5日間の日程で開催されたブエルタ・ア・アンダルシア(UCI2.1)が、2012年2月23日、閉幕した。3級山岳にゴールする最終ステージで優勝したのはダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)。総合リードを守り抜いたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)が初総合優勝に輝いた。

逃げるケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)ら逃げるケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)ら photo:www.vueltaandalucia.es「ルタ・デル・ソル」最終ステージは、アンダルシア州の内陸に位置するハエンを中心とした135.7kmの山岳コース。カテゴリー3級の山岳が4つ設定されている。

ラスト10km地点で3級山岳ピリジャス峠を越え、ハイスピードダウンヒルを経て3級山岳ラグアルディア・デ・ハエンに突入。標高差140m・登坂距離1800m・平均勾配8%の登りの先にゴールが待っている。

モビスターがコントロールするメイン集団モビスターがコントロールするメイン集団 photo:www.vueltaandalucia.esレースは序盤からイェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)やユーリ・トロフィモフ(ロシア、カチューシャ)ら6名が逃げ、モビスター率いる大集団が追う展開。コフィディスも集団牽引に加わった。

やがてタイム差が縮まると、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)、ピム・リヒハルト(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ヤン・ウゲ(フランス、プロジェクト1t4i)の3名が抜け出し、逃げる先頭グループに合流。

3級山岳頂上ゴールを制したダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)3級山岳頂上ゴールを制したダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) photo:www.vueltaandalucia.esゴール手前の3級山岳ピリジャス峠に差し掛かると、そこからリヒハルトとトロフィモフの2人が抜け出す。しかしモビスターはピリジャス峠の頂上までにこれらの動きを全て封じ込める。

メイン集団は50名ほどに絞られた状態で3級山岳ラグアルディア・デ・ハエンへ。頂上に近づき、勾配がキツくなったポイントで抜け出したモレーノが、後続を引き離してゴールに飛び込んだ。カチューシャはステージ2連勝。

ステージ優勝を飾ったモレーノの後ろで、手を叩いてゴールするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、カチューシャ)ステージ優勝を飾ったモレーノの後ろで、手を叩いてゴールするアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、カチューシャ) photo:www.vueltaandalucia.esリーダージャージを着るバルベルデは、2秒遅れの集団先頭でゴール。手を叩き、アンダルシア初制覇を祝いながら5日間のレースを終えた。

バルベルデは「今日はフォイクトが逃げに乗っていたので、追走の力を緩めることが出来なかった。一日中ずっと働き続けてくれたチームにステージ優勝を捧げたいとも思ったけど、最大の目標である総合優勝を果たすことが出来て嬉しい。ワールドツアーであるツアー・ダウンアンダーでステージ優勝して、さらにこの総合優勝。素晴らしいシーズンスタートが切れたよ」と語っている。

チームメイトのポジショニングに力を使った土井雪広(プロジェクト1t4i)は41位。「本日のオーダーは、とにかく総合6位のトム(ドゥムリン)を守り抜き、最後の2キロの激坂に突入するまでに彼を最高の番手に連れて行くこと。最高速90.3km/hをマークした最後の下りで遅れたトムを前に連れて行き、後は彼が上手くまとめてくれた」。

最終的に総合順位を上げ、シーズン初戦を総合42位で終えた土井は「追い込みきったアンダルシア。満足です。今シーズンを良い形でスタートできた感じです」と語る。土井は3月3日〜4日のブエルタ・ア・ムルシア(UCI2.1)に出場し、スペインでのトレーニングキャンプを経て、3月19日に開幕するボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)に出場する予定だ。

レース内容はスペイン・ビシシクリスモ、選手コメントはモビスター公式サイトより。

ブエルタ・ア・アンダルシア2012第4ステージ結果
1位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)          3h14'54"
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、カチューシャ)         +02"
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)
5位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
7位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)
8位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
9位 イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)
10位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)
41位 土井雪広(日本、プロジェクト1t4i)                +52"

個人総合成績
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)        16h08'49"
2位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス)           +03"
3位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)        +08"
4位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)             +14"
5位 セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)   +15"
6位 トム・ドゥムリン(オランダ、プロジェクト1t4i)           +18"
7位 フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)  +22"
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、レディオシャック・ニッサン)   +26"
9位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)   +27"
10位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ラボバンク)           +28"
42位 土井雪広(日本、プロジェクト1t4i)               +2'53"

ポイント賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

山岳賞
ルイスアンヘル・マテマルドネス(スペイン、コフィディス)

チーム総合成績
レディオシャック・ニッサン

text:Kei Tsuji
photo:www.vueltaandalucia.es

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