最大勾配20%に達する1級山岳で、この日誕生日のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が独走勝利。総合首位へと浮上し、優勝に向けて王手を掛けた。
ボルタ・ア・ヴァレンシアナ2017第4ステージコースプロフィール
シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)を含む逃げメンバー photo:CorVos
ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ)をマークするナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
最後まで逃げたローソン・クラドック(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) photo:CorVos
単独で頂上に辿り着いたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos迎えたボルタ・ア・ヴァレンシアナ(UCI2.1)最難関のクイーンステージは、ヴァレンシアの山間地帯を渦巻き状に駆け巡る180.9kmで、序盤から2級、2級、1級、3級とカテゴリー山岳を繋ぎ、最後は激坂を経由して崖上に築かれた街ルセーナ・デル・シドへと至る1級山岳を駆け上がるもの。
総獲得標高が4000mにものぼるこのステージで逃げたのは、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やイゴール・アントン(スペイン、ディメンションデータ)やシリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)ら豪華メンバー。この日27回目の誕生日を迎えたナイロ・キンタナ(コロンビア)の必勝体制を組むモビスターが集団のコントロールを担い、4分ほどのリードを与えながらレースが推移していった。
逃げグループの中で積極的な走りを見せたのはゴティエだった。逃げる中で通過した全てのカテゴリー山岳頂上を先頭通過し、ヨハン・ファンジル(南アフリカ、ディメンションデータ)が首位をキープしていた山岳賞で首位に浮上する。
後半になるとワウト・プールス(オランダ)をエースに据えるチームスカイがペースメイクに加担したことでタイム差は見る間に縮まり、残り30kmで1分。残り10kmを切るといよいよモビスター勢が本格的なペースアップを行い、集団の人数も急速に絞り込まれていった。
すると逃げメンバーを30秒前に置いた残り4km地点でキンタナが攻撃を開始。一発でアタックを決めると、フォローできたのはメルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)ただ一人だけ。「全力を尽くしたけれど、あの急勾配では僕に勝ち目は無かった」と語る総合リーダーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を置き去りにして先を急いだ。
涼しげな表情で登るキンタナからはやがてクドゥスも千切れ、その勢いは時折20%を超える簡易舗装の激坂区間でも全く衰えることを知らなかった。そのままクドゥスを40秒、マヌエル・アントゥネス(ポルトガル、W52FCポルトカナル)を45秒、プールスを48秒引き離してフィニッシュ。総合順位でも13秒差で首位に立ち、誕生日に総合優勝への王手を掛けた。
「今日はほぼほぼパーフェクトに運んだ。まだシーズン序盤で身体の調子を見ながら走ったが、結果的には良かった。急勾配区間でも脚は軽かったし、バースデーウィンだったので余計に嬉しく思う。」と振り返るキンタナ。しかし今後に関しては「ロードシーズンは始まったばかりで、今日のレースが上手くいっただけなのでライバルに対して優位を見せ付けたことにはならない。これから練習プランを組み立て直して、グランツアーに向けてより調子を高めていきたい」と慎重だ。
またこの日はチーム右京のベンジャミン・プラデスとサルヴァドール・グアルディオラ(共にスペイン)、徳田鍛造が途中でリタイアしている。
黄色いリーダージャージを着用したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos
ボルタ・ア・ヴァレンシアナ2017第4ステージ結果
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 5h02’19”
2位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +40”
3位 マヌエル・アントゥネス(ポルトガル、W52FCポルトカナル) +45”
4位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) +48”
5位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +57”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +1’07”
7位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
8位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) +1’10”
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’13”
10位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +1’17”
個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 14h20’26”
2位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング) +13”
3位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング) +32”
4位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) +52”
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +1’09”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’42”
7位 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1’53”
8位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) +2’12”
9位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +2’13”
10位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) +2’25”
山岳賞
1位 シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
ヤングライダー賞
1位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング)
チーム総合成績
1位 モビスター
text:So.Isobe
photo:CorVos





総獲得標高が4000mにものぼるこのステージで逃げたのは、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)やイゴール・アントン(スペイン、ディメンションデータ)やシリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)ら豪華メンバー。この日27回目の誕生日を迎えたナイロ・キンタナ(コロンビア)の必勝体制を組むモビスターが集団のコントロールを担い、4分ほどのリードを与えながらレースが推移していった。
逃げグループの中で積極的な走りを見せたのはゴティエだった。逃げる中で通過した全てのカテゴリー山岳頂上を先頭通過し、ヨハン・ファンジル(南アフリカ、ディメンションデータ)が首位をキープしていた山岳賞で首位に浮上する。
後半になるとワウト・プールス(オランダ)をエースに据えるチームスカイがペースメイクに加担したことでタイム差は見る間に縮まり、残り30kmで1分。残り10kmを切るといよいよモビスター勢が本格的なペースアップを行い、集団の人数も急速に絞り込まれていった。
すると逃げメンバーを30秒前に置いた残り4km地点でキンタナが攻撃を開始。一発でアタックを決めると、フォローできたのはメルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ)ただ一人だけ。「全力を尽くしたけれど、あの急勾配では僕に勝ち目は無かった」と語る総合リーダーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)を置き去りにして先を急いだ。
涼しげな表情で登るキンタナからはやがてクドゥスも千切れ、その勢いは時折20%を超える簡易舗装の激坂区間でも全く衰えることを知らなかった。そのままクドゥスを40秒、マヌエル・アントゥネス(ポルトガル、W52FCポルトカナル)を45秒、プールスを48秒引き離してフィニッシュ。総合順位でも13秒差で首位に立ち、誕生日に総合優勝への王手を掛けた。
「今日はほぼほぼパーフェクトに運んだ。まだシーズン序盤で身体の調子を見ながら走ったが、結果的には良かった。急勾配区間でも脚は軽かったし、バースデーウィンだったので余計に嬉しく思う。」と振り返るキンタナ。しかし今後に関しては「ロードシーズンは始まったばかりで、今日のレースが上手くいっただけなのでライバルに対して優位を見せ付けたことにはならない。これから練習プランを組み立て直して、グランツアーに向けてより調子を高めていきたい」と慎重だ。
またこの日はチーム右京のベンジャミン・プラデスとサルヴァドール・グアルディオラ(共にスペイン)、徳田鍛造が途中でリタイアしている。

ボルタ・ア・ヴァレンシアナ2017第4ステージ結果
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 5h02’19”
2位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +40”
3位 マヌエル・アントゥネス(ポルトガル、W52FCポルトカナル) +45”
4位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) +48”
5位 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNLユンボ) +57”
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +1’07”
7位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング)
8位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) +1’10”
9位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’13”
10位 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +1’17”
個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 14h20’26”
2位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、BMCレーシング) +13”
3位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング) +32”
4位 ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) +52”
5位 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +1’09”
6位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、アスタナ) +1’42”
7位 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1’53”
8位 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNLユンボ) +2’12”
9位 メルハウィ・クドゥス(エリトリア、ディメンションデータ) +2’13”
10位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター) +2’25”
山岳賞
1位 シリル・ゴティエ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディアール)
ヤングライダー賞
1位 マヌエル・センニ(イタリア、 BMCレーシング)
チーム総合成績
1位 モビスター
text:So.Isobe
photo:CorVos
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