カルカッソンヌで迎えたツール第2休息日にタデイ・ポガチャル(UAEエミレーツ)がオンラインインタビューに応えた。総合首位ヨナス・ヴィンゲゴーと2分22秒差。続くピレネー決戦でマイヨジョーヌを奪い返すことができるのか?



ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)のアタックに追従するタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)のアタックに追従するタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
ー ピレネーでの山岳3連戦をどのように闘うのか? そして2020年に個人タイムトライアルでログリッチを逆転したように、最終個人TTに勝負を賭けるのか?最終週の闘い方についてポガチャルは応える。

「すべてのチャンスを掴みに行く。チャンスはすべての登りにある。アタックする必要がある。登りではできる限り厳しい展開に持ち込んで、タイムを稼ぎたい。これから毎日ハードなステージが続くし、それが可能だと思っている。全力を尽くす。後で後悔しないようにしたい。

アタックの機会があれば逃さない。これからの数日にはいくつもチャンスがある。タイムトライアルまでにタイム差をできる限り縮めておくことが必要だと思っている。昨年見たとおり、ヨナスは(第3週目の)タイムトライアルがとても得意だ。

最終日前日のTTで30秒や2分といった差を埋めることができるとは思わない。だからTTの前のステージで全力を尽くしてタイム差を縮めておく必要がある。TTにすべてを賭けることはできない」。

ー グラノン峠で失速し、ヴィンゲゴーに3分近い差を奪われた。あの「バッドデー」に何が起こっていたのか、改めて説明を求める声にポガチャルは応えた。

「たぶん補給が足りなかったんだろう。それと、ガリビエ峠でたくさんのアタックに反応してエネルギーを消費していたんだろう。僕がアタックに反応するために10回ダッシュしてオールアウトしていたのに、ヴィンゲゴーとログリッチは5回。僕の半分だった。ちょっと自殺行為だった。そしてもっと補給を摂ればよかったんだ」。

ラルプデュエズの山頂手前のヘアピンコーナーでアタックするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)ラルプデュエズの山頂手前のヘアピンコーナーでアタックするタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
ー タイム差を取り返すために第13ステージのラルプデュエズと第14ステージのマンド(コート・ド・ラ・クロワ・ヌーヴ)でアタックしたが、ヴィンゲゴーを離すことができなかったことについて。

「それは僕にとってよりモチベーションになった。彼こそ倒すべき相手だ。彼は”スーパーストロング”だ。ラルプデュエズで彼は僕に着いてきた。でももし僕がもっと追い込めば、もっと自信をもって攻めれば、タイムを稼ぐことはできたと思っている。

マンドでは登りが短かく、もっと爆発的だった。そこでも彼は僕の後輪から離れなかた。それも同じようなことだった。

これからの3日間はもっとたくさんのことが起こる可能性がある。僕らは皆、肉体的にも精神的にもとても疲れているし、バッドデーがくることもある。逆にグッドデーがくることも。だからこの数日は興味深いものになると思う」。

マイヨ・ブランを着て走るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)マイヨ・ブランを着て走るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
ー ユンボは第15ステージでログリッチがDNS、ステフェン・クライスヴァイクも落車による負傷でリタイア。ユンボとUAE、奇しくも両チームとも6人の選手を残すことになったが? チーム力を比べてどうか?

「それぞれのチームに何人の選手が残っているかを見れば、僕らは多かれ少なかれほぼ同等だと思う。ヴェガール(ラエンゲン)とジョージ・ベネットを失った大きさを僕らは知っている。僕らはそんな状況ですでに多くの日数を闘ってきた。ユンボ・ヴィスマにとっても容易なことじゃないと思う。

彼らはマイヨジョーヌを守らなければいけないし、僕は彼らにアタックする。ピレネーは厳しく、最後はひとりの人間対人間の戦いになる。僕らUAEとユンボだけでなく、すべての選手がフルガスでくる。スタートから厳しいレースになるはずだ」。

ー 総合3位に着けるゲラント・トーマス、5位アダム・イェーツ、9位トーマス・ピドコックら3人が総合トップ10内に居るイネオス・グレナディアースとは、対ユンボとして利害が一致する。協調する可能性があるか?

「イネオスと協調することは無いと思う。彼らは総合10位以内に3人と良い位置につけているし、もし彼らがアタックするならそれは僕にとって有利に働くだろう。ユンボはそのアタックに応えなければならないから。でも今までのところ彼らはポディウムに上るためか、チーム総合のためのレースをしているように見えるから、彼らと協調できるかどうかは分からない。

僕はチームとともに僕のレースをする。できるだけレースを厳しくするよ」。

text&photo:Makoto.AYANO in France

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