3月5・6日の2日間、大阪万博記念公園でサイクルモードライドOSAKAが開催された。大阪での開催は3年ぶり。「ライド」の名の通り充実した試乗コースが特徴で、来場者数16,832人と大いに盛り上がった。



メーカーブースが並ぶメイン会場メーカーブースが並ぶメイン会場
サイクルモードライドOSAKAの舞台となったのは大阪府吹田市の万博記念公園。岡本太郎氏作の太陽の塔が見下ろす東の広場とEXPO‘70パビリオンが会場だ。今回の特徴はサイクルモードが当初のコンセプトとして掲げたスポーツバイクの試乗ができるユーザーショーという特徴をより一層強く打ち出したことだ。

過去最長の2.2kmの試乗コースでたっぷりライドができた

中国自動車道を脇に見る万博公園の外周路を往復するコース中国自動車道を脇に見る万博公園の外周路を往復するコース
全長2.2kmのロングコースは試乗コースとしては過去最長だ。中国自動車道を脇に見る万博公園の外周路を往復し、アップダウンもあり、バイクを試すには十分な距離となった。

メーカーブースの集まるメイン会場は芝生の「東の広場」に設置され、各社のテントが立ち並んだ。パビリオン内で試乗パスを作成した来場者はメーカーテントを訪問し、お目当てのバイクにエントリー。整理券を発行したり、並ぶことでの先着順など試乗までの手順は各ブランドで様々だが、自分の順番が回ってくればサドル高の調整や操作方法の説明を受け、ヘルメットを被りいざ試乗コースへ走り出せる。

芝の広場周辺は歩行で。道幅も十分なコースに出れば渋滞もなく、けっこうなスピードで走ることができたようだ。アップダウンも適度にあり、バイクの特性や性能も十分体感できただろう。

芝の広場からコースへと出る参加者たち芝の広場からコースへと出る参加者たち 好天のなか試乗を楽しむ参加者たち好天のなか試乗を楽しむ参加者たち


ブースの並ぶ芝の広場は乗車禁止となっているので歩行するブースの並ぶ芝の広場は乗車禁止となっているので歩行する 往復コースは一部狭い区間はあるものの概ね余裕のある道幅で走れた往復コースは一部狭い区間はあるものの概ね余裕のある道幅で走れた


1周が2.2kmとじゅうぶんな距離があるため、交替サイクルも長めで、各ブースの作業は今までのモードよりも慌ただしさは少なかったように見えた。参加者にとってはそのぶんお目当てのバイクの順番が回ってくるまでに長く待たされることになったようだが、数をこなすのではなく、乗りたいバイクにしっかり乗り込めたことに満足する声がよく聞かれた。

整理券制をとったのはアンカーやジャイアント、デローザなど。早めに並んで整理券を受け取れば、あとは指定時間まで他のブースめぐりなどが楽しめるので好評だった。ピナレロ・ドグマやトレック・マドン、スペシャライズドVenge ViASなど超人気車種は常に長蛇の列。そういったバイクの場合はそれだけのための単独整列が行われていた。乗る方も、そういったスーパーバイクのためなら待つ時間は惜しまない。

人気のトレック・マドンは乗りたい人で長蛇の列だ人気のトレック・マドンは乗りたい人で長蛇の列だ 人気のあったキャノンデールのブース人気のあったキャノンデールのブース


パビリオン内で乗車前の講習を受けると安心だパビリオン内で乗車前の講習を受けると安心だ 初心者対象にヘルメットのかぶり方からレクチャーされる初心者対象にヘルメットのかぶり方からレクチャーされる


今回、トレック、スペシャライズド、キャノンデールのアメリカ3大ブランドやジャイアントにアンカーなど人気ブランドも出展があり、久々にメーカーの足並みも出揃った感があった。やはりユーザーにとっては気になるブランドが欠けること無く揃うことは関心事で、ひいてはそれがイベントの魅力につながるものだ。

Livのブースで写真を撮ってSNSに投稿!Livのブースで写真を撮ってSNSに投稿! Livガールズの皆さん「女性にもっと自転車を!」Livガールズの皆さん「女性にもっと自転車を!」


ルイガノブースでは平野由香里さんのインドアバイクレッスンが展開ルイガノブースでは平野由香里さんのインドアバイクレッスンが展開 キャノンデールのブースではアクセサリー類の揃えかたを解説した小冊子が配布されたキャノンデールのブースではアクセサリー類の揃えかたを解説した小冊子が配布された


試乗がメイン、大半が屋外型ということで天候が成功の鍵を握ったこのイベント。初日は気温も18度と初夏を思わせるほどの好天。2日目は降水確率が60%を超えていたため雨が心配されたが、結局は2日とも晴れ、関係者たちは胸をなでおろした。来場者数は初日が8,793人、2日目が8,039人、2日間合計で16,832人となった。

ブーステントが立ち並ぶさまはまるでシーオッタークラシックだブーステントが立ち並ぶさまはまるでシーオッタークラシックだ 試乗を楽しむ女性の姿も目立った試乗を楽しむ女性の姿も目立った


元気いっぱいの「ちゃりん娘」の皆さん元気いっぱいの「ちゃりん娘」の皆さん ちゃりん娘の皆さんが大阪府警と自転車安全キャンペーンを展開ちゃりん娘の皆さんが大阪府警と自転車安全キャンペーンを展開


メインステージは屋外に設置され、ピクニック気分で楽しめたメインステージは屋外に設置され、ピクニック気分で楽しめた 日向涼子さんが今年乗るピナレロ・ドグマF8「ピナ太」がお披露目された日向涼子さんが今年乗るピナレロ・ドグマF8「ピナ太」がお披露目された


握手会では渡辺航先生のサイン入りサコッシュがプレゼントされた握手会では渡辺航先生のサイン入りサコッシュがプレゼントされた 渡辺航先生の話を聞くために詰めかけたファンたち渡辺航先生の話を聞くために詰めかけたファンたち


その賑わいぶりは会場に入ればより実感できるもので、ブース出展したメーカー担当者なども集客に満足した様子だった。テントでの出展のためサイクルモード東京と比較して出展料も安く済み、予算的な負担が少ないこともこの方式のメリットという声も聞かれた。盛況だったことで来年もより拡充しての開催につながりそうな勢いだ。

ノースウェーブのブースではリハビリ中の新城幸也選手に向けてTシャツにメッセージを寄せ書きし、後日本人に渡されるというノースウェーブのブースではリハビリ中の新城幸也選手に向けてTシャツにメッセージを寄せ書きし、後日本人に渡されるという 子供たち対象のウィーラースクールも併催されていた子供たち対象のウィーラースクールも併催されていた


ルイガノのレディースモデルはスポーツバイクに乗りはじめたい女性にピッタリルイガノのレディースモデルはスポーツバイクに乗りはじめたい女性にピッタリ AVEDIOは女性や小柄な人用にアルミロードに410サイズをラインナップAVEDIOは女性や小柄な人用にアルミロードに410サイズをラインナップ


シマノのブースでもシューズのためし履きができたシマノのブースでもシューズのためし履きができた スペシャライズドのブースでは人気の新型S-WORKS シューズの試し履きができたスペシャライズドのブースでは人気の新型S-WORKS シューズの試し履きができた




好評のアスリートワークショップ

三船雅彦さんによる超ロングライドの走り方講座三船雅彦さんによる超ロングライドの走り方講座 ロングライドの走り方を指南する三船雅彦さんロングライドの走り方を指南する三船雅彦さん

東京モードから会費制のワークショップが人気を呼んでいる。三船雅彦さんはシクロクロス(初級〜中級編)と超ロングライド完走プランニング三船塾の2つを開催。人気沸騰中のシクロクロスを始めたい人・より成績アップに繋げたい人に向けて、あるいは「超長距離」のブルベや、三船さんが昨年走ったPBP1200kmなどに挑戦したいという具体的目標や夢をもった人が集まった。

シルベストサイクル山崎さんの講座は大変な賑わいだったシルベストサイクル山崎さんの講座は大変な賑わいだった
シルベストサイクルの山崎敏正さんによる「週にたった1時間!? 誰でも強くなる! 山崎流リズムトレーニング講座」は、山崎さんが普段実践しているトレーニングを公開し、限られた時間の中で強くなるトレーニング方法を具体的にアドバイス。

無料の公開講座とすると参加者層が広く、テーマも絞り切れなくなりがちなものだが、これらのワークショップの参加者の熱心度は非常に高く、かつより専門的に行われ、熱気あふれるものとなったようだ。受講者たちの満足度は非常に高かったと言える。

強くなるための様々な補強運動が紹介された強くなるための様々な補強運動が紹介された サプリメントの摂取方法についても秘伝が公開されたサプリメントの摂取方法についても秘伝が公開された


出展ブランドによるワークショップで各製品などのプレゼンを聞けた出展ブランドによるワークショップで各製品などのプレゼンを聞けた 新システムとアプリについて解説するカンパニョーロジャパンの市川さん新システムとアプリについて解説するカンパニョーロジャパンの市川さん


「スポーツバイクに乗ってみたい」という漠然とした目的を持った参加者たち、「あのバイクを購入する前に試したい」という人、あるいは「あの講師のワークショップを受講して自身のレベルアップをしたい」という人など、目的に応じたメニューが用意された。

また、飲食ブースが並んだサイクル・キッチンでは自転車自体に関心の薄い家族連れであっても芝の公園でのピックニックがてら食事とイベントを楽しむことができた。

屋外でグルメが楽しめたサイクル・キッチン屋外でグルメが楽しめたサイクル・キッチン パンプトラックも設置され、BMXで走り回れたパンプトラックも設置され、BMXで走り回れた


まだまだ続くように思える自転車ブーム。サイクルモードライド大阪は、スポーツサイクリングを新しく始める層、そして既存層のあらゆる要求にうまく応えることができているように思えた。「東京でもこの形式を」との声も聞かれた。


photo&text:Makoto.AYANO

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