11月5日、UCI(国際自転車連合)はアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ、カザフスタン)が2010年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで不正行為を行った疑いがあるとして調査を開始した。容疑は勝利の買収だ。

2010年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでアタックしてアレクサンドル・コロブネフを引き離すアレクサンドル・ヴィノクロフ2010年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでアタックしてアレクサンドル・コロブネフを引き離すアレクサンドル・ヴィノクロフ photo:A.S.O.ロンドン五輪ロードレースで金メダルを獲得したアレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ、カザフスタン)にかけられている疑いは、2010年のリエージュに勝利した際に、2位になったアレクサンドル・コロブネフ(ロシア、当時カチューシャに所属)に対して賄賂として多額の金銭を支払ったというもの。当時、レースは終盤ヴィノクロフとコロブネフの一騎打ちとなったが、ラスト500mでアタックしたヴィノクロフがコロブネフを突き放して勝利している。

不正行為に関して捜査しているイタリアの検察官からの報告を受けたUCIは調査開始を決定。パット・マックエイドUCI会長は両選手をUCI本部に召喚し、聞き取りを行うと発表した。

コロブネフを置き去りにし、独走でゴールに飛び込むアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)コロブネフを置き去りにし、独走でゴールに飛び込むアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) photo:Cor Vos11月3日付けのイタリアの一般新聞コリエーレ・デッラ・セラ紙は、ヴィノクロフが優勝を譲ってもらうためにコロブネフに15万ユーロ(約1,500万円)を払うことに合意したとする両選手のEメールのやりとりを掲載した。

ヴィノクロフはロンドン五輪ロードの勝利のあと、そのまま競技からは引退したが、現在は選手当時から続けるアスタナのチーム幹部としての仕事を通してチーム運営に関わっている。


text:Makoto.AYANO