「なんかグラインデューロってよく聞くけど、一体全体なんなのさ!」そんな声に応えるプレイベントが東京で開催された。各関係者に聞いたイベントの概要や、楽しみ方、バイクセットアップのハウツーなど、参加へのお役立ち情報満載で紹介します。



開催に向けて機運が高まるグラインデューロ・ジャパン開催に向けて機運が高まるグラインデューロ・ジャパン (C)Nobuhiko Tanabe
これまで、これやらこれやら、これやらこれやらシクロワイアードでも幾度となく取り上げてきたアメリカ発祥のグラベルイベント、GRINDURO(グラインデューロ)。日本での第一回大会の要項が発表され、開催に向けて機運が高まる7月26日、東京都内でイベントをおさらいするプレイベントが開催された。プレゼンターは過去に本国開催の大会を走った森本禎介さん(TKC Productions)と、須崎真也さん(ABOVE BIKE STORE)。飯山市の観光局の方もトークと美味しい日本酒で地元のアピールに務めた。

昨年のクインシー大会に参加した宮下さん(上記参照)の言葉を借りれば、グラインデューロとはつまり、「アウトドアフェス」。もちろんライド中心ではあるものの、キャンプあり、食事あり、ライブ演奏あり、そしてアートショーありと、例え自転車に乗らずとも楽しめる総合イベントなのだ。元々はヘルメットやシューズでおなじみのジロ本社スタッフのアイディアが形になったものだが、その勢いは今やアメリカを飛び出し、今年はスコットランド、カナダ、アメリカ、そして日本と4カ国で開催されるまでに至った。

プレゼンターを務めた森本禎介さん(TKC Productions)プレゼンターを務めた森本禎介さん(TKC Productions) photo:So.Isobe会場には試走の様子を収めたフォトギャラリーも会場には試走の様子を収めたフォトギャラリーも photo:So.Isobe

大会メインスポンサーはサルサが務める。グラインデューロ向きにカスタムできるドロップハンドルにも注目大会メインスポンサーはサルサが務める。グラインデューロ向きにカスタムできるドロップハンドルにも注目 photo:So.Isobe
スチールモンスタークロスのFARGO。29erにドロップハンドルを組み合わせた注目の一台スチールモンスタークロスのFARGO。29erにドロップハンドルを組み合わせた注目の一台 photo:So.Isobeこちらはグラベルツーリングバイクの「VAYA」。カラーもグラインデューロにぴったりこちらはグラベルツーリングバイクの「VAYA」。カラーもグラインデューロにぴったり photo:So.Isobe


事前の発表通り、グラインデューロジャパンの日程はジャパンカップ1週間前の10月12日(土)。新潟県妙高市の斑尾高原周辺を舞台にし、舗装路、グラベル、そしてシングルトラックと変化に富んだコースを駆け抜ける。コースは距離80km/獲得標高2000mと距離40km/獲得標高1000mの2つが用意されており、クルマのラリーレース、あるいはMTBのエンデューロレースよろしく、4つのセグメントのタイム計測の合計によって成績が付けられる。ただし、「大切なのは成績ではなく、いかに楽しむかなんです」と、過去に本国大会へと参加し、今回の運営に関わるダイアテックの加納慎一郎さんは言う。

MTB競技が盛んな飯山周辺もコースに組み込まれ、周辺地域が一体となって大会をバックアップする。そのため普段はトレイルランやハイキング用として使われるシングルトラックを下ったり、あるいはスキー場のゲレンデを直登したりと変化に富んだコースが用意される。そしてもちろん、コメどころだけあって当日は地酒の振る舞いも。コースの詳細は大会1ヶ月前に発表されるという。

コースにはシングルトラックの下りも含まれる。詳細発表は大会1ヶ月前というコースにはシングルトラックの下りも含まれる。詳細発表は大会1ヶ月前という (c)Nobuhiko Tanabe
Raphaも来会スポンサーの一つ。サコッシュは大会会場でしか手に入らないというRaphaも来会スポンサーの一つ。サコッシュは大会会場でしか手に入らないという photo:So.Isobe全日本マスターズXCO王者に輝いたばかりの山本和弘さんもファブリックのPRのために来場全日本マスターズXCO王者に輝いたばかりの山本和弘さんもファブリックのPRのために来場 photo:So.Isobe


グラベルロードはもちろん、MTBやシクロクロスなど、基本的にオフロードバイクであれば何でも走れるが、急勾配の登りやシングルトラックの下り用意されているため、バイクにはそれなりの対策を施すのが◎。グラベルロードやシクロクロスならばできる限り軽いギアとワイドタイヤを装備するのが安心だ。例えばオフィシャルスポンサーを務めるサルサには下ハンドル部分が広がったハンドルバーもラインナップされており、シングルトラックの下りでの安定感を増すには良い選択肢となるはず。

エントリー料金は2コースとも28,000円。それだけ聞けば高い!と思うかもしれないが、2泊分のキャンプサイト(テントやキャンプグッズは含まれない)と土曜日夜のパーティー参加費+1ドリンク+食事、当日の朝食、昼食も込みだから実際のところはかなりリーズナブル。イベントを走らない場合も+4000円でキャンプサイトを確保できるので、エントリーに漏れてしまった方も現地に足を運ぶべきだろう。

ジロはグラインデューロの発起人。スタイルと性能を両立する製品が揃うジロはグラインデューロの発起人。スタイルと性能を両立する製品が揃う photo:So.Isobe会場には試走の様子を収めたフォトギャラリーも会場には試走の様子を収めたフォトギャラリーも photo:So.Isobe

信越五高原全体でグラインデューロをバックアップ。大会本番でも地酒が振舞われるという信越五高原全体でグラインデューロをバックアップ。大会本番でも地酒が振舞われるという photo:So.Isobeグラインデューロ・ジャパンオリジナルのソックスとグローブも準備されているグラインデューロ・ジャパンオリジナルのソックスとグローブも準備されている photo:So.Isobe


会場入り自体は当日土曜日早朝でもOKだが、それはあまりにも勿体無い。前日金曜日には酒蔵巡りツアーや前夜祭も開催されているのでぜひその心算で。日曜日は基本的にフリープランなので、友達や友達になった人たちと一緒に足ほぐしライドに出かけるのも良いだろう。せっかくなら3日間全力でグラインデューロを楽しみたい。以下は会場で話を聞いた加納慎一郎さん(ダイアテック)のコメントだ。

「本国から"日本で開催したい!"とラブコールを受けていましたが、ようやく開催にこぎつけることができました。情報をアップする度にジロ本社含めあちこちから良い反応をもらいますし、日本はもちろん海外からも期待する声はすごく多いですよ。

加納慎一郎さん(ダイアテック):「参加する人も、走らない人も全員が楽しめるイベントを作り上げたい」加納慎一郎さん(ダイアテック):「参加する人も、走らない人も全員が楽しめるイベントを作り上げたい」 photo:So.Isobe
今回は80km/2000mと40km/1000mと2カテゴリーを用意しましたが、私が試走した感じ、この数字よりも若干キツい(笑)。日本独特の急勾配もあるし、スキー場のゲレンデを直登する場所もあるし、シングルトラックの下りもあるし、場所によっては荒れた路面もあります。未舗装路率は70%ぐらいですのでオフロード対策は万全にして下さいね。

今まで日本のレースイベントって、正直言えばただ走るだけ。ゴールしたらそのまま帰路についてしまうのが普通ですが、グラインデューロはそうではありません。参加する人だけじゃなくて、その友達も含めた全員が楽しめるイベントを作り上げたい。これまでのどのグラインデューロとも違う大会になると思います。期待していて下さいね」。



エントリーは本日7月27日(土)の昼12:00に世界同時スタート

エントリーは7月27日(土)の昼12:00に世界同時スタートする。定員350名で、海外枠は50名。さらに本日開催された一般プレイベントでは抽選で選ばれた50名が事前エントリー済みなので、残るは僅か250枠のみ。本日開催の事前イベントも130名もの参加があったとのことで、エントリーも瞬時に埋まってしまう可能性が高い。後世に語り告げる(?)グラインデューロ・ジャパン初回大会を見逃す手は無い。

text:So.Isobe

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