第2回目のハンマーシリーズがノルウェーで開幕。好調ミヒャエル・アルバジーニ(スイス)の活躍が目立ったミッチェルトン・スコットが圧倒的なポイントで首位発進に成功した。



2つの連続した登坂の先に用意されたフィニッシュライン2つの連続した登坂の先に用意されたフィニッシュライン (c)www.hammerseries.com
ツール・ド・フィヨルドに続く連続イベントとして、ノルウェーでハンマーシリーズ・スタヴァンゲルが開幕した。昨年初開催されたことで話題を呼び、2018年は合計3回予定される同イベントは、今年も「ハンマークライム」「ハンマースプリント」「ハンマーチェイス」という独自の3レース/3日間を組み合わせて最終的なチーム成績を争う。

ハンマークライム(8.4km×9周半=79.2km)とハンマースプリント(9.2km×10周=92km)は毎周回ごとにポイントが設定されたポイントレース形式のレースで、毎周回フィニッシュライン通過時の上位10名選手にポイントが与えられ、3周目、6周目、10周目は2倍ポイント。総合ポイントで順位が争われ、上位10チームには最大15秒のボーナスタイムが与えられる。ポイント配分は以下の通り。
ハンマークライム/ハンマースプリント ポイント配分
1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位
100pts 81pts 66pts 53pts 43pts 35pts 28pts 23pts 19pts 15pts
大会の広報役を務めるアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)大会の広報役を務めるアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ) (c)www.hammerseries.com
スタート直後からアタックが連発するハイスピードな展開にスタート直後からアタックが連発するハイスピードな展開に (c)www.hammerseries.com
最終日に開催されるチームタイムトライアル形式のハンマーチェイス(16.2km×3周=48.9km)は2日間の総合上位チームから順に、規定のタイム差にボーナスタイムを反映させたタイム差をつけて順番にスタート。先頭でフィニッシュラインを駆け抜けたチームが総合優勝に輝く方式だ。昨年はサンウェブとチームスカイが一塊のままゴールに飛び込み、最後尾の選手が先着したチームスカイが初のハンマーシリーズ王者に輝いている。

今大会には10のUCIワールドチーム(スカイ、サンウェブ、ミッチェルトン、ロット・スーダル、ロットNLユンボ、トレック、BMC、クイックステップ、EFエデュケーション、UAE)と、4のUCIプロコンチネンタルチーム(アクアブルー、カハルーラル、イスラエル、NIPPO)というチームが揃った。別府史之(トレック・セガフレード)と小林海(NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ)が顔を揃えたほか、参加チームはエントリーした7名の中からそれぞれの種目に適した5名を選出する。

初日のハンマークライムはスタヴァンゲル市街地の南15kmにある街サンドネスに用意されたコースを周回した。連続した2つの登り(登坂距離800m/平均勾配6.8%/最大勾配11%と、1000m/5.8%/9%)が用意され、2つ目の登り頂上にフィニッシュラインが引かれている。

序盤はトレック・セガフレードが積極的に動いた序盤はトレック・セガフレードが積極的に動いた (c)www.hammerseries.com
積極的にポイントを重ねたミッチェルトン・スコット積極的にポイントを重ねたミッチェルトン・スコット (c)www.hammerseries.com
短距離・短時間のポイントレースという性格上パレードランを終えた直後からアタックが頻発。昨年のハンマースプリントで優勝したものの、初日にポイントを稼げず9〜16位争いに回ってしまった反省を踏まえたトレック・セガフレードが積極的に仕掛けたが、ジャンニ・モスコン(イタリア、チームスカイ)が先頭通過してスカイに100点を献上。続く2周目はアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNLユンボ)が、2倍得点の3周目はスヴェンエリック・ビストラム(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が先頭通過。この時点でなるべく多くのメンバーを得点圏内に送り込んだミッチェルトン・スコットが首位に立った。

すると直前のツール・ド・フィヨルドで総合優勝したミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)が単独逃げを開始し、追いついてきたトルホークを下して4周目を先頭通過。そのままトルホークと共に逃げ続けたアルバジーニは5周回目、ポイント2倍の6周目にも先頭通過したため、この折り返し地点でミッチェルトン・スコットは2位のBMCレーシングに対してダブルスコアを付けることとなった。

先頭2人はメイン集団に対して40秒差で逃げ続け、続く7周目にもアルバジーニが、8周目にはようやくトルホークがアルバジーニに一矢報いて100ポイントを獲得する。やがてハイペースで追走する集団が2人を飲み込んだものの、ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、サンウェブ)の後ろでまたしてもアルバジーニが粘って2位通過。クラークアンデルセンは最終周回を全て逃げ切ったが、ミッチェルトン・スコットはルーカス・ハミルトン(オーストラリア)を追走に出して2位フィニッシュに成功。最終的に僅差のポイント争いを繰り広げた2位(サンウェブ、645ポイント)以下に対し、ミッチェルトン・スコットは1498ポイントという圧倒的な強さを見せて初日を終えた。

チームメイトと喜び合うミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)チームメイトと喜び合うミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット) (c)www.hammerseries.com
首位発進したミッチェルトン・スコット首位発進したミッチェルトン・スコット (c)www.hammerseries.com
「僕はもう今日で終わりなので後先考えずに全力でプッシュした」とは、大量得点に大きく貢献したアルバジーニ。「大量ポイント獲得に貢献できて良かった。ダウンヒル区間は向かい風だったので全く楽できないタフレースだった。一人が逃げる以外にも複数名で得点を狙う方が良い場合もあるので、臨機応変に対処しながら走ってもらいたいね」と語っている。

昨年大会の経験を踏まえ、各チームが戦略的に動いたことが特徴だったハンマーシリーズ初日。ミッチェルトン・スコットの総合力が目立った一方、アクアブルースポートやEFエデュケーションファースト・ドラパックは苦戦。獲得ポイントも二桁止まりと苦しい初日発進となってしまった。
ハンマーシリーズ・スタヴァンゲル2018 ハンマークライム結果
1位 ミッチェルトン・スコット 1498pts
2位 サンウェブ 645pts
3位 ロットNLユンボ 624pts
4位 チームスカイ 540pts
5位 クイックステップフロアーズ 441pts
6位 BMCレーシング 421pts
7位 ロット・スーダル 372pts
8位 NIPPOヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ 363pts
9位 トレック・セガフレード 325pts
10位 UAEチームエミレーツ 258pts
11位 カハルーラル・セグロスRGA 188pts
12位 イスラエルサイクリングアカデミー 175pts
13位 アクアブルースポート 53pts
14位 EFエデュケーションファースト・ドラパック 28pts
text:So.Isobe
photo:CorVos
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