9月27日(日)にハワイのオアフ島で開催されたロングライドイベント、ホノルルセンチュリーライド。バラエティー豊かなライド企画が盛りだくさんの東武トップツアーズのツアーにシクロワイアード編集部が同行した。



ハワイの雄大な自然の中を走れるなんて夢の世界ハワイの雄大な自然の中を走れるなんて夢の世界
春先から続く新製品の海外ローンチや、ユーロバイクへ行ってはしたり顔で「いやあ、やっぱり本場は違うよね。やっぱり海外で走るのは違うよ!」なんて言っては、ヘタレ編集部員こと私、藤原を羨ましがらせてくる先輩たち。「僕だって海外を走ってみたい」編集部に入って以来ぼんやりとあった、そんな夢が突然叶うことになった。そう、ホノルルセンチュリーライドの取材班に抜擢されたのだ。やった!!

常夏のハワイ。キレイなビーチや、南国特有の穏やかな気候、日本では味わえないグルメを思う存分に満喫できると思うと、出発前1ヶ月からワクワクした気持ちを抑えることができない。なんだか仕事が手に付かず、となりの山本先輩からは「どうせ遊びに行くんだろ?休日扱いな!」と怒られてしまったけれど、全然気にならない。

受付ではホノルルセンチュリーライド記念ジャージも販売されていましたが、私はCWジャージがあるので我慢しました受付ではホノルルセンチュリーライド記念ジャージも販売されていましたが、私はCWジャージがあるので我慢しました 受付脇では日本語で大会の注意点などをアドバイスしてくれる公式講座も行われていた受付脇では日本語で大会の注意点などをアドバイスしてくれる公式講座も行われていた

「ワォ、トゥービッグ!」「オーマイガーッ!」現地の方も思わず写真を1枚!の巨大なパンケーキたち「ワォ、トゥービッグ!」「オーマイガーッ!」現地の方も思わず写真を1枚!の巨大なパンケーキたち ヒルトン・ホテル内MAC24-7のパンケーキは、複数人で挑戦したほうが良い巨大さです…ヒルトン・ホテル内MAC24-7のパンケーキは、複数人で挑戦したほうが良い巨大さです…


さて出発当日、羽田空港国際線ターミナル。事前に空港へ専用宅配便で送っていた自転車を受け取り、チェックイン、出国手続きを済ませる。全て日本語で済ませられるここはまだ日本。現地時間の金曜日昼にホノルル国際空港に到着すると、早速入国審査の洗礼を受ける。英語を話す入国管理官(当たり前だ)の前でドギマギし、一気に緊張を覚える。ついに外国へときたのだと。

空港からホテルまではツアーバスが用意され直行できる。空港からやや離れているホノルル市街へも安心して移動できるので、初海外の方にはピッタリだ(私がそうなのだが)。そして、部屋に到着している自転車を組み立てて、翌日への準備を整えればバッチリだ。その後は休むも良し、ワイキキビーチへ繰り出すのも良し。

ちなみに私は編集長と絹代さん、サポートライダーの内山さん、山根さんに加えて、羽田空港から一緒になった参加者の方2名と、ヒルトン・ホテル内にあるカフェ/バー「MAC 24-7」の巨大パンケーキに挑戦。見事に返り討ちにされたのは別の話。隣席のアメリカ人観光客もびっくりするほどの大きさ(直径30cm、高さ約10cm)のパンケーキを7人で2つ頼んでしまい、しばらく胸やけに悩まされることに。来年は1枚あたり5人は用意しようと、固く心に誓った。



60名近いライダーが直前講習に参加。ベテランも耳寄り情報を得るために参加していたようだ60名近いライダーが直前講習に参加。ベテランも耳寄り情報を得るために参加していたようだ
そんなこんなでホノルルを一日満喫したら、いよいよ大会前日の土曜日。この日の午前中には今中大介さんと絹代さんによる直前講習会が、午後には2班に別れてのプラクティスライドが行われた。ジョギングやヨガを公園で行っている人達に混じって、直前講習会が朝一に開かれる。

初めて海外ロングライドに挑戦するという方も多いこの大会。不安を抱えているライダー達も少なくない。そんなビギナーたちの心配事を減らしてくれるのが、この直前講習会だ。海外レースを走った経験をもとに実践的な走り方を教えてくれる今中さん。栄養士という面から補給食や前日の晩ごはんまでアドバイスしてくれる絹代さん。ホノルルセンチュリーライドを知り尽くした2人がアドバイスしてくれるので、心強いことこの上ない。

さらに、週末の天気予報から想像される状況もケーススタディのように説明してくれた。例えば、嵐のような風が吹いた時は、自分のペースにあうライダーやグループを見つけて体力を温存したほうが良いことや、雨に降られた時に体温を維持するためにはどうしたらいいかなど、100マイル完走を実現させるために必要な情報は惜しみなく教えてくれる。

時折冗談を交えながらコース上の注意点などを細かく教えてくれた時折冗談を交えながらコース上の注意点などを細かく教えてくれた 真剣に今中さん、絹代さんの話に耳を傾ける真剣に今中さん、絹代さんの話に耳を傾ける

ハワイの走り方を習得するために10kmの軽いサイクリングを行うハワイの走り方を習得するために10kmの軽いサイクリングを行う ダイヤモンドルックアウトの絶景をバックにセルフィーをパシャリ!ダイヤモンドルックアウトの絶景をバックにセルフィーをパシャリ!


基本中の基本から、上級者までうなずいてしまうような内容まで、参加者の方々も真剣な表情で聞き入っていた。一通り説明が終わったら、早速ハワイを走ることに!眺望良好なダイヤモンドヘッド・ルックアウトを通過し、ワイアラエビーチパークまでの練習ライドが行われるのだ。

右側走行や手信号の基本、路面に埋め込まれたキャットアイの避け方やハイケイデンスの体力温存走法などそれぞれ確認しながら、総勢60名近い大集団で進んでいく。自分の左側から車が追い越していくのはやっぱり最初は慣れなかったけれど、道幅が広い上に多くの区間で自転車レーンが整備されているので、日本より安心できるほど。

しかし、一度左折の際に困惑してしまった。自分がいきたい方向と、迫ってくる車の進行方向が頭のなかでチグハグに。ヒヤリとしたが、困ったときは一息ついてからと講習会の内容を思い出す。一旦落ち着いて、周囲を確認してから無事クリア。海外でのライドは国内以上に周りをよく見て走ることが重要だと実感させられた。

直前講習会が終わると時間はちょうどお昼前。ワイキキビーチのカラカウア・アベニューで行われているパレードを見ながらブランチをとった後は、プラクティスライドに参加するも良し、ワイキキを満喫するのも良しだ。オプションが豊富で自分の好きなようにプランが組み立てられるのはこのツアーの嬉しいポイント。私はもちろん午後のプラクティスライドに参加だ。



「綺麗なビーチまで自転車で行って泳ごう!」ハナウマ・ベイへのプラクティスライド
ハイウェイでの豪雨がウソのような快晴ぶり。日頃の行いが良いからでしょう!ハイウェイでの豪雨がウソのような快晴ぶり。日頃の行いが良いからでしょう!
さて、初中級者向けのプラクティスライドAにお邪魔した私、ヘタレこと藤原。Aコースはツアーの拠点となっているワイキキビーチ・マリオット・リゾート&スパをスタートし、本番のコースをトレースしながらハナウマ・ベイまで進む、片道約10マイルほどのサイクリングツアー。

15名ほどの参加者たちをエスコートしてくれるのは、湘南ベルマーレサイクルストア店長の内山靖樹さん。5年以上も東武トップツアーズのホノルルセンチュリーライドツアーにサポートライダーとして参加している、ハワイのベテランだ。ベルマーレではユーススクールも開いている内山さんは、初心者でもついていけるスピードでペーシングしてくれる。

そして、絹代さんも同行してくれる。初めて海外を走るという女性ライダーも少なくないホノルルセンチュリーライドにおいて、絹代さんと一緒に走れるというのは心強いはずだ。参加人数が多くなければマンツーマンでアドバイスを受けるチャンスもあり!

交通量が多いホノルル市街も自転車レーンが整備されており、初心者でも走りやすい交通量が多いホノルル市街も自転車レーンが整備されており、初心者でも走りやすい サポートライダーの内山さんを先頭にA班は突き進んでいくサポートライダーの内山さんを先頭にA班は突き進んでいく

ハナウマ・ベイの直前には一発難易度の高い坂が待ち構えている。が、バックには絶景がハナウマ・ベイの直前には一発難易度の高い坂が待ち構えている。が、バックには絶景が 自然保護区に指定されているハナウマ・ベイには、ハワイ特有の林が待っていた自然保護区に指定されているハナウマ・ベイには、ハワイ特有の林が待っていた


内山さんを先頭にA班はワイキキビーチを出発。カラニアナオレ・ハイウェイへと差し掛かると、出発した時の青空から一気急転、前が見えなくなるほどの横殴りの雨、バイクが流されてしまうほどの風に襲われる。予兆もなく突然訪れた豪雨に驚いてしまったが、30分もしないうちに雨雲は過ぎ去り、太陽が顔を見せる。どうやら一気に降ったあとはすぐに晴れてしまうスコールというのが、ハワイ特有の気候らしい。

山が近づいてきたら目的地はすぐそこ。ハワイの大自然が作り上げたココヘッドを左手に見ながら、距離1.2km、平均斜度約5%という難易度のハナウマの山を登っていく。本番に現れるハートブレイクヒルに似たようなプロフィールとなっており、予行演習にぴったり。ここで上り坂のペーシングを予習しておけば、100マイル完走に一歩近づくはず。

さて、いよいよハナウマ・ベイに到着だ。ビーチへと降りると、これぞハワイといった木々、海、砂浜のコントラストが強い光景が目に飛び込んでくる。ザ・南国といった風景に僕のテンションは一気に急上昇!別に水着の美女が沢山いたからとかでは断じて、ない。

ハナウマ・ベイハナウマ・ベイ
来年こそは海を満喫するフルセットを持って行きます!来年こそは海を満喫するフルセットを持って行きます! ハワイに来たら海でしょ!といわんばかりに満喫しているハワイに来たら海でしょ!といわんばかりに満喫している


ここハナウマ・ベイでは約1時間30分のフリータイムが設けられ、参加者たちはそれぞれ海に入ったり、日光浴をしたりと思い思いに時間を過ごす。参加者の半分が海を堪能している姿を見ていると、どうも羨ましくて仕方がない。ひとしきり撮影をすませたところで、我慢は限界、海へと飛び込んでしまう。目の前にまで迫るサンゴ礁のまわりをきらびやかな熱帯魚が泳ぎまわるハワイの海を私も満喫してしまった。

実は前日からCW編集長・綾野やサポートの内山さんから、「海パンだけは持って行った方が良い」と言われていたので、急遽水着を現地調達した私。実際は、我慢ができなかったのと、道中雨に降られてびしょ濡れになったため、なぜかレーパンのまま飛び込んでしまった……。来年は海パン、ゴーグル、タオルなどフルセットを用意しておこうと心に誓うのであった。

ひとしきりビーチを楽しんだところで、今年から変更となったコースを予習しながらワイキキへと引き返す。マリオットホテルに帰るとツアースタッフが「おかえりなさい」と出迎えてくれる、アットホームな雰囲気が心地よい。この日は雨天下のライドとなったため、洗車のため急遽野外の水道を使えることに。潮風でついた塩や巻き上げた泥などを素早く落とせるように柔軟な対応をしてくれるのが東武トップツアーズ流。

雨で流れてしまったオイルを補充してくれるプロジェクトKの栗田さん雨で流れてしまったオイルを補充してくれるプロジェクトKの栗田さん 自転車をキレイにした後は、ホテルロビー内に設けられたメカニックブースではツアー参加者のメンテを引き受けてくれるプロジェクトKの栗田さんが、全員分のバイクに注油してくれた。自分でバイクの基本的な整備ができることに越したことはないが、機内に持ち込めないオイル系のメンテナンスを済ませ、本番に向けての準備を終える。

自室に戻っても時間はまだ18時頃。午前中に絹代さんから教えてもらったアドバイスを参考に夕食を取り、ホノルルの涼しい風にあたってからベッドに入った。初めての海外イベントに緊張はしているが、直ぐに寝入ることができた。初海外で疲れていたのもあるだろうけれど、盛りだくさんの前日オプションが不安を取り除いてくれたのも大きい。晴れると良いな、と思いながら夢の世界へと旅立った。

次回は上級者向けプラクティス「ヌウアヌパリライド」に帯同レポートをお届けする予定です。

text&photo:Gakuto "ヘタレ" Fujiwara
photo:Makoto.AYANO
edit:Naoki.Yasuoka

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