3月15日に埼玉県の川越水上公園にて、ツール・ド・ジャパン2009 川越ステージが開催された。この大会は日刊スポーツ新聞社が主催する中野浩一V10メモリアル ツール・ド・ジャパン2009シリーズと、日本サイクルレーシングクラブ協会(JCRC)が主催するロードレースシリーズ戦の開幕戦となる。

F2クラスを走る選手たちF2クラスを走る選手たち
川越水上公園内に設けられた1.5kmのフラットな周回コースを舞台に、約800名の市民レーサーがシリーズ開幕戦を戦った。
シクロワイアードでは各クラスを制した優勝者の皆さんに、このレースを制することができたポイントを取材した。特に今回はポイントレース形式であり(一部カテゴリー除く)、ゴール前の一発スプリントだけでは勝つことはできない。優勝した選手たちはどのような練習や作戦で、レースに臨んだのだろうか?

Gクラスを独走で優勝した大塚和平さん (パインヒルズ90)Gクラスを独走で優勝した大塚和平さん (パインヒルズ90)

チームTT & Gクラス 優勝 大塚 和平さん (パインヒルズ90)
「練習も腹八分目がちょうど良い、それが長く楽しく続けるコツです。」



私にとって今日は今年初のレースでした。私の場合年間を通してコンスタントに練習していますので、今日は身体というよりは、気持ちの面で乗っていました。チームTTでは野崎君が絶好調でしたので、彼を中心に上手く分担できたのが良かったですね。

個人ロードはいつも勝つ事よりも楽しく、そして何歳になっても続けることを目標にしています。そのためにも練習はいつも精魂果てるまではせず、次の練習を楽しみにできる程度に留めるよう心がけています。食べ物と一緒で、練習も腹八分目がちょうど良いと思います。あと家族の支えがとても大切ですね。週末の練習はけじめをつけて、家族サービスもしています。こうすることで、家族もレースには気持ち良く送り出してくれます。



X1クラスの表彰台。手前中央が優勝した加藤雅史さんX1クラスの表彰台。手前中央が優勝した加藤雅史さん

X1クラス 優勝 加藤 雅史さん (Club Ciclista Kesennuma)
「JCRC初参加クラスですが、皆さん力ありますね。ゴール勝負に作戦変更しました。」



今日は仙台の自宅を深夜1時に出発し、400km移動して来ました。ロードレースは昔やって、2年位前にダイエットがてら、通勤として再開しました。XクラスはJCRC初参加の方が対象のレースですが、皆さん力ありますね。1度逃切ろうとしましたがダメだったので、ゴール勝負に作戦変更しました。これからは逃切れるような力をつけたいです。次回は第3戦のひたちなかステージにチャレンジしてみたいです。


X3クラスの表彰台。手前中央が優勝した鶴岡聖隆さんX3クラスの表彰台。手前中央が優勝した鶴岡聖隆さん

X3クラス 優勝 鶴岡 聖隆さん (チームBMレーシング)
「調子悪いと思っていましたが、意外と走れました。」


自転車は高校1年生の時に初めました。自転車歴はまだ1年半くらいです。スタート前は自信はありませんでしたが、レースになったら意外と走れて良かったです。ゴール前では勝てる自信も出てきました。今はつくばの耐久レースを目標に練習しています。これからのシリーズ戦も、いろいろ挑戦していきたいです。
Xクラスを走る選手たちXクラスを走る選手たち

F2クラス 優勝 千葉 靖彦さん (FORZA・フォルツァ!)
「今日は思った通りの展開、努力した成果を出すことができました。」



F1クラスの表彰台F1クラスの表彰台 ロードレースは今回が5回目、JCRCは2回目ですが今日が初の表彰台だったので、とても嬉しいです。今日のレースは思った通りの展開で、日頃努力した成果を出す事ができました。練習は毎週末と、平日も仕事の後に走っています。今年はJCRCを中心に頑張ります。一つでも上のクラスを目指しながら、年間成績でも良い結果が残せるよう頑張ります。
F1クラスを走る選手たちF1クラスを走る選手たち


E2クラスの表彰台。手前中央が優勝した東 修さんE2クラスの表彰台。手前中央が優勝した東 修さん

E2クラス 優勝 東 修さん (いそや友の会)
「良い位置取りをすることを作戦に、ずっとイメージトレーニングしてきました」



今日は積極的な走りを心掛けました。落車のリスクも少なくしたかったのでなるべく先頭に位置するようにして、下がっても5番手くらいまでに留めつつ、脚を回復させました。良い位置取りをすることを作戦に、ずっとイメージトレーニングしてきました。最後のスプリント勝負にはあまり自信が無かったので、細かくポイントを取りました。次はひたちなかステージを照準にしていきます。


Dクラスの表彰台。手前中央が優勝した佐藤直哉さんDクラスの表彰台。手前中央が優勝した佐藤直哉さん

Dクラス 優勝 佐藤 直哉さん (RINKYUBIN RACING)
「ポイントを取る周回を絞りました」


スタート前には少しは自信があったのですが、走ってみると心拍も上がってしまい、きびしいレースでした。位置取りも難しかったですね。全体の1/3くらいのポイントを取らないと勝てないと思っていたので、ポイントを取る周回を絞りました。でもこれから上のクラスだと、もっと頑張らないと勝てないでしょうね。私はメッセンジャーなので、仕事も練習になります。仕事では50~80kmくらい、多い日には100kmくらい走ります。最近は天気が悪く、あまり走れていなかったので不安でしたが、ギリギリ勝てました。今後はもう少し体重を絞って、次のレースに向けて頑張ります。
Dクラスを走る選手たちDクラスを走る選手たち


カメラマンに応えるCクラスの入賞者たち。前列中央が優勝した里 誠さんカメラマンに応えるCクラスの入賞者たち。前列中央が優勝した里 誠さん

Cクラス 優勝 里 誠さん (Team Lonely Wolf)
「常に集団の前方に位置しました」


ポイントレースなのでインターバルできつかったですね。ですが常に集団の前方に位置するようにしました。後方に下がってしまうと、集団の前に上がるだけでも大変ですからね。平地が得意なタイプなので、今日は勝つつもりで練習を積んできました。シリーズ戦ですので、これからも頑張っていきます。


Aクラスで優勝した小森 裕幸さんと流通経済大学関係者の皆さんAクラスで優勝した小森 裕幸さんと流通経済大学関係者の皆さん

Aクラス 優勝 小森 裕幸さん (流通経済大学)
「日ごろの練習の成果を出し切りました」



今は大学生(流通経済大学)なので、普段は大学の仲間と一緒に走っています。練習時間は毎日4時間くらいです。
今日のレースは、とにかく日ごろの練習の成果を出し切れたことがポイントだと思います。今日の結果はとても嬉しいですがこれに満足せず、次に繋げていきたいです。今年はこのツール・ド・ジャパンやJCRCシリーズにも出て行きますが、一番の目標は大学生の大会での全国制覇。これを最大の目標に頑張ります。


Sクラスの表彰台Sクラスの表彰台

Sクラス 優勝 奈良 浩さん (チーム物見山)
「展開を見ながら、小さなことからコツコツとポイントを稼ぎました」



今日のレースは狙っていました。途中逃げもありましたが、このコースとメンツで逃切るのは難しいですね。逃げグループができても、後方の集団でポイントを重ねるようにしました。レースの展開を見ながら、小さなことからコツコツと稼ぎました。山を掛けることはせず、ほとんどの周回でポイントを取る事ができました。今年の目標は実業団レースで活躍したいですね。制度も新しくなったし、チームも“チバポンズかわぐち農園F&E“としてメンバーが充実しました。チームとしても個人としても、今まで以上に活躍したいですね。

毎回ポイントを重ねた奈良浩選手 (チーム物見山)毎回ポイントを重ねた奈良浩選手 (チーム物見山)
チームTTの表彰台チームTTの表彰台

皆さんおめでとうございました。各クラスの熱戦の模様は60カット以上の写真で楽しめるフォトギャラリーでお楽しみください!

ツール・ド・ジャパンの第2戦は6月13~14日の三宅島ステージ、JCRCロードレースシリーズ戦の第2戦は3月21日の修善寺ステージ。詳しくはツール・ド・ジャパン及びJCRCのホームページでチェックを!

text & photo 福島治男