2010年4月14日、ベルギー・フランドル地方で第50回ブラバンツ・ペイル(UCI1.1)が開催され、逃げを成功させた3名によるスプリント勝負でセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)が優勝した。昨年大会70位の新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)は途中リタイアに終わった。

フレイレのために集団を牽引するラボバンクフレイレのために集団を牽引するラボバンク photo:Cor Vos「ブラバントの矢」を意味するブラバンツ・ペイルは、フランドル地方を舞台にしたセミクラシックレース。昨年までロンド・ファン・フラーンデレン直前の水曜日に開催されていたが、今年からアムステル・ゴールドレース直前の水曜日に移行した。

合計24の短い上りを含む全長200kmのレース。積極的にアタックしたユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)にロセレルらが追いつき、序盤からレース先頭では6名の逃げグループが形成された。

追走グループを形成したビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)追走グループを形成したビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) photo:Cor Vos最大8分40秒のリードを得た逃げグループだったが、レースの進行とともにメンバーが減少。最終的にはロセレル、ファンデワール、トーマス・デヘント(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)の3名に。

メイン集団はラボバンクやオメガファーマ・ロットが牽引したが、ロセレルらを捕らえることが出来ない。フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)らが追走グループを形成して先頭3名を追ったが、タイム差は最後まで縮まらなかった。

3名でのスプリントを制したセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)3名でのスプリントを制したセバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック) photo:Cor Vos最後は先頭3名によるスプリントに持ち込まれ、ロセレルが勝利。レディオシャックはブエルタ・アル・パイスバスコでのクリストファー・ホーナー(アメリカ)の総合優勝に続く活躍で、波に乗っている。

今シーズン2勝目を飾った「セバ」ことロセレルは、レディオシャック公式サイトのプレスリリースの中で「今日は一日中自分の走りに徹した。ゴールまで距離を残してアタックすることも考えたけど、3人でまとまって走るのが得策だと判断した。単独で追撃を振り切るのは無理だったと思う。今日は序盤から脚が重くて、テレビの露出を上げるために逃げに乗ったようなもの。集団に吸収されると思っていたのにこの結果。本当に信じられないよ」とコメントしている。ロセレルは今週末から始まる「アルデンヌ・クラシック」でエースを担うことになるだろう。

Bboxブイグテレコムの新城幸也は途中リタイア。ユキヤは翌日にフランスで開催されるグランプリ・ド・ドゥナン(UCI1.1)に出場予定だ。昨年集団スプリントに絡んで10位に入ったグランプリ・ド・ドゥナンで、ユキヤは存在感をアピール出来るか。自身のブログの中で「今度こそ!!」と意気込んでいる。

レース展開はベルギーのSporzaより。

ブラバンツ・ペイル2010結果
1位 セバスティアン・ロセレル(ベルギー、レディオシャック)       4h45'07"
2位 トーマス・デヘント(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
3位 ユルゲン・ファンデワール(ベルギー、クイックステップ)
4位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)                +43"
5位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 トマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)
7位 ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ)          +46"
8位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)    +57"
9位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)
10位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット)
DNF 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos