イツリア・バスクカントリーを2日後に控えた4月1日、バスク地方の隣ナバーラ州でグランプレミオ・ミゲル・インデュラインが開催。総獲得標高差3,400mの山岳レースで、ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)が2016年以来となる優勝を飾った。



UAEチームエミレーツの総合エースを務めるマルク・ソレル(スペイン) photo:CorVos

クラシックハンターがロンド・ファン・フラーンデレンのため「北」に集結する一方、その前日である4月1日(土)にスペイン北部のナバーラ州では、第32回グランプレミオ・ミゲル・インデュライン(1.Pro)が開催された。

コースは発着点のエステーリャを取り囲む山岳を巡る203.2km。登坂距離4km以上の長い登りは登場しないものの、2級、1級、2級、2級山岳を立て続けに越えるためその獲得標高差は3,400mに達する。昨年引退したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が過去3度優勝したことからもわかるように、軽量系のパンチャーやクライマーが有利なレースとなっている。

エステーリャの周辺を巡る選手たち photo:CorVos

直後のバスク一周レースに臨むリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

4月3日に開幕するイツリア・バスクカントリーの前哨戦という意味合いが強いレースで逃げたのは、ミケル・ビスカラ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)を含む4名。メイン集団は出場した10のワールドチームのうち、リチャル・カラパス(エクアドル)とエステバン・チャベス(コロンビア)を擁するEFエデュケーション・イージーポストが中心となりコントロールした。

山岳を越える度に一人、また一人と脱落していった逃げグループは残り60km地点で早くもプロトンに吸収される。そして最終2級山岳アルト・デ・エラウラの麓からネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)とルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)がアタック。しかしこれは成功せず、ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)の2度目の飛び出しが決まった。

レース後半に入り、集団先頭に人数を集め始めたボーラ・ハンスグローエなどのワールドチーム photo:CorVos

ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)のアタックに反応したセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

このアタックにセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が反応し、残り10km地点で強力な2人による先頭集団が形成される。リードを奪われたプロトンからはカラパスなどがブリッジをかけようと試みるも、ローテーションを回し順調にフィニッシュを目指す2人には届かない。そして大観衆が詰めかける残り2kmの登りでイギータを振り切ったイサギレが、地元の近いエステーリャのフィニッシュ地点にトップでたどり着いた。

イギータを振り切り、勝利を掴んだヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) photo:CorVos

2016年に続く、2度目のGPインデュライン制覇を達成したヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) photo:Cofidis

「レースを通して調子が良く、何よりイツリア・バスクカントリーに臨むチームメイトとこのレースを一つの目標に置いていた。だから本当に嬉しいし、総合優勝を狙うバスクカントリーに向けて良い弾みとなった」と、2016年に続く大会2度目の制覇を達成したイサギレは語った。

2位には2秒遅れでイギータが入り、3位はプロトンから登りで飛び出したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)が入っている。
グランプレミオ・ミゲル・インデュライン2023結果
1位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) 5:09:05
2位 セルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) +0:02
3位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) +0:13
4位 アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) +0:20
5位 ロジャー・アドリア(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
6位 アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) +0:23
7位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) +0:25
8位 エリー・ジェベール(フランス、アルケア・サムシック)
9位 フェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン) +0:32
10位 クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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