2010年8月3日、ツール・ド・ポローニュ第3ステージが122.1kmのショートコースで行なわれ、混戦のスプリント勝利を制したヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)が優勝。別府史之(レディオシャック)はステージ15位で、3日連続チーム最上位の成績をマークした。

ツール・ド・ポローニュ2010第3ステージ・コースプロフィールツール・ド・ポローニュ2010第3ステージ・コースプロフィール image:www.tourdepologne.pl第3ステージはソスノビエツからカトビツェまで、今大会最短の122.1kmコースで行なわれた。距離だけを見ると、前日の第2ステージの約半分。しかしその分スピードが上がるため、決してイージーなステージではない。後半はカトビツェの11.7km周回コースを7周する。

レース主催者はこの第3ステージを今年2月にラリーカー事故で急逝したイタリア代表監督のフランコ・バッレリーニ氏に捧げるステージとして選定。現イタリア代表監督のパオロ・ベッティーニ氏もレース会場に駆けつけた。

スタート前の別府史之(日本、レディオシャック)スタート前の別府史之(日本、レディオシャック) photo:Riccardo Scanferlaレースは序盤からアタックが連発するハイスピードな展開で、距離の短さから決定的な逃げが生まれないまま進行。

サイモン・ゲスク(ドイツ、スキル・シマノ)とセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)の2人が逃げを試みたが大きなリードを奪えないまま吸収。続いて飛び出したアルバート・ティマー(オランダ、スキル・シマノ)ら4名もスプリンターチーム率いるメイン集団を引き離せず。

スタートラインに並んだアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)やアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム)スタートラインに並んだアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)やアレッサンドロ・バッラン(イタリア、BMCレーシングチーム) photo:Riccardo Scanferlaゴールまで2周を残してドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ・テストチーム)、ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)、ミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)の3名が飛び出し、ロランが先頭でカテゴリー山岳を通過。

この3名にはピーター・ベリトス(スロバキア、チームHTC・コロンビア)らが合流。しかしヴァカンソレイユが中心に立ってペースを上げるメイン集団は、ラスト5kmまでに全ての逃げを封じ込めた。

逃げグループを形成するダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)やミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ)逃げグループを形成するダニーロ・ナポリターノ(イタリア、カチューシャ)やミルコ・ロレンツェット(イタリア、ランプレ) photo:Riccardo Scanferlaこの日も完全にスプリントを牛耳るチームが現れないまま最終周回へ。下り基調の最終ストレートでハイスピードなスプリントバトルが繰り広げられ、早めに仕掛けたフタロヴィッチがルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)らを振り切って勝利。両手を挙げる暇もないほどの接戦を制した。

前ベラルーシチャンピオンのフタロヴィッチは現在26歳。これがキャリア通算17勝目。プロツアークラスのレースでは初めての勝利だ。

スプリントで競り合うヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)らスプリントで競り合うヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)ら photo:Riccardo Scanferla「今シーズンはこれが4勝目。かなりハイスピードなスプリントだったよ。サイクルコンピューターは70km/h以上を示していた。アエドが右側から勢いよく追い上げてきたので、最後まで勝利を確信出来なかった。自分に出来たのはバイクを出来るだけ遠くに投げ込むことだけ。プロツアーレースで世界トップクラスのスプリンターに勝ったんだ。これまで2度ベラルーシチャンピオンに輝いているけど、間違いなくこれはキャリアの中で最高クラスの勝利だよ(レース公式サイト)」

リーダージャージを着るアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)はこの日も上位に食い込み、ボーナスタイムを加算して総合首位をキープ。ポイント賞ランキングでも首位を快走中だ。

別府史之(レディオシャック)はこの日もスプリントに絡んでステージ15位に。開幕3ステージでチーム最上位の成績を残した。総合ではトップと14秒差の25位につけている。

レース内容と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。


ツール・ド・ポローニュ2010第3ステージ結果
1位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)  2h45'04"
2位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
3位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
4位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
5位 ケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
7位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
8位 ロベルト・フェルスター(ドイツ、チームミルラム)
9位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
10位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
15位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)         12h53'14"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)        +03"
3位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)           +04"
4位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
5位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)           +08"
6位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
7位 ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)
8位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)         +09"
9位 バルトロミエイ・マティシアク(ポーランド、ポーランドBGZ)
10位 ラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)
25位 別府史之(日本、レディオシャック)                 +14"

ポイント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)

山岳賞
ドミニク・ロラン(カナダ、サーヴェロ・テストチーム)

スプリント賞
ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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