中級山岳コースが設定されたブエルタ・ア・アンダルシアの最終ステージでマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)がスプリント2勝目をマーク。総合優勝に輝いたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)が好調なカザフスタンチームにシーズン11勝目をもたらした。
談笑しながら走るステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)とヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:CorVos
ブエルタ・ア・アンダルシア2019第5ステージ photo:Vuelta Andalucía
内陸のオトゥラから山岳地帯を抜けてマラガ近郊のアラウリン・デ・ラ・トレまで、合計5つの3級山岳を含む163.9kmコースを走る『ルタ・デル・ソル』ブエルタ・ア・アンダルシア最終ステージ。獲得標高差が2,300mに達する中級山岳ステージだが、終盤の20kmはほぼ真っ平ら。スプリンターたちに再び出番が回ってきた。
山岳賞ジャージを着る前日のステージ優勝者サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が序盤から逃げる展開。最初の逃げの試みはメイン集団に引き戻されたが、再度アタックしたSイェーツがトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)、アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、オスカル・リースベーク(オランダ、ルームポット・シャルル)とともに逃げた。
連続する3級山岳でポイントを荒稼ぎした2018年ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のSイェーツは山岳賞トップの座を確定させる。強力なメンバーとともに逃げ切りを狙ったものの、アスタナが牽引するメイン集団が追撃。残り32km地点の3級山岳バレ・デ・ラ・ビダ峠の登りに差し掛かるとタイム差は1分を切った。
軽快なダンシングで急勾配の3級山岳を独走クリアしたSイェーツもメイン集団に吸収。カウンターアタックで飛び出したギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)やファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)も、残り20kmから始まる平坦区間で引き戻される。アスタナが徹底的に牽引するメイン集団からペトル・リクノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)が飛び出したものの、逃げは残り3km地点で全て吸収された。
残り2.5kmから先に待つのは、合計6個のラウンドアバウト(ロータリー)と、フィニッシュラインまで300mにわたって続く平均勾配6.5%のストレート。ミッチェルトン・スコットとユンボ・ヴィズマを先頭に連続ラウンドアバウトをこなすと集団は一列棒状に。エドアルド・アッフィニ(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が先頭固定で弾き続け、最後のラウンドアバウトを抜けて登り基調のストレートに入った。
ポイント賞ジャージのティム・ウェレンス(ベルギー)にリードアウトされたトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)が好位置をキープしたが、その後ろからタイミングよくマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が発進する。抜群の加速力で一気に抜け出したヨーロッパチャンピオンジャージが、追い上げるエンリケ・サンス(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス)とカルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)を振り切った。
登りスプリントで2勝目を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
ステージ2勝目を飾ったマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos
第2ステージに続く2勝目を飾ったトレンティンは「残り2kmからラウンドアバウトが連続することを確認していたので、ステージ優勝するためには集団先頭を守る必要があるとメンバーに告げていた。そして彼らはその通りの走りでスプリントまで導いてくれたんだ。特にアッフィニの走りには脱帽だった。登りで集団から脱落しながらも復帰して、最後のラウンドアバウトまで強力に引いてくれた。プロ1年目の選手としては素晴らしい走りだった」とチームメイトたちの走りを讃える。好調さを確認したトレンティンはミッチェルトン・スコットのエースとしてベルギーのクラシックシーズンに挑む予定だ。
そして総合優勝はヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)の手に。アスタナは2月10日のバレンシアナ総合優勝以降、わずか2週間で怒涛の11勝をマーク。ステージ2勝&山岳賞のミッチェルトン・スコットとともに、今シーズン好調な2チームの活躍が目立つ5日間となった。
総合優勝に輝いたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) photo:CorVos
山岳賞を獲得したサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) photo:CorVos


内陸のオトゥラから山岳地帯を抜けてマラガ近郊のアラウリン・デ・ラ・トレまで、合計5つの3級山岳を含む163.9kmコースを走る『ルタ・デル・ソル』ブエルタ・ア・アンダルシア最終ステージ。獲得標高差が2,300mに達する中級山岳ステージだが、終盤の20kmはほぼ真っ平ら。スプリンターたちに再び出番が回ってきた。
山岳賞ジャージを着る前日のステージ優勝者サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が序盤から逃げる展開。最初の逃げの試みはメイン集団に引き戻されたが、再度アタックしたSイェーツがトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)、アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ)、オスカル・リースベーク(オランダ、ルームポット・シャルル)とともに逃げた。
連続する3級山岳でポイントを荒稼ぎした2018年ブエルタ・ア・エスパーニャ覇者のSイェーツは山岳賞トップの座を確定させる。強力なメンバーとともに逃げ切りを狙ったものの、アスタナが牽引するメイン集団が追撃。残り32km地点の3級山岳バレ・デ・ラ・ビダ峠の登りに差し掛かるとタイム差は1分を切った。
軽快なダンシングで急勾配の3級山岳を独走クリアしたSイェーツもメイン集団に吸収。カウンターアタックで飛び出したギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)やファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニジョカトリ・シデルメク)も、残り20kmから始まる平坦区間で引き戻される。アスタナが徹底的に牽引するメイン集団からペトル・リクノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)が飛び出したものの、逃げは残り3km地点で全て吸収された。
残り2.5kmから先に待つのは、合計6個のラウンドアバウト(ロータリー)と、フィニッシュラインまで300mにわたって続く平均勾配6.5%のストレート。ミッチェルトン・スコットとユンボ・ヴィズマを先頭に連続ラウンドアバウトをこなすと集団は一列棒状に。エドアルド・アッフィニ(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が先頭固定で弾き続け、最後のラウンドアバウトを抜けて登り基調のストレートに入った。
ポイント賞ジャージのティム・ウェレンス(ベルギー)にリードアウトされたトッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル)が好位置をキープしたが、その後ろからタイミングよくマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が発進する。抜群の加速力で一気に抜け出したヨーロッパチャンピオンジャージが、追い上げるエンリケ・サンス(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス)とカルロス・バルベロ(スペイン、モビスター)を振り切った。


第2ステージに続く2勝目を飾ったトレンティンは「残り2kmからラウンドアバウトが連続することを確認していたので、ステージ優勝するためには集団先頭を守る必要があるとメンバーに告げていた。そして彼らはその通りの走りでスプリントまで導いてくれたんだ。特にアッフィニの走りには脱帽だった。登りで集団から脱落しながらも復帰して、最後のラウンドアバウトまで強力に引いてくれた。プロ1年目の選手としては素晴らしい走りだった」とチームメイトたちの走りを讃える。好調さを確認したトレンティンはミッチェルトン・スコットのエースとしてベルギーのクラシックシーズンに挑む予定だ。
そして総合優勝はヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)の手に。アスタナは2月10日のバレンシアナ総合優勝以降、わずか2週間で怒涛の11勝をマーク。ステージ2勝&山岳賞のミッチェルトン・スコットとともに、今シーズン好調な2チームの活躍が目立つ5日間となった。


ブエルタ・ア・アンダルシア2019第5ステージ結果
1位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | 3:58:19 |
2位 | エンリケ・サンス(スペイン、エウスカディバスクカントリー・ムリアス) | |
3位 | カルロス・バルベロ(スペイン、モビスター) | |
4位 | トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・スーダル) | |
5位 | コリン・ジョイス(アメリカ、ラリーUHCサイクリング) | |
6位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) | |
7位 | フアンホセ・ロバト(スペイン、NIPPOヴィーニファンティーニ) | |
8位 | ラルス・ボーム(オランダ、ルームポット・シャルル) | |
9位 | エドゥアルド・プラデス(スペイン、モビスター) | |
10位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | |
84位 | 初山翔(日本、NIPPOヴィーニファンティーニ) | 0:01:02 |
個人総合成績
1位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 17:42:00 |
2位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 0:00:07 |
3位 | ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:11 |
4位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ) | 0:00:21 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 0:00:57 |
6位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) | 0:01:08 |
7位 | セルジオ・イギータ(コロンビア、フンダシオンエウスカディ) | 0:01:12 |
8位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) | 0:01:43 |
9位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:02:53 |
10位 | ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) | 0:03:41 |
ポイント賞
1位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 53pts |
2位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) | 50pts |
3位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | 49pts |
山岳賞
1位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 34pts |
2位 | アルバロ・クアドロス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) | 15pts |
3位 | ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ) | 12pts |
text:Kei Tsuji
photo:CorVos
photo:CorVos
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