

リーダージャージを獲得したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)リーダージャージを獲得したアンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC) photo:Cor Vos身長189cm・体重80kgの恵まれた体格から繰り出されるパワフルなスプリントが持ち味で、イタリア国内では「未来のペタッキ」「未来のチポッリーニ」との声も聞かれる(実際顔もペタッキ似)。国際的な舞台で闘うために英語を熱心に勉強するなど、将来性豊かな若手スプリンターだ。

プロ初勝利を飾ったグアルニエーリは、ガゼッタ紙の中で「長い間待ち続けた勝利だ。初日から感触は抜群だったけど、コースレイアウト的になかなかチャンスに恵まれなかった。今日はチームメイトの働きのおかげで好ポジションを得て、最高のタイミングでスプリントに持ち込めたんだ。」と語っている。

「シーズン序盤は、プロレース昇格の影響で思うようなレースが出来ていなかった。でももう大丈夫。このポーランドで、自分の真価を発揮出来るチャンスを得た。これからのステージに向けて自信が出てきたよ。ポーランドでステージ2勝目を目指したい。シーズンの最後まで勝利のチャンスを狙っていきたい」と、やる気に満ちたコメントも残している。

また、この日の結果を受け、ここまでの3ステージの優勝者(ボジッチ、フルラン、グアルニエーリ)と、コンスタントにボーナスタイムを稼ぐグライペルが同タイムで総合トップに。グライペルはステージ優勝こそ飾っていないが、3ステージの合計順位が最も少ないとして、規定によりリーダージャージを獲得した。

ツール・ド・ポローニュ2009第3ステージ結果
1位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)5h22'31"
2位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)
4位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)
5位 イゴール・アバコモフ(ベルギー、ISD)
6位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)
7位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
8位 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、ポルスカBGZ)
9位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
10位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)

個人総合成績
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)12h32'42"
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
3位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
4位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)
5位 ダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)+01"
6位 ラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)
7位 ビョルン・シュレーダー(ドイツ、ミルラム)+02"
8位 オリヴィエ・カイセン(ベルギー、サイレンス・ロット)+03"
9位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、サイレンス・ロット)+04"
10位 マティシアク・バルトロミエイ(ポーランド、ポルスカBGZ)

ポイント賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、チームコロンビア・HTC)

スプリント賞
ダヴィド・ロースリ(スイス、ランプレ)

山岳賞
ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポルスカBGZ)

チーム総合成績
コフィディス