UCI(国際自転車競技連合)が、スイスで開催不可能となった2020年ロード世界選手権の代替地を発表。イタリア北部エミリア・ロマーニャ州のイモラが男女エリートのアルカンシエルを決める大舞台となる。



直近では2015年、2018年のジロ・デ・イタリアの区間フィニッシュ地点となったイモラサーキット直近では2015年、2018年のジロ・デ・イタリアの区間フィニッシュ地点となったイモラサーキット photo:Kei Tsuji
UCI本拠地を置くスイスのエーグルとその周辺を舞台に開催されるはずだった2020年のロード世界選手権。しかしスイス連邦政府が1000人を超えるイベントの開催禁止措置を引き延ばしたことでスイス開催がキャンセルに。一時は世界選自体の中止も危惧されていたが、北イタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるイモラが救いの手を差し伸べた。

UCIによればエーグル同等のコース難易度や資金力を持つ開催地候補は4箇所あったが、最終的にはイモラとフランスのラ・プランシュ・デ・ベルフィーユの二択に。1968年の世界選手権開催や過去数度ジロ・デ・イタリアのフィニッシュを迎えてきた実績が買われ、イモラが選出されたという。

今年の世界選手権は9月24日(木)から9月27日(日)までの4日間で開催され、男女エリートのロードレースと個人タイムトライアルのみでの開催となる。U23とジュニアの非開催理由は、新型コロナウイルスによる渡航制限が厳しく設定されており、イタリア入国が難しい国々に対する不平等を回避するため。一方男女エリート選手の大多数はすでにヨーロッパでレース活動を行っているため、不平等には当たらないというのがUCIの主張だ。

メイン会場となるのはイモラ市内にある全長5017mの高速サーキット「イモラ・サーキット」。1周28.8kmのコースが用意され、男子ロードレースはここを9周回する259.2km、女子は5周回144km。コースには2箇所の登坂区間(合計3km/平均勾配10%/最大勾配14%)が含まれ、獲得標高は男子が5000m弱、女子が2750mに達するパンチャーやクライマー向きレースとなる見込み。一方タイムトライアルは32kmで獲得標高200m(男女でコースは共通)というTTスペシャリスト向けの設定だ。

サーキット南側にある「トレ・モンティ」の丘サーキット南側にある「トレ・モンティ」の丘 photo:LaPresse
なお1968年のロード世界選手権ではサーキット南側の「トレ・モンティ」の丘(登坂距離4.3km/平均勾配4.2%)を含む全長15.3kmの周回コースが使用され、ジロ・デ・イタリアでは2015年第11ステージと2018年第12ステージでこのコースを踏襲している。

「短期間でイモラ組織委員会が作成した要項を評価している。この場所で開催されるロード世界選手権は、現在の世界情勢の中においても素晴らしいイベントとなることを確信している。過去大会の中でも最もチャレンジングなコースの一つであり、壮大なイベントとなるだろう」と、UCI会長のダヴィ・ラパルティアン氏はコメントを寄せている。
2020 UCIロード世界選手権日程
9月24日(木) 女子エリート個人タイムトライアル(32km)
9月25日(金) 男子エリート個人タイムトライアル(32km)
9月26日(土) 女子エリートロードレース(144km)
9月27日(日) 男子エリートロードレース(259.2km)
text:So.Isobe