ジロ・デ・イタリアと時を同じくして開幕したツアー・オブ・カリフォルニア(2.HC)。オープニングステージは大集団スプリントに持ち込まれ、デゲンコルブとの接戦を制したカヴェンディッシュが優勝。リーダージャージに袖を通した。



サクラメント郊外の荒野を行くプロトン。終止風が強く吹いた一日だったサクラメント郊外の荒野を行くプロトン。終止風が強く吹いた一日だった photo:Cor.Vos
ツアー・オブ・カリフォルニア2014第1ステージコースプロフィールツアー・オブ・カリフォルニア2014第1ステージコースプロフィール (c)Tour Of California今年で9回目を迎える北米最大級のステージレース、ツアー・オブ・カリフォルニアがいよいよ開幕した。カリフォルニア州の西海岸を、サンフランシスコからロサンジェルスまで南下する8日間の第1日目は、州北部のサクラメントを 発着するコースが設定された。

山岳賞を獲得したウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)山岳賞を獲得したウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット) photo:Cor.Vos193.1km(120マイル)に渡るコースは基本的に平坦基調であるものの、97km地点からは山岳ポイントが設定される急勾配の登りが登場。ただしゴールまでの65kmは下り〜平坦であり、最後はサクラメントの市内を周回するサーキットコースが用意されている。フィニッシュでは集団スプリントが繰り広げられるものと予想されていた。

集団内で走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)集団内で走るブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor.Vosチームメイトに守られて走るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)チームメイトに守られて走るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor.Vos快晴の中、16チームから128名の選手達がサクラメントをスタート。強い風が吹き付ける中、レースは序盤からトム・リーザー(オランダ、ベルキン)やアイザック・ボリヴァル(コロンビア、ユナイテッドヘルスケア)ら6名がエスケープを決める。

キャノンデールがペースメイクするものの、途中で失速してしまうキャノンデールがペースメイクするものの、途中で失速してしまう photo:Cor.Vos逃げグループが稼ぎ出した最大タイム差は4分40秒ほど。ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)が山岳ポイントを獲得したその後ろでは、集団の分断を狙うチームスカイのペースアップが開始された。

この動きにはオメガファーマ・クイックステップやBMCレーシング、ジャイアント・シマノが加担し、少人数の精鋭グループが形成されたものの、メイン集団の追い上げによって残り22kmで吸収。逃げグループを吸収し集団一つとなった後も、断続的なアタックが繰り返されていく。

終盤には3名の逃げが発生したものの、強風の中で集団を振り切ることは叶わず。ペーター・サガン(スロバキア)を勝たせたいキャノンデールが主導権を握り、残り5kmのアーチをくぐった。

しかし、キャノンデールに代わって集団前方に位置取ったのは、カヴの最終発車台であるマーク・レンショー(オーストラリア)をパンクで欠いたオメガファーマ・クイックステップ。代役を務めたトム・ボーネン(ベルギー)の後ろから、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)を先頭にスプリントが始まった。

一足早くリードを築いたデゲンコルブ。しかしその後ろから、サガンを引き千切るほどの爆発力でカヴが迫る。両者がハンドルを投げ合う接戦の末、カヴェンディッシュが僅かに先着した。

「フェアな立場から見て、僕はミラノ〜サンレモを10cmの差で勝ったことがあるし、ジロを3cmの差で負けたこともある。そのどちらでも結果は分かっていた。でも今日は僕の競技人生の中で、(結果がどうか)全く分からない初めての経験だったんだ」とはカヴ。

「スーパーハッピーだ。とてもキツかったし、ジョンはとても強かった。でもチームメイトは完璧な仕事をしてくれて、そのおかげで勝つことができた。終盤は風が強く吹くだろうと知っていたけれど、予想とは違う方向に吹いていた。サクラメントのゴールまでの20kmはずっと向かい風になるだろうと考えたんだ。」



ハンドルを投げ込むマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)とジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)ハンドルを投げ込むマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)とジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Cor.Vos


「オメガファーマはベルギーのチームだから、皆横風には慣れているし、どうすべきか分かっていた。予想と違い向かい風にさらされたときも、体力をセーブできるように動くことができた。終盤は少し動き出すのが早いと感じていたけれど、チームは僕の位置をパーフェクトにキープしてくれた。彼らが成し遂げた仕事を誇るに思う」とコメントした。

翌第2ステージは、序盤ながら早くも総合優勝の行方を左右する20.1kmの個人タイムトライルが行われる。ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)ら総合有力勢の走りに注目だ。



ツアー・オブ・カリフォルニア2014 第1ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)     4h44'17"
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキン)
4位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
5位 ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
6位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)
7位 エリック・ヤング(アメリカ、オプタムp/bケリーベネフィット)
8位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
10位 ジョン・マーフィー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)

個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキン)
4位 タオ・ゲーガンハート(イギリス、ビッセルデヴェロップメント)
5位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
6位 ダニー・ヴァンポッペル(オランダ、トレックファクトリーレーシング)
7位 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、キャノンデール)
8位 エリック・ヤング(アメリカ、オプタムp/bケリーベネフィット)
9位 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)
4h44'07"
+04"
+06"

+10"







ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)

山岳賞
ウィル・ルートレー(カナダ、オプタムp/bケリーベネフィット)

新人賞
タオ・ゲーガンハート(イギリス、ビッセルデヴェロップメント)

チーム総合成績
キャノンデール

text:So.Isobe
photo:Cor.Vos
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