フランスのレキップ紙が伝えたところによると、2度目のツール・ド・フランスを制したアルベルト・コンタドール(スペイン)がアスタナの高額オファーを蹴り、今シーズン限りでチームを離れる決断を下した。アスタナが提示した条件は4年契約で、年俸400万ユーロと報じられている。

ともにアスタナ離脱が決まったツール総合優勝のアルベルト・コンタドール(スペイン)と総合3位ランス・アームストロング(アメリカ)ともにアスタナ離脱が決まったツール総合優勝のアルベルト・コンタドール(スペイン)と総合3位ランス・アームストロング(アメリカ) photo:Makoto Ayanoツール・ド・フランスを終え、来シーズンに向けて各選手の移籍話が徐々に明らかになっている。ツール総合3位のランス・アームストロング(アメリカ)は、ツール期間中に新チーム「レディオシャック」結成を発表し、数名のチームメイトやヨハン・ブリュイネール監督とともに今シーズン限りでアスタナを離れることを明らかにしていた。

コンタドールの代理人を務める兄フランシスコがレキップ紙に語ったところよると、3度目のグランツール総合優勝をチームにもたらしたコンタドールに対し、年俸400万ユーロ(約5億4000万円/1ユーロ=135円換算)の4年契約を提示した。

しかしコンタドール側は契約更新に応じず、チームと決裂。アスタナとの契約は2010年末まで残っていたが、コンタドールは今シーズン限りでのチーム離脱を決めた。

今回のコンタドール離脱の背景には、2006年にアスタナチームを立ち上げた張本人、アレクサンドル・ヴィノクロフの復帰がある。兄フランシスコによると、アスタナはコンタドールの単独エースを確約したが、ヴィノクロフの合流によってアスタナが“純カザフスタンチーム化”することは否めない。すでに複雑な状況下で闘い、精神的に辛いシーズンを経験したコンタドールは、よりシンプルな環境での闘いを選択した。

コンタドールの移籍先は未定。ツール期間中には、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソ(スペイン)とスペインの大手銀行が出資して新チームを結成する話も持ち上がっていたが、結成に向けての進展は見られない。ビッグネームが次々と来シーズンの移籍先を決定する中で、ツール連覇を目指すような新チーム作りは困難を極めるハズだ。

ツール開幕前の5月にはガーミン・スリップストリームと契約交渉が進んだが、結局合意には至らず。スペインメディアはケースデパーニュとの契約話を報じていたが、チーム予算の関係で頓挫。ツール期間中のインタビューで「一つ確かなのは、ランス・アームストロングとは違う方向に向かうということ」と語っているように、レディオシャックは移籍先の選択肢には入っていない。

現在のロードレース界における最強グランツールレーサーの移籍先は果たしてどのチームか。8月〜9月にかけて、ストーブリーグは本格化する。