2年後に迫った東京オリンピックのコース発表が東京都内で行われ、男女のコース詳細が発表された。男子は234km、女子は137kmで、いずれも東京府中市の武蔵野の森公園をスタートし、富士スピードウェイにフィニッシュする。



東京2020組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏、選手強化委員長の中野浩一氏が出席して行われたコース発表会東京2020組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏、選手強化委員長の中野浩一氏が出席して行われたコース発表会 photo:Satoru Kato
2020年東京オリンピックのロードレースは、東京都内をスタートして富士スピードウェイにフィニッシュすることは既に発表されている通りだが、今回コースの詳細が発表された。発表会には、東京2020組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏、日本自転車協会選手強化委員長の中野浩一氏が出席して行われた。

男子ロードレースのマップと高低図。234km、獲得4865mという過酷な長丁場となる男子ロードレースのマップと高低図。234km、獲得4865mという過酷な長丁場となる (c)Tokyo 2020女子ロードレースのマップと高低図。137kmで獲得標高は2692mに及ぶ女子ロードレースのマップと高低図。137kmで獲得標高は2692mに及ぶ (c)Tokyo 2020

終盤は富士山スカイラインを登り、激坂三国峠を経由して籠坂峠をダウンヒル。そして富士スピードウェイにフィニッシュする終盤は富士山スカイラインを登り、激坂三国峠を経由して籠坂峠をダウンヒル。そして富士スピードウェイにフィニッシュする (c)Tokyo 2020スタート地点となる武蔵野の森公園周辺のコース。男女共通のルートを使うスタート地点となる武蔵野の森公園周辺のコース。男女共通のルートを使う (c)Tokyo 2020


スタートは府中市の武蔵野の森公園。10kmのパレードののち、稲城市、多摩市、八王子市を通って神奈川県へ。相模原市、山北町を経て山梨県内に入ると、山間を走る「道志みち」から山岳区間に突入。山中湖の西側を回って南下し、富士山スカイラインへ。ここでコース最高点となる標高1451mの「富士山麓」山岳ポイントを通過する。下った後は富士スピードウェイと周辺道路で構成された周回コースを2周。コースを出て最大斜度20%の三国峠を登り、山中湖の東側を回って籠坂峠をダウンヒルし、富士スピードウェイに戻ってフィニッシュとなる。

女子は富士山麓と三国峠を除いたコースとなり、山中湖から籠坂峠を下って富士スピードウェイにフィニッシュする。

獲得標高差は、男子は4,865m、女子は2,692m。特に男子は、標高1,000m以上の峠を5つ越えるという近年まれに見るハードなコース設定だ。

山岳区間入り口となる「道志みち」山岳区間入り口となる「道志みち」 (c)Tokyo 2020コースとなる山中湖周辺コースとなる山中湖周辺 (c)Tokyo 2020

コース決定の経緯について説明する東京2020組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏コース決定の経緯について説明する東京2020組織委員会スポーツディレクターの室伏広治氏 photo:Satoru Kato選手強化委員長の中野浩一氏「もう少し日本人選手にやさしいコースにしてもらいたかった」選手強化委員長の中野浩一氏「もう少し日本人選手にやさしいコースにしてもらいたかった」 photo:Satoru Kato

コースについては、一度は皇居前スタート・フィニッシュで設定されたが、アップダウンの少ないコースで集団フィニッシュとなることをIOCが懸念。技術的に優れた者を勝者と出来ることと、富士山周辺を活用した「日本らしさ」を出せるコース設定の要望を受け、今回のコースが決まった。

発表会に同席した日本自転車競技連盟選手強化委員長の中野浩一氏は、「率直に言って日本人には厳しいコース設定となったが、決まった以上は選手の皆さんに努力していただき、なるべく良い成績をおさめてもらいたい」とコメント。

また、UCIのダヴィ・ラパルティアン会長はプレスリリースの中で以下のようにコメントしている。「オリンピックタイトルはあらゆるスポーツ選手にとっての目標であり、東京五輪のチャレンジングで壮大なコースは世界屈指のレーサーたちをふるい分けるだろう。富士五湖地域といった日本のアイコンとも言える場所で、沿道やテレビで観戦するファンに息を呑むような映像を届けることを保証する」。

男子はオリンピック初日の7月25日(土)午前11時スタート。女子は7月26日(日)午後1時スタート。男子は130人、女子は67人が出場する。

text:Satoru.Kato

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