2019/10/24(木) - 15:04
スイスの高機能サイクルウェアブランド・アソスの2019-2020シーズンの冬モデルは、ウインターモデルとして原則一本化し、薄手でも暖かい高機能ジャケットやタイツを中心にさまざまなアクセサリーを用意。さらに厳冬期に対応するウルトラズと呼ばれるシリーズも用意するなど、寒い季節を快適に楽しむアイテムがそろう。今回は冬物と厳冬期対応のウルトラズシリーズの特徴とブリーフインプレッションをお送りする。
2019-2020秋冬モデルから、アソスレイヤリングシステム(ALS)では、いわゆる“冬物”が原則的にウインターという1シリーズに集約されることになった。これまではアーリーウインター(ティブル)とウインター(ボンカ)の2シリーズ用意されていたが、今回の変更でラインアップがよりシンプルになった。
冬物を一本化した背景には、ジャケットやタイツの高機能化によって、防寒性能と通気性を高い次元で両立できるようになり、より幅広い温度帯に対応できるようになったことがある。特に関東以西の太平洋岸など比較的温暖な地域では、真冬でも従来のボンカシリーズではオーバースペックに感じることも多かったため、ティブルシリーズをベースにしたモデルが冬物の基本になることは、日本のユーザーとしてはラインアップが単純化されてアイテムを選びやすくなったと言えるだろう。
とはいえ、厳寒期や寒冷地に対応するため、ウルトラズという従来のボンカに相当するシリーズも用意されている。ジャケットやソックスなど「寒さに応じてより防寒性能の高いアイテムを選ぶ」という形が基本になる。
ちなみに、ウインターモデルとウルトラズモデルでは、ALSのイメージカラーとして青色が採用される。シューズカバーやソックスの差し色に青色が配される。ソックスはウインターとウルトラズの両方が用意されるが、ウルトラズの方はそれと分かるロゴが配され、青色の部分の面積が大きくなっている。
新しい冬用のビブタイツ。先代のハブタイツよりパターンが少なくなり、表地には撥水性のある防風素材を採用。裏地はフリース。
【ブリーフインプレッション】
生地に伸縮性があり、足を優しく包み込むような抜群のフィット感。レギュラーフィットだから、生地が余りダボ付くこともなければ、ペダリング中に脚が突っ張る感じはない。お腹周りも従来のミレタイツよりゆるくはない。パッドは厚さが8mmのミレS7EVOパッド。厚みとコシがあり、快適性が高い。ロングライドにも向いている。
保温性は高い。冬の寒い日もこれ1枚でOK。個人的には下にショーツをはくことを想定したパッドなしのタイプがほしい。
ハブジャケットの後継モデル。フロントパネルや袖の前の方の生地がはっ水素材になっている。雨や雪に見舞われたときに、レインジャケットがなくても雨がしみにくいので寒さを感じにくい。
【ブリーフインプレッション】
はっ水素材を使っているからか、ハブジャケットより防風性能も高い印象(特に前面)。一方、背中側や腕の裏側は通気性の高い素材を使っていて、汗冷えしにくいとも感じた。フィット感はレースフィットからレギュラーフィットに変更されたことで、ハブジャケットより少しゆとりが出た印象。
冬用ウインターグローブ。スマホ対応。
【ブリーフインプレッション】
後述するULTRAZより薄手でダイレクト感がある。指先の感覚もかなりしっかりあるので、DI2の変速スイッチ操作もミスなくできそう。手のひらのパッドも以前のものよりやや薄くなっていて個人的には好み。5度より暖かければ個人的に冬はこれでOK。着けたままスマホを操作できるのも便利。
ジッパーがなくなった新型ブーティー。以前のものより薄手で軽量。
【ブリーフインプレッション】
生地は旧モデルよりかなり薄くなった。その分軽くなっているので、普通のシューズカバーを付けているような感じ。タイツとの一体感が増し、ルックスはかなりいい感じだ。薄くなったのと引き替えに防寒性能は旧モデルに劣る印象。厳寒期や寒冷地ではちょっと厳しそうだ。また、ジッパーがなくなった分、少しシューズの脱ぎ履きが面倒になった。
ハブソックスの後継モデル。つま先から伸びる青い部分の面積がULTRAZソックスに比べて少ない。
【ブリーフインプレッション】
つま先周辺の青い部分が少し厚手の生地になっているが、従来のハブソックスよりも全体的に薄手。防寒性能もハブソックスよりやや落ちる印象だ。伸縮性が高い。同じ39-42サイズで比べると、ハブソックスよりカカトがあまり、カフが長くなったように感じる。
カフの後ろ側(黒枠に囲まれた部分)に反射素材を使っていて、夜間走行中の被視認性を高めてくれる。特にニッカーとの組み合わせ時に効果がありそう。
耳当て付きのビーニー。裏地がフリースで暖かい。
【ブリーフインプレッション】
脱いでもコンパクトになるので、ポケットでかさばらず、携行性が高い。フルフェイスタイプのウインターフェイスマスクより暖かいエリアでも使え、汎用性は高い。
サイズは小さめ。頭周に関しては適度に伸縮性があるので問題ないのだが、耳の位置や耳の大きさによっては、耳の下まで完全にカバーされないかもしれない。耳が大きな人や耳の位置が低い人、顔が大きめの人は購入前に試着した方がよい。
耳がカバーされることの宿命か、アイウェアのかかりがよくない。ゼゴーのようなテンプルの押さえつけが弱めのモデルだと、走行中の振動でずれそうなのが気になった。
抜群の保温性を誇るボンカジャケットの後継モデル。フィット感が若干タイトになり、ウェアのボリュームも少し減っていて、風の影響をより受けにくくなった。ハーフタイプのフェイスマスクがウェア内に収納されていて、必要なときに取り出して使える。
【ブリーフインプレッション】
保温性が抜群に高い。気温が10度ぐらいになると、日なたではオーバースペックな印象。このジャケットを着るなら、関東以西の太平洋岸など比較的温暖なエリアでは、年数回しか登板機会がないかも。LSDとか低強度のロングライドのようなケース、丘陵地帯や標高が高い場所を走る時などはよさそうだが、上りはフロントのジッパーを下ろして汗をかきすぎないようにコントロールする必要はありそう。
内蔵されているハーフタイプのフェイスマスクは、ネックウォーマー代わりにもなって結構便利。使わないときはジャージの背中のところに収められるので、ポケットがいっぱいにならない。
厳寒期用のウインターグローブ。保温性が抜群に高い。気温5度ぐらいでも手が冷たく感じない。
【ブリーフインプレッション】
保温性に関してはアソスのグローブラインアップでは最高ランク。真冬でも指先の冷たさを感じることはほとんどない。ただ、暖かさとのバーターであるのは承知だが、若干着け心地がモコモコしてダイレクト感に欠ける。DI2の変速スイッチは操作しにくい。ウルトラズのグローブはスマホ対応ではない。スマホを操作するためにいちいちグローブを外さなくてはいけないのでちょっと面倒。
ボンカソックスの後継モデル。カフの後ろ側(黒枠に囲まれた部分)に反射素材を使っていて、夜間走行中の被視認性を高めてくれる。つま先から伸びる青い部分の面積が大きいのがウインターソックスとの違い。
【ブリーフインプレッション】
最新のソックスの中では一番厚手だが、従来のボンカソックスよりかなり薄手になっている。その影響か、防寒性能は以前のボンカソックスの方が高いように思う。ウインターブーティーが薄手になったので、余計にそう感じるのかもしれない。自分が冬に使うなら、ソックスはULTRAZ一択。特に新しいウインターブーティーと組み合わせるならULTRAZでないと厳しい。
伸縮性が高いため、同じ39-42サイズのボンカソックスより1サイズ大きいように感じる。旧モデルではカカトもジャストだったが、新モデルはカカトが少しあまり、カフが少し長くなったように感じる(両者を履かない状態で比較するとそんなことはないのだが)。
フルフェイスタイプのマスク。いわゆる目出し帽タイプ。
【ブリーフインプレッション】
フルフェイスタイプで耳も完全防備するので最高に暖かい。温暖な地域ではほぼ必要ないと思われるが、寒冷地などでは重宝するだろう。フルフェイスタイプだが、鼻のところが立体的に作られているため、鼻が押さえつけられて痛くなることはない。
気になるのは、アイウェアの引っかかりが悪い点。特にゼゴーのようなテンプルの押さえつけが弱めのものだと走行中の振動でずれてきそう。また、コンビニに入るときなどはいちいち外さなくてはならないので少々面倒かもしれない。
次回はALSのクライマレンジにとらわれない着こなし応用テクニックを紹介する。
冬物は原則ウインターに一本化。厳寒期対応のウルトラズも用意
2019-2020秋冬モデルから、アソスレイヤリングシステム(ALS)では、いわゆる“冬物”が原則的にウインターという1シリーズに集約されることになった。これまではアーリーウインター(ティブル)とウインター(ボンカ)の2シリーズ用意されていたが、今回の変更でラインアップがよりシンプルになった。
冬物を一本化した背景には、ジャケットやタイツの高機能化によって、防寒性能と通気性を高い次元で両立できるようになり、より幅広い温度帯に対応できるようになったことがある。特に関東以西の太平洋岸など比較的温暖な地域では、真冬でも従来のボンカシリーズではオーバースペックに感じることも多かったため、ティブルシリーズをベースにしたモデルが冬物の基本になることは、日本のユーザーとしてはラインアップが単純化されてアイテムを選びやすくなったと言えるだろう。
とはいえ、厳寒期や寒冷地に対応するため、ウルトラズという従来のボンカに相当するシリーズも用意されている。ジャケットやソックスなど「寒さに応じてより防寒性能の高いアイテムを選ぶ」という形が基本になる。
ちなみに、ウインターモデルとウルトラズモデルでは、ALSのイメージカラーとして青色が採用される。シューズカバーやソックスの差し色に青色が配される。ソックスはウインターとウルトラズの両方が用意されるが、ウルトラズの方はそれと分かるロゴが配され、青色の部分の面積が大きくなっている。
CLIMA CODE 3/3:WINTER ラインアップ紹介
ミレGTウインタービブタイツ
新しい冬用のビブタイツ。先代のハブタイツよりパターンが少なくなり、表地には撥水性のある防風素材を採用。裏地はフリース。
【ブリーフインプレッション】
生地に伸縮性があり、足を優しく包み込むような抜群のフィット感。レギュラーフィットだから、生地が余りダボ付くこともなければ、ペダリング中に脚が突っ張る感じはない。お腹周りも従来のミレタイツよりゆるくはない。パッドは厚さが8mmのミレS7EVOパッド。厚みとコシがあり、快適性が高い。ロングライドにも向いている。
保温性は高い。冬の寒い日もこれ1枚でOK。個人的には下にショーツをはくことを想定したパッドなしのタイプがほしい。
カテゴリー | ニッカー・タイツ |
サイズ | XS S M L XL XLG TIR |
カラー | Black Series |
価格 | 29,800円(税抜) |
ミレGTジャケットウインター
ハブジャケットの後継モデル。フロントパネルや袖の前の方の生地がはっ水素材になっている。雨や雪に見舞われたときに、レインジャケットがなくても雨がしみにくいので寒さを感じにくい。
【ブリーフインプレッション】
はっ水素材を使っているからか、ハブジャケットより防風性能も高い印象(特に前面)。一方、背中側や腕の裏側は通気性の高い素材を使っていて、汗冷えしにくいとも感じた。フィット感はレースフィットからレギュラーフィットに変更されたことで、ハブジャケットより少しゆとりが出た印象。
カテゴリー | メンズジャケット |
サイズ | XS S M L XL XLG TIR |
カラー | Caleum Blue / Black Series / Blue Badge / National Red |
価格 | 36,800円(税抜) |
ウインターグローブ
冬用ウインターグローブ。スマホ対応。
【ブリーフインプレッション】
後述するULTRAZより薄手でダイレクト感がある。指先の感覚もかなりしっかりあるので、DI2の変速スイッチ操作もミスなくできそう。手のひらのパッドも以前のものよりやや薄くなっていて個人的には好み。5度より暖かければ個人的に冬はこれでOK。着けたままスマホを操作できるのも便利。
カテゴリー | グローブ |
サイズ | XS S M L XL |
カラー | Black Series |
価格 | 12,800円(税抜) |
ウインターブーティー
ジッパーがなくなった新型ブーティー。以前のものより薄手で軽量。
【ブリーフインプレッション】
生地は旧モデルよりかなり薄くなった。その分軽くなっているので、普通のシューズカバーを付けているような感じ。タイツとの一体感が増し、ルックスはかなりいい感じだ。薄くなったのと引き替えに防寒性能は旧モデルに劣る印象。厳寒期や寒冷地ではちょっと厳しそうだ。また、ジッパーがなくなった分、少しシューズの脱ぎ履きが面倒になった。
カテゴリー | シューズカバー |
サイズ | 0 I II III |
カラー | Black Series |
価格 | 12,800円(税抜) |
ウインターソックス
ハブソックスの後継モデル。つま先から伸びる青い部分の面積がULTRAZソックスに比べて少ない。
【ブリーフインプレッション】
つま先周辺の青い部分が少し厚手の生地になっているが、従来のハブソックスよりも全体的に薄手。防寒性能もハブソックスよりやや落ちる印象だ。伸縮性が高い。同じ39-42サイズで比べると、ハブソックスよりカカトがあまり、カフが長くなったように感じる。
カフの後ろ側(黒枠に囲まれた部分)に反射素材を使っていて、夜間走行中の被視認性を高めてくれる。特にニッカーとの組み合わせ時に効果がありそう。
カテゴリー | シューズカバー |
サイズ | 0 I II III |
カラー | Black Series |
価格 | 3,260円(税抜) |
ウインターロボキャップ
耳当て付きのビーニー。裏地がフリースで暖かい。
【ブリーフインプレッション】
脱いでもコンパクトになるので、ポケットでかさばらず、携行性が高い。フルフェイスタイプのウインターフェイスマスクより暖かいエリアでも使え、汎用性は高い。
サイズは小さめ。頭周に関しては適度に伸縮性があるので問題ないのだが、耳の位置や耳の大きさによっては、耳の下まで完全にカバーされないかもしれない。耳が大きな人や耳の位置が低い人、顔が大きめの人は購入前に試着した方がよい。
耳がカバーされることの宿命か、アイウェアのかかりがよくない。ゼゴーのようなテンプルの押さえつけが弱めのモデルだと、走行中の振動でずれそうなのが気になった。
カテゴリー | キャップ |
サイズ | 0 I II |
カラー | Black Series |
価格 | 7,800円(税抜) |
CLIMA CODE 3/3:WINTER(ULTRAZシリーズ) ラインアップ紹介
ミレGTジャケットULTRAZウインター
抜群の保温性を誇るボンカジャケットの後継モデル。フィット感が若干タイトになり、ウェアのボリュームも少し減っていて、風の影響をより受けにくくなった。ハーフタイプのフェイスマスクがウェア内に収納されていて、必要なときに取り出して使える。
【ブリーフインプレッション】
保温性が抜群に高い。気温が10度ぐらいになると、日なたではオーバースペックな印象。このジャケットを着るなら、関東以西の太平洋岸など比較的温暖なエリアでは、年数回しか登板機会がないかも。LSDとか低強度のロングライドのようなケース、丘陵地帯や標高が高い場所を走る時などはよさそうだが、上りはフロントのジッパーを下ろして汗をかきすぎないようにコントロールする必要はありそう。
内蔵されているハーフタイプのフェイスマスクは、ネックウォーマー代わりにもなって結構便利。使わないときはジャージの背中のところに収められるので、ポケットがいっぱいにならない。
カテゴリー | メンズジャケット |
サイズ | XS S M L XL XLG TIR |
カラー | Lolly Red / Black Series / Blue Badge / National Red |
価格 | 44,900円(税抜) |
ULTRAZウインターグローブ
厳寒期用のウインターグローブ。保温性が抜群に高い。気温5度ぐらいでも手が冷たく感じない。
【ブリーフインプレッション】
保温性に関してはアソスのグローブラインアップでは最高ランク。真冬でも指先の冷たさを感じることはほとんどない。ただ、暖かさとのバーターであるのは承知だが、若干着け心地がモコモコしてダイレクト感に欠ける。DI2の変速スイッチは操作しにくい。ウルトラズのグローブはスマホ対応ではない。スマホを操作するためにいちいちグローブを外さなくてはいけないのでちょっと面倒。
カテゴリー | グローブ |
サイズ | XS S M L XL |
カラー | Black Series |
価格 | 16,800円(税抜) |
ULTRAZウインターソックス
ボンカソックスの後継モデル。カフの後ろ側(黒枠に囲まれた部分)に反射素材を使っていて、夜間走行中の被視認性を高めてくれる。つま先から伸びる青い部分の面積が大きいのがウインターソックスとの違い。
【ブリーフインプレッション】
最新のソックスの中では一番厚手だが、従来のボンカソックスよりかなり薄手になっている。その影響か、防寒性能は以前のボンカソックスの方が高いように思う。ウインターブーティーが薄手になったので、余計にそう感じるのかもしれない。自分が冬に使うなら、ソックスはULTRAZ一択。特に新しいウインターブーティーと組み合わせるならULTRAZでないと厳しい。
伸縮性が高いため、同じ39-42サイズのボンカソックスより1サイズ大きいように感じる。旧モデルではカカトもジャストだったが、新モデルはカカトが少しあまり、カフが少し長くなったように感じる(両者を履かない状態で比較するとそんなことはないのだが)。
カテゴリー | ソックス |
サイズ | 0 I II |
カラー | Black Series |
価格 | 3,680円(税抜) |
ウインターフェイスマスク
フルフェイスタイプのマスク。いわゆる目出し帽タイプ。
【ブリーフインプレッション】
フルフェイスタイプで耳も完全防備するので最高に暖かい。温暖な地域ではほぼ必要ないと思われるが、寒冷地などでは重宝するだろう。フルフェイスタイプだが、鼻のところが立体的に作られているため、鼻が押さえつけられて痛くなることはない。
気になるのは、アイウェアの引っかかりが悪い点。特にゼゴーのようなテンプルの押さえつけが弱めのものだと走行中の振動でずれてきそう。また、コンビニに入るときなどはいちいち外さなくてはならないので少々面倒かもしれない。
カテゴリー | ウォーマー |
サイズ | 0 I II |
カラー | Black Series |
価格 | 13,800円(税抜) |
次回はALSのクライマレンジにとらわれない着こなし応用テクニックを紹介する。
提供:ダイアテック テキスト:浅野真則