日本最大のサイクルショー、サイクルモード2012が今年も幕張メッセにて開催された。出展数や来場客数、目立ったアイテム、会場内で次々に開催されたブースイベント、トークショーをピックアップしながら3日間を振り返ってみよう。

今年も3日間にわたって開催されたサイクルモードインターナショナル今年も3日間にわたって開催されたサイクルモードインターナショナル

来場者数の前年比は95.7% 1,830人の減少

11月2~4日にかけて開催されたサイクルモードインターナショナル。その来場動員数は、今後の自転車ビジネスを予想する上でのバロメーターとも言われている数字だ。急激な加熱と盛り上がりの伸びが落ち着きを見せつつある昨今のサイクリングブームを反映するように、3日間の動員数は3万4千88人と昨年比で95.7%。1,830人の減少となった。

華やかなファッションショーも開催!華やかなファッションショーも開催! 3日間それぞれの昨年比を見ると、2日(金)が104%、3日(土)が106%と伸びているものの、4日(日)は77%と数字を落とした。

今年のサイクルモードは大手マスプロメーカーの出展が少なく、新規ブランドや小口出展のブースが多く目立つものだった。それを裏付けるように、出品自転車数(試乗車含む)は1,975台(昨年は2,194台)と少なかった一方、出展ブランドは600(昨年は519)と昨年を大きく上回るもの。海外からの出展が昨年よりも増えたことも引き続き国内市場の重要性が高いことが反映されている。


豪華ゲストが登場!次々に開催されるイベントやトークショー

海外のレースシーズンは既に終了、国内レースもツール・ド・おきなわを残すのみとあり、サイクルモードの会場には多くのトップ選手たちが集結し、ステージイベントや各ブースのPRに一役買っていた。中でも別府史之、新城幸也、土井雪広の今年の3大ツールを走ったメンバーは特に注目を集め、"サムライビッグスリー"としてトークショーが開催された。

2012年シーズンの3大グランツールを走ったメンバーによる「サムライビッグ3 プレミアムトークライブ」2012年シーズンの3大グランツールを走ったメンバーによる「サムライビッグ3 プレミアムトークライブ」

3人によるトークショーにはMCとして絹代さんと今中大介さん、栗村修監督も出演し、30分という短い時間ながら3人はそれぞれのグランツールを振り返った。「集団牽引をする姿がたくさん中継されていましたね」と振られた土井選手は、「もちろん頑張っていましたが、カメラが映す瞬間を狙って集団の前に出てアピールしていました(笑)」と笑いをとる部分も。

最後はそれぞれが来シーズンの抱負を語り、新城選手は「エルネスト(コルナゴ)さんに『来年はジロも走れ!オレが声を掛ければチームも招待されるから大丈夫!』と言われました(笑)ジロとツール、更にブエルタも全部出てみたいですね。」と力強いコメントを多く集まったギャラリーに語ってくれた。

ジロ・デ・イタリア出場の別府史之(オリカ・グリーンエッジ)ジロ・デ・イタリア出場の別府史之(オリカ・グリーンエッジ) ツール・ド・フランス出場の新城幸也(ユーロップカー)ツール・ド・フランス出場の新城幸也(ユーロップカー) ブエルタ・ア・エスパーニャ出場の土井雪広(アルゴス・シマノ)ブエルタ・ア・エスパーニャ出場の土井雪広(アルゴス・シマノ)


いいよねっとのガーミンブースではファルネーゼヴィーニと契約した佐野淳哉や、西・大西メカニック、MCのサッシャさんによるガーミンのエッジシリーズを用いたトークショーを開催。実際に佐野選手がローラー台を使って解説を行うなど豪華なセッションが。

他にも来季ヨーロッパで走る増田成幸を初めとした宇都宮ブリッツェン、チームUKYO、片山梨絵など多くの国内トッププロ選手が集いブースの盛り上げに買っていた。

ジャンルを問わず、国内トッププロが集結したシマノブースジャンルを問わず、国内トッププロが集結したシマノブース 佐野選手、西・大西メカニックによるトークショー佐野選手、西・大西メカニックによるトークショー


スペシャルペイントのドグマと、ファウスト・ピナレロ氏スペシャルペイントのドグマと、ファウスト・ピナレロ氏 クリスティアーノ・デローザ氏クリスティアーノ・デローザ氏


きらびやかにショーアップされた各ブースには、本国のマネージャーや社長の姿も。エルネスト・コルナゴ氏にクリスティアーノ・デローザ氏、ファウスト・ピナレロ氏、リドレー社長のヨキム・アールツ氏...。多忙なスケジュールを縫いながら来日し、ブランドのPRに務めつつ、サイクルモードに彩りを添えてくれた。


600の出展ブランド。出品バイクはおよそ2,000台

600ものブランドが集結したメーカーブースエリアは、今年も憧れの超高級レーシングバイクから街乗りサイクル、おもしろバイクまで非常に個性豊かなバイクたちが集結。今年は例年に比べてよりこだわりのアイテムがより多く感じられた。

美しい仕上げと性能に定評のあるパナソニック美しい仕上げと性能に定評のあるパナソニック バイクトライアルから自転車業界に参入したウェルドワン。焼き色にこだわりを見せるバイクトライアルから自転車業界に参入したウェルドワン。焼き色にこだわりを見せる


仕上げの美しさを追求するチタンの専門ブランド・株式会社ティグ。仕上げの美しさを追求するチタンの専門ブランド・株式会社ティグ。 チタン地を活かしつつ、美しい塗装を施すエヴァディオチタン地を活かしつつ、美しい塗装を施すエヴァディオ


各メーカーの最新コンポーネントをテストできる絶好の機会各メーカーの最新コンポーネントをテストできる絶好の機会 中でも持ち味の美しさから人気の高いチタンバイク。性能と技術に定評のあるパナソニック、焼き色の美しさを前面に押し出したウェルドワン、チタン専門ブランドとして品質を追求する株式会社ティグなどの専門ブランド、チタンの地色を活かしつつ塗装を施し新境地を拓くエヴァディオなど、チタンバイクの出品が多いことが印象的だった。

そして各社コンポーネントブランドのロード用新作が出揃ったのも今年の特徴だ。9000系デュラエースのシマノ、EPSのカンパニョーロブースではいち早く実物を見て体感しようと多くの来場者が集っていた。スラムは出展ブースが無かったものの、バイクブランドの試乗車に新型REDが装備されているものもあり、3ブランドの乗り比べも可能だった。


3日間の最後を締めくくるタイムトライアル 畑中勇介が優勝

そしてサイクルモード3日間の締めくくりとなるのは、恒例となった国内プロ選手によるサイクルモード個人タイムトライアル。全日本&実業団TTチャンピオンである西薗良太ら豪華メンバーが集う中、試乗コースを使ったスリッピーな超短距離TTで優勝を決めたのは、気迫ある走りを見せた畑中勇介。また廣瀬佳正のラストランとなったこの場には、熱心なブリッツェンファンが多く駆けつけ引退の花道を飾った。

3日間の最後を締めくくるサイクルモード個人タイムトライアル。写真は優勝した畑中勇介(シマノレーシング)3日間の最後を締めくくるサイクルモード個人タイムトライアル。写真は優勝した畑中勇介(シマノレーシング) photo:Hideaki.Takagiサイクルモード個人TT ラストランの廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)サイクルモード個人TT ラストランの廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki.TAKAGI



サイクルモードインターナショナルに出店されたいた各ブースの様子や注目のプロダクツは、追って詳しく紹介していきます。


text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano,Hideaki.Takagi,So.Isobe

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