男子U23でウィズーレ勝利　ベルギーが2000年以来の同種目表彰台独占に成功

シクロクロス世界選手権男子U23レースは、拮抗した勢力を誇るオランダ対ベルギーの戦いに。果敢なアタックを成功させたヨラン・ウィズーレが勝利し、消耗するオランダを尻目にベルギーが2000年以来の表彰台独占を叶えた。

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シクロクロス世界選手権の第2レースとなった男子U23には41名が出場。各世代の中で最もベルギーとオランダの戦力が拮抗しているカテゴリーであり、序盤から両国の思惑が激しく交錯した。

スタートを待つピム・ロンハールとメース・ヘンドリクス（共にオランダ） photo:Nobuhiko Tanabe優勝候補の一人、ティボー・ネイス（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe

13時にスタートした男子U23レース photo:Nobuhiko Tanabe
去年と一昨年はそれぞれオランダのピム・ロンハールとライアン・カンプが制してきたU23男子レース。この日は両名を含むオランダ・ベルギー勢のほとんどが入った10名以上の先頭グループが生まれ、2周目に入って後続グループが合流して16名に。ハイスピードコースを飛ばす中、イギリスやスペインといった他国選手は両国の争いからふるい落されていった。

均衡を破って飛び出したのはベルギーチームの一人、ヨラン・ウィズーレだった。普段トルマンス・サーカスシクロクロスチームに所属し、直近のX2OトロフェーU23で勝利していた21歳は勝負所の17%勾配で仕掛け、やがて独走態勢に持ち込むことに成功。「不得意なスタートが決まったので登坂区間で仕掛けて周りの反応を見ようと思ったんだ。数メートルの差がついたのでそのままアタックを続けた」と言うウィズーレは、やがてリードを15秒近くまで引き延ばした。

最大17%の登坂区間でアタックするヨラン・ウィズーレ（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
大声援の中独走するヨラン・ウィズーレ（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
ウィズーレを追いかけるメース・ヘンドリクス（オランダ）だが、思うように差は縮まらない photo:Nobuhiko Tanabe非オランダ・ベルギー選手の最上位を走るキャメロン・メイソン（イギリス） photo:Nobuhiko Tanabe


ベルギーとオランダがそれぞれ複数名を入れ、さらにキャメロン・メイソン（イギリス）が合流した追走グループは今ひとつペースアップできず、ファステストラップを叩き出しながら走るウィズーレは着々とリードを積み重ねる。やがてオランダ勢が必死のペースアップを試みるも機能せず、逆に消耗したことでエミエル・フェルストリンゲ（ベルギー）のアタックを許してしまった。こうしてベルギーがワンツー体制を敷くことに成功した。

その後もミスなく走り、ホームストレートに現れたウィズーレは、観客からベルギー国旗を受け取り、感情を爆発させながらフィニッシュラインへ。これまでナショナル選手権やヨーロッパ選手権でも勝ちがなく、ネイスやフェルストリンゲなどビッグネームの影に隠れてきたダークホースが大一番で勝利した。

独走のままフィニッシュラインにたどり着いたヨラン・ウィズーレ（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe
ダークホース、ヨラン・ウィズーレ（ベルギー）がU23世界チャンピオンに photo:Nobuhiko Tanabe息を整えるヨラン・ウィズーレ（ベルギー） photo:Nobuhiko Tanabe

ベルギーが2000年以来の男子U23レース表彰台独占に成功した photo:Nobuhiko Tanabe
「自分のペースで踏んだけれど、勝てた。こんなの普通じゃない。自分のパフォーマンスにとても満足しているよ。こんなの...。」と優勝インタビューで言葉を詰まらせたウィズーレ。2位にはフェルストリンゲが入り、3位争いのスプリントはティボー・ネイス（ベルギー）が先着。ベルギーが2000年以来21年ぶりに男子U23レースの表彰台を独占することに成功している。

一方オランダはメース・ヘンドリクスを4位に送り込むのがやっと。昨年勝者カンプは6位に、一昨年勝者ロンハールは8位に終わった。