6月25日、東アジア最高地点「武嶺」を目指す「MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム」が台湾にて開催される。3,000m超のピークを目指すチャレンジングな大会は国内では味わえないビッグスケールなコース。サポートも充実しており、海外イベントデビューにもぴったりだ。



標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける標高3275mの山頂「武嶺」付近は見事な景観が開ける (c)Makoto.AYANO
2010年に初開催され、今年で6度目の大会となる「MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム」。最高カテゴリーの「インターナショナル」では海抜0mの沿岸部、花蓮(ファーリェン)からスタートし、コース全長約89kmで標高3,275mの武嶺(ウーリン)まで登っていく、日本では実現不可能なエクストリームなコース設定。距離、標高差ともに世界でも有数の難易度を誇るヒルクライム大会だ。

獲得標高3,620m 一般道東アジア最高地点へと続く89km

標高3,275mの山頂「武嶺」は、一般道の東アジア最高地点として有名なスポット。しかも、頂上の約10km手前で一度350mほど下ってから上り返すため、最終的な獲得標高は約3,620mに達するというハードな大会である。獲得標高差で言えば、乗鞍ヒルクライムの標高差1,260m(距離20.5km)の約3倍にあたる。3倍の高度を稼ぐコースの体感的な厳しさはいったい何倍になるのだろうかと、心配になる人も多いかもしれない。

しかしそんな心配はご無用。過去の参加者たちは、「距離が長くてもコースの勾配は緩いので、頂上付近まではかなりのハイペースで登れてしまう」と口を揃える。実際、とく序盤から中盤にかけてはスピードが出るため集団ができやすく参加者たちは風の抵抗を分担しながら、小・中グループがいくつも形成されて走っているようだ。

タロコ渓谷のダイナミックな眺めを観ながら高度を上げていくタロコ渓谷のダイナミックな眺めを観ながら高度を上げていく (c)Makoto.AYANO
頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め頂上付近はまるでヨーロッパアルプスのような眺め (c)Makoto.AYANOラスト10kmまでは勾配が緩いため集団がいくつも形成されてハイスピードで進むラスト10kmまでは勾配が緩いため集団がいくつも形成されてハイスピードで進む (c)Makoto.AYANO


なので、数字だけ見ると厳しい印象を受ける大会だが、「走ってみれば意外に楽だと感じる」という。しかし最後まで楽をさせてもらえるわけではなく、しっかりと苦しむ区間が用意されているのが東アジア最高のヒルクライムたる所以。厳しい区間は最後の最後に待ちかまえている。74km地点のチャレンジクラスのゴール・關原へと向けた3kmほどのダウンヒルをこなした後から、ハイライトである激坂区間が始まるのだ。

とくにラスト10km区間は勾配が急激にきつくなり、15%以上の激坂区間が連続的に現れる。そして残り5kmを切ると森林限界を突破。視界は一気に開け、笹の原っぱが広がる高原の風景に変わる。息を飲むような絶景と限界を試してくる急こう配が演出する感動と達成感は何ものにも代えがたいだろう。

国道をしばらく走ってから太魯閣渓谷へと向かう国道をしばらく走ってから太魯閣渓谷へと向かう 台湾のホビーサイクリストたちと走る。女性の姿も目立つ台湾のホビーサイクリストたちと走る。女性の姿も目立つ (c)Makoto.AYANO


深くえぐられた渓谷を抜けて走る選手たち深くえぐられた渓谷を抜けて走る選手たち
脚力に応じた3つのカテゴリー 女性や観光サイクリングも楽しめる

ハイレベルかつエクストリームなインターナショナルクラスだけが「タロコ」のすべてではない。インターナショナル含め、3つの参加カテゴリーから脚力と目的に合ったクラスが選べるように設定されている。最後の勾配が厳しい区間をカットした、全長74kmの「チャレンジカテゴリー」と、自転車に乗りながらの観光が主目的の「太魯閣サイクリング」も用意される。

なので、友達同士ツーリング感覚で参加するもよし、観光を兼ねて家族で楽しみながら走るもよし。それぞれの実力と目的に合わせて、自転車で旅する台湾を満喫できるようになっているのだ。

74kmの「チャレンジカテゴリー」は、コース半ばの標高2,374m地点でゴール。初級者でも乗り慣れている人なら挑戦できるカテゴリーだ。制限時間も7時間とかなり余裕のある設定とされているため、完走しやすく、女性にもおすすめだ。

45kmの「太魯閣サイクリング」はクラス区分や制限が一切ないファンライド。大会の絶景区間を行く「おいしいところどり」で、標高480mの天祥まで観光を兼ねて皆で一緒にのんびり走るまったりライドが楽しめる。このクラスはレンタサイクルも用意されているので、手ぶらで参加することも可能。

前日は皆でサイクリング。宝石の採れる海岸につくられた自転車道は楽しい前日は皆でサイクリング。宝石の採れる海岸につくられた自転車道は楽しい 両側が断崖絶壁の渓谷美にみとれる両側が断崖絶壁の渓谷美にみとれる


前日は花蓮近郊のサイクリングロードを皆で慣らし走行して楽しみましょう前日は花蓮近郊のサイクリングロードを皆で慣らし走行して楽しみましょう 宝石の採れる海岸につくられたサイクリングロード宝石の採れる海岸につくられたサイクリングロード 過去に何度も参加しているハシケンさんがサポートしてくれる過去に何度も参加しているハシケンさんがサポートしてくれる photo:Kenji.Hashimoto初めての海外イベントにピッタリといわれる太魯閣ヒルクライムだが、それは日本から近い台湾で開催されるということ以外にも理由がある。大会を主管する中にチェンライ国際MTBチャレンジなども主催する日本のイベント会社「R1ジャパン」が入っているのだ。日本人サイクリストのアテンドに関するノウハウが豊富で日本人スタッフによるサポートもあるため、安心して参加することができる。

自転車の種類は、ロードバイク、マウンテンバイク、クロスバイクなどタイヤを含めて無制限。ただしヘルメット、グローブを着用することに加え、トンネル用のライトを取り付けることが義務付けられている。トンネル内は真っ暗なため、ある程度の光量があるライトが望ましい。

日本からの参加者も多い人気イベントだが、やはり海外の自転車レースとなると少しハードルが高く感じる人も多いだろう。そんな人向けに用意されるのが、海外サイクリングツアーに強い東武トップツアーズが企画する大会参加ツアーだ。

ツアーのガイドとして、強豪ヒルクライマーとしても知られるフリースポーツジャーナリストの「ハシケン」こと橋本謙司さんが全日程にわたって参加者のみなさんをサポートしてくれる。また、モデルでありながら「坂バカ」としても知られる日向涼子さんも、太魯閣ヒルクライムに挑戦。大会当日にはハシケンさんと日向さん、二人のゲストと共に山頂を目指すことに。

他にも、大会前日には「大会完走のための走り方講座」を開催。日本では経験できない、スーパーロングヒルクライムでの注意点をレクチャーしてくれる。また、講座の後にはタロコ渓谷を観光しながらの試走や、スタート地点である花蓮周辺のサイクリングも企画されている。

遥か下方に豊かな緑の間を縫って登ってきた道を見下ろす遥か下方に豊かな緑の間を縫って登ってきた道を見下ろす
おなじみ日向涼子さんも挑戦。現在参戦のためのトレーニング企画も進行中だとかおなじみ日向涼子さんも挑戦。現在参戦のためのトレーニング企画も進行中だとか また、ツアー初日と大会終了後には夕食会も開催される。台湾のグルメに舌鼓を打ちながら、一日を振り返って、完走の喜びを分かち合うことができる場が設けられる。ハシケンさんと日向さんを囲みながら、自転車談義に花を咲かせてみては?

海外のサイクリングイベントに参加するときに、もっともネックとなるだろう自転車の運搬についても、台北空港からホテルまで、専用のトラックが用意される。輪行のわずらわしさから解放されて、のびのびと自転車に乗ることに集中できる環境が用意される。

ツアーは6月23日(金)の朝に日本を出発し、昼に台北着。そして前日イベントと当日のレースを終えた後一泊し、26日(月)に日本へと帰ってくるというスケジュール。旅行代金は99,800円。大会エントリー費や燃油サーチャージは含まない。申込はこちらの東武トップツアーズ内ページから。


<カテゴリーごとの概要>
●インターナショナル
参加費用:6,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース:花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原→武嶺,
約88.83Km/3275.4m 制限時間8時間まで

中級者以上で、フルコースを走ります。 標高ゼロから3,275.4メートルまで、目まぐるしく変わる天気、気温、湿度、気圧、酸素量など究極のアドベンチャー要素も加わったサイクリングとなります。

●チャレンジ
参加費用:5,000円(完走メダル、タイム記録証、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース:花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→西寶→洛韶→新白楊→碧綠神木→関原,
約74.09Km/2,374m 制限時間7時間まで

初級者でも普段少し走っていれば楽しく挑戦できるカテゴリーです ゴール地点の関原は2,374mですが、獲得標高はもう少し高いです。

●太魯閣サイクリング
参加費用:2,000円(参加証明、記念Tシャツ、記念ボトル等含)
コース:花蓮縣新城郷秀林國中海岸付近→太魯閣→天祥→太魯閣→花蓮縣新城郷秀林國中
約44.78Km/480m 制限時間6時間まで

大会の美味しいとこどり。天祥まで観光を兼ねて走り帰路は下り。ありえない絶景の中をサイクリングします。初めてのサイクリングでも大丈夫です。

バスとトラックによるバイクと人の送迎・運搬サービス(花蓮~スタート会場、フィニッシュ~花蓮の往復)は有償オプション(1500元)です。(自走できる体力に自信がある方以外には例外なくおすすめしています)

■インターナショナルクラスの参考タイムとデータ
2010年大会の優勝タイム 4時間3分19秒
2011年大会の優勝タイム 4時間4分44
2011年、オフシーズンの体調で走った宮澤崇史選手のタイム 4時間52分58秒 26位
MTBで走った山本和弘選手のタイム 5時間12分00 41位
75歳の田口重喜さん(スワコレーシング) のタイム 6時間15分18秒 98位
最終走者 MTBで走った廣瀨由紀さん 7時間25分17秒 タイムアウトまで30分を残し完走

※2014年大会は頂上付近の悪天候のためインターナショナルクラスもチャレンジクラスのゴール地点に変更してゴールした。



第6回MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2017 大会概要
主 催:太魯閣ヒルクライム実行委員会
共同主催:交通部觀光局、南投縣政府
後援/協力:太魯閣國家公園管理處、台灣觀光協会、国際経済政策調查会、台北市自由車協会
主 管:台湾自由車運動協会、R1ジャパン
特別協賛:マキシスタイヤ

大会種類:自転車によるヒルクライムコースでのサイクリング大会
開催日程:2017年6月25日(日)
大会申込:2017年4月13日〜5月19日
参加申し込み先:スポーツエントリー( http://www.sportsentry.ne.jp/event/t/70291

大会は海岸線からスタートとし、3つの参加カテゴリーから実力と目的に合ったクラスが選べるように設定します。したがって友達と海外旅行感覚での参加や、観光を兼ねて親子で楽しみながら走ったり、それぞれの目的に合わせて自転車で台湾を満喫できます。 自転車の種類は、ロードバイクなど無制限です。
トンネル用のライトは必着、ヘルメット、グローブは必着とします。

グループ 男子
A Under 29 years old(born after 1988)
B 30~34(1983~1982)
C 35~39(1981~1977)
D 40~44(1976~1972)
E 45~49(1971~1967)
F 51~59(1966~1957)
K(King) Over 60 (born before 1957)

グループ 女子
G Under 29 years old(born after 1988)
H 30~39(1986~1977)
I 40~49(1976~1967)
J 50~59(1966~1957)
Q(Queen) Over 60 (born before 1957)

申込方法
申込期間は2017年4月13日~2017年5月19日
スポーツエントリーへお申し込みください。
http://www.sportsentry.ne.jp/event/t/70291
※台湾への直接申し込み等はホームページを参照してください。



MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2017参加ツアー
日時:6月23日(金)~26日(月)
出発地:東京
参加費:99,800円 エコノミークラス/大人おひとり様/2~3名1室利用 
    ※大会エントリー費や燃油サーチャージは含まない。
    大会へのエントリーはスポーツエントリーから
利用航空会社:チャイナ エアライン
利用ホテル:花蓮亜土都飯店  Astar Hotel Hualien
  http://www.astar-hotel.com.tw/index.html
食事回数:朝3回・昼2回・夕1回(大会当日の朝食はボックスブレックファストをお渡しします。)
※機内食は食事の回数に含まれておりません。
最少催行人員:各発地合わせて10名
申込〆切:2017年5月22日(月)
ツアーHP: http://plus.toptour.jp/bicycle/taroko/


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