シュレク兄弟(ルクセンブルク)やファビアン・カンチェラーラ(スイス)、マッティ・ブレシェル(デンマーク)らが離脱し、トップ選手を失ったサクソバンク。合計10名の選手が脱退したのは偶然なのか、それとも必然か。カンチェラーラらのコメントをもとに検証する。

ビャルヌ・リース監督とアンディ・シュレク(ルクセンブルク)ビャルヌ・リース監督とアンディ・シュレク(ルクセンブルク) photo:Makoto Ayano来シーズンに向けて、サクソバンクを去る選手たちのコメントに注目が集まっている。カンチェラーラを含む8名の選手がルクセンブルクチームに移籍し、ブレシェルがラボバンクに移籍する今、サクソバンクのビャルヌ・リース監督にとって歓迎出来ないコメントが相次いでいる。

「一度に多くの選手がチームを離脱するのは偶然?それともチームの雰囲気によるもの?」そう問われたブレシェルは、デンマークのBT紙にこのように答えている。「チームが方向性を見失い、コミュニケーション不足に陥った時期があった。それが原因かも知れない」。

ロンド&パリ〜ルーベ制覇を達成したファビアン・カンチェラーラ(スイス)ロンド&パリ〜ルーベ制覇を達成したファビアン・カンチェラーラ(スイス) photo:Cor Vosアンディ・シュレク(ルクセンブルク)をツール・ド・フランス総合2位に導き、カンチェラーラとともにロンド・ファン・フラーンデレン&パリ〜ルーベ制覇を達成したリース監督。長年トップチームを指揮している名将は「今シーズン、全てがスムーズに進んでいない事に気付いていた。チーム運営にベストを尽くしたが、それで納得出来ない選手やスタッフがいるなら、それは仕方が無い」と説明する。

リース監督は新たなチームリーダーとして、ツール・ド・フランス3勝のアルベルト・コンタドール(スペイン)を迎え入れた。嫉妬深いカップルが二度とよりを戻さないのと同じように、サクソバンクを離れた選手たちもまた、二度とチームに戻る事は無いのだろうか。

「ビャルヌはチームの将来について明確なアイデアを持っていた。それに賛同出来ない選手は、チームを離れるしか方法が無い。自分の成績に関して言えば、報酬に見合った成績か、それ以上のものを残してきたつもりだ」。スイスのベルナーツァイトゥング紙の中でカンチェラーラも批判的なコメントを残している。

現在、リース監督は散らばったバズルのピースを組み立てるのに躍起だ。コンタドールの一件が長期化の様相を見せているため、今年のジロ・デ・イタリアで新人賞を獲得したリッチー・ポルト(オーストラリア)とクリスアンケル・セレンセン(デンマーク)がチームリーダーに昇格する可能性が高い。

「批判するのは簡単だ。彼らには『お金が目的でチームをスイッチした』という説明が足りない」。セレンセンは、監督寄りのコメントを残している。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji

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