5月14日から15日にかけて行われたグランフォンド軽井沢。2日間にわたって開催されたイベントの中でも、初日に行われ、軽井沢高原の美しい景観と美味しい食事やスイーツをたっぷり味わうことができる人気種目「グルメフォンド軽井沢」の様子を紹介していきましょう。



レンタルタンデムバイクを選ぶ参加者たちレンタルタンデムバイクを選ぶ参加者たち メイン会場となる軽井沢プリンススキー場メイン会場となる軽井沢プリンススキー場

大会名が焼き印されたバイクスタンド大会名が焼き印されたバイクスタンド 参加者の注目を集めるハイぶりっ子ちゃん参加者の注目を集めるハイぶりっ子ちゃん


日本有数の避暑地である軽井沢を舞台として行われる人気ロングライドイベント「グランフォンド軽井沢」。2日間にわたって開催されるイベント初日のなかでもファミリーや初心者から圧倒的な支持を受ける種目が「グルメフォンド軽井沢」だ。

その名の通り、走り応えよりも食べ応えに重きを置いたコース&エイドステーションの組み合わせが魅力の種目なのだ。コース自体も、推奨コースが用意されるものの、2つあるエイドステーションに立ち寄れば、制限時間内であれば軽井沢の町のどこを走るも自由という周遊型のリゾートライドである。

朝8時、会場となる軽井沢プリンススキー場には続々と人が集まってくる。北陸新幹線軽井沢駅の南側から歩いて5分程度の好立地で、隣には巨大なアウトレットモールもある、駅前の一等地が会場となっている。車であれば、長野自動車道の碓氷軽井沢ICから20分ほどであり、車派、輪行派問わずアクセス良好なこともこの大会の良さだ。

一斉にスタートしていくグルメフォンド軽井沢一斉にスタートしていくグルメフォンド軽井沢
目いっぱいグルメを楽しむぞ!目いっぱいグルメを楽しむぞ! おしゃれなカフェの前を走っていくおしゃれなカフェの前を走っていく


翌日のグランフォンドが国内有数のハードなコースであることも相まって、手軽に軽井沢の空気とグルメを楽しめるグルメフォンドはファミリー層やカップルを中心に着々と人気を集めてきた。土曜日は家族で軽井沢を満喫し、日曜日はお父さんはグランフォンドへ、お母さんと子供はアウトレットでショッピングという楽しみ方もできる。

さて、当日受付でコースマップを受け取ると、裏面にはエイドで振る舞われるメニューが記載されている。まるで高級レストランのフルコースのような長さのメニューリストを見ていると、「30km弱のサイクリングでこの物量はオーバーカロリーなのでは?」という疑念が湧いてくる。

サイクリングイベントには不似合いの懸念を抱きながらスタートラインに集まっていると、ステージ上では佐久市とJR小海線の非公認ゆるキャラ、「ハイぶりっ子ちゃん」のダンスが始まった。小海線の車両をモチーフにした頭部に、青い全身タイツに包まれた蟲惑的な肢体というミスマッチ感あふれる姿が妙なセクシーさを醸し出すことで一躍有名になったというハイぶりっ子ちゃんに、会場の視線は釘付けだ。

旧三笠ホテルの前で記念撮影旧三笠ホテルの前で記念撮影 推奨コースを示す看板表示 少し小さかったかな?推奨コースを示す看板表示 少し小さかったかな?

中軽井沢の駅前通りへ中軽井沢の駅前通りへ レトロなポストが軽井沢らしいレトロなポストが軽井沢らしい


サプライズゲストにより、かなり混沌とした雰囲気の中、嬬恋まで走るハーフコースおよびハーフ&ハーフコースの参加者たちがスタートしていく。その後に、お待ちかねのグルメフォンドのスタートだ。

ロードバイクやクロスバイクに混じって、シティサイクルでの参加者もちらほら見受けられる。大会で用意されたレンタサイクルの利用者や子供乗せ電動自転車にまたがる人も。地元の方々や、軽井沢に別荘を持つ方にとって、いつもと違う軽井沢を楽しむ事が出来る絶好の機会なのだろう。

雲場池のよこを掠めるように走っていく雲場池のよこを掠めるように走っていく
また、国内では珍しいタンデムバイクに跨る方々も。条例によって全国的にも珍しくタンデムバイクへの定員乗車が認められている長野県ならではの種目、「タンデムフォンド」も同時に開催されているのだ。タンデムバイクのレンタルも行われているため、気軽にタンデムライドの体験ができるのだ。

軽井沢本通りを旧三笠ホテルで折り返し、数々の別荘が立ち並ぶエリアを走り抜ける。出来るだけ平坦な道がチョイスされているものの、ところどころにはやはり軽井沢らしい登り坂が現れる。スポーツサイクルの参加者にはどうということはないものの、レンタサイクルで参加する方にとってはかなりチャレンジングな箇所となる。

青空のもとピクニック気分を味わえる第1エイド青空のもとピクニック気分を味わえる第1エイド
ボリュームたっぷりのモーニングセットボリュームたっぷりのモーニングセット ファミリーで朝ごはんをいただきますファミリーで朝ごはんをいただきます


第1エイド「千代田区軽井沢少年自然の家」では、まるでホテルの朝食のようなサンドイッチボックスとコーンポタージュ、まるでコロッケのような見た目の「まちのくまさん」謹製チーズケーキが振る舞われた。サンドイッチボックスの中には、全粒粉のベジタブルたまごサンドのほかに、キッシュや2種類のサラダ、 イタリア風肉団子・ポルペッティにポテトグラタンがぎっしり。

青々とした芝生に腰を下ろして、朝食を頂く時間は至福のひと時。どんどんと参加者が到着するが、出発していく人々は少ない。ピクニック気分でくつろいでいる方々が大半で、エイド全体に和やかな雰囲気が充ちており、時間の流れが少し遅く感じてしまうほど。

一路第2エイドへと下っていく一路第2エイドへと下っていく カップルの参加も目立ったカップルの参加も目立った

電動アシスト付き子供乗せ自転車で一緒に走る親子も電動アシスト付き子供乗せ自転車で一緒に走る親子も 通過チェックシールとソフトクリーム引き換えチケット通過チェックシールとソフトクリーム引き換えチケット

ランチはホクトのきのこをふんだんに使ったカレーとサラダランチはホクトのきのこをふんだんに使ったカレーとサラダ 早めのランチに舌鼓を打つ早めのランチに舌鼓を打つ


名残惜しく感じつつも、次のエイドに向けて出発。しなの鉄道と北陸新幹線をくぐり、南下していく。途中、長野五輪のカーリング会場となったアイスアリーナのある軽井沢風越公園の横を通り抜ける爽快なダウンヒルを楽しみながら、第2エイドとなる「軽井沢タリアセン」へ。

軽井沢タリアセンは塩沢湖の湖畔に造成されたレジャー施設。ここでは、「ホクト」のきのこを使ったカレーとサラダが待っていた。私たちにとっては早めのランチとなったが、最終スタートである11時スタートの方々にとってはちょうど良いタイミングになるだろう。

塩沢湖畔のテラスでくつろぐ塩沢湖畔のテラスでくつろぐ 自転車をおりてボートを漕ぐ自転車をおりてボートを漕ぐ


塩沢湖を眺めるカップル塩沢湖を眺めるカップル
ベリーソースがかけられたバニラソフトベリーソースがかけられたバニラソフト 湖をバックにソフトをいただきまーす湖をバックにソフトをいただきまーす


食後には、軽井沢タリアセン特製のバニラソフトクリームに軽井沢の人気洋菓子店「ケーキブティックピータース」のベリーソースとメレンゲの焼き菓子が合わせられたスペシャルスイーツが用意され、塩沢湖を眺めながら優雅なひと時を過ごすことが出来た。

そして軽井沢バイパス横の自転車道を通り、再び別荘地の中を北上。途中に、多くの参加者が寄り道する「軽井沢チョコレートファクトリー」を左手に見ながらゴール会場へ。例年立ち寄るこのお店だが、今年はあえて通り過ぎる。なぜなら、メニューリストにはゴール地点でも沢山のスイーツが待っていることが示されていたから。戦略的撤退である。

軽井沢バイパスは自転車道が整備されていて走りやすい軽井沢バイパスは自転車道が整備されていて走りやすい 軽井沢チョコレートファクトリーへ立ち寄る参加者も軽井沢チョコレートファクトリーへ立ち寄る参加者も

ゴール地点では、山もりスイーツがお出迎えゴール地点では、山もりスイーツがお出迎え これでもか!といわんばかりのボリュームとクオリティのゴールエイド。軽井沢の本気である。これでもか!といわんばかりのボリュームとクオリティのゴールエイド。軽井沢の本気である。


大会参加者は特別価格で軽井沢プリンススキー場のアクティビティ「ZIPLINE」を楽しめる大会参加者は特別価格で軽井沢プリンススキー場のアクティビティ「ZIPLINE」を楽しめる 200名が集まった前夜祭バーベキュー200名が集まった前夜祭バーベキュー 果たして30km弱のライドを終えた私たちを待ち受けていたのは、これでもか!といわんばかりのスイーツたち。軽井沢と縁の深い名店「ブランジェ浅野屋」の定番商品フルーツライに4種のチーズが添えられたプレート。そして、軽井沢の代名詞ともいえる憧れのホテル「万平ホテル」のカフェテラスで提供されるアップルパイに、地元でも高い人気を集めるベーカリー「COCORADE(ココラデ)」のシュークリームと、そのどれもが一級品のスイーツ達。糖分の過剰摂取によってもたらされる独特の多幸感に包まれながら、グルメフォンドは幕を閉じた。

その後、続々と帰ってくるハーフコースの参加者や、受付を済ませたグランフォンドの参加者などを交えて、大会会場裏手のスキーゲレンデでは前夜祭バーベキューが行われた。

昨年に引き続き行われた前夜祭は規模を拡大し先着200名の参加者を募ることに。なんと無料でバーベキューが頂けるとあって、前夜祭は大盛況となった。特に、次の日のグランフォンドを走る参加者にとっては、エネルギーを溜めこむことができたのではないだろうか。



本格的山岳ツーリングのイメージが強いグランフォンド軽井沢の中でも、グルメフォンド軽井沢は家族で楽しめる貴重な種目。これほど子供たちが多く走っているロングライドはないのではないか?と思うほどだ。ただ、ところどころに設置された誘導看板のサイズが小さく、見落としてしまった参加者がコースを外れてしまう、といった場面に何度か遭遇した。運営サイドもこの問題は認識しており、来年はより分かりやすいコース誘導方法を考えていきたいとのこと。来年は更に初心者や子供に優しい大会へと成長しているはずだ。


photo&text:Naoki.YASUOKA
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