E1はリンク東北と弱虫ペダルの激しい攻防の末、渡邉正光(LinkTOHOKU)が圧勝。唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)は10kmを独走優勝。JPTスペシャルクリテは福田真平(愛三工業レーシングチーム)が制した。



E1 渡邉正光(LinkTOHOKU)がスプリントを制し優勝E1 渡邉正光(LinkTOHOKU)がスプリントを制し優勝 photo:Hideaki TAKAGI
宮城県で初開催のJBCFレース

宮城県では初開催となるJBCFレースが9月19日(日)に仙台市内で行われた。「せんだいサイクルフェスティバル」の一環として行われたもので、Jエリートツアー、Jフェミニンツアーに加え、エキシビションレースとしてJPTスペシャルクリテリウムも行われた。仙台を拠点とするJプロツアーチームのエルドラード東北の運営会社も主催者の一つだ。

キッズサイクルスクールも盛況キッズサイクルスクールも盛況 photo:Hideaki TAKAGIE2 卸商団地を通るコース設定E2 卸商団地を通るコース設定 photo:Hideaki TAKAGI

会場はJR仙台駅から東へ約5km、地下鉄東西線卸町駅から徒歩7分とアクセス至便な卸商団地周辺で、コースはT字型の往復で1周2.15kmの平坦なもの。180度ターンが3か所など、コーナリングと加速、位置取りなど必要なまさにクリテリウムらしいコースだ。キッズサイクルスクールや飲食ブースもあり、終日雨模様にもかかわらず大勢の観客が集まった。

E1はリンク東北と弱虫ペダルの激しい攻防に

E1クラスタは17周36.5km、序盤の逃げに2回にわたってブリッジしたメンバーにより競われた。ここに3人ずつ送り込んだLinkTOHOKUと弱虫ペダルサイクリングチームの激しい攻防となった。

E1 序盤からハイペースE1 序盤からハイペース photo:Hideaki TAKAGIE1 10周目、メイン集団から織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)がアタックE1 10周目、メイン集団から織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)がアタック photo:Hideaki TAKAGI
E1 メイン集団から岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡邉正光(LinkTOHOKU)らがアタックE1 メイン集団から岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡邉正光(LinkTOHOKU)らがアタック photo:Hideaki TAKAGIE1 14周目、アタックした渡邉正光(LinkTOHOKU)に岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が反応E1 14周目、アタックした渡邉正光(LinkTOHOKU)に岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が反応 photo:Hideaki TAKAGI

4周目にまず6人が逃げる。高橋義博(LinkTOHKU)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、国分拓磨(エルドラード・エスペランサ)、白井真人(Y's Road)、梶田歩(Pinazou Test Team)、石橋利晃(湾岸サイクリング・ユナイテッド)がメンバー。のちに奥山太郎(エルドラード・エスペランサ)と伊藤敦弘(チバポンズ)が追走する。

10周目、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)が追走に出て先行していた奥山と伊藤に合流。6人の逃げも数を減らし合流したメンバーで7人の先頭集団が形成される。さらに11周目、本命の岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)、渡邉正光(LinkTOHOKU)がアタックしこれに森田裕紀(LinkTOHOKU)といったんは下がった奥山とともに4人で先頭7人に合流し11人の先頭集団ができる。

E1 スプリントは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先行E1 スプリントは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が先行 photo:Hideaki TAKAGIE1 いわきクリテリウムの雪辱を果たした渡邉正光(LinkTOHOKU)E1 いわきクリテリウムの雪辱を果たした渡邉正光(LinkTOHOKU) photo:Hideaki TAKAGI

この2回にわたるブリッジでできた先頭は強力で、LinkTOHOKU3人と弱虫ペダルサイクリングチーム3人でこの2チームが主導してレースは進む。ここからこの6人を中心としたアタックが連続するが決定的な逃げにはならない。一時は渡邉と岡の2人が先行する場面があるものの11人でのスプリント勝負へ向かう。最終コーナー立ち上がり織田が先行したがこれを渡邉がかわして優勝。激しい攻防も渡邉の圧倒的なスプリントで幕を閉じた。

唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が10kmを独走

F 8周目、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がアタックF 8周目、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)がアタック photo:Hideaki TAKAGIF 逃げ続ける唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)F 逃げ続ける唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Hideaki TAKAGI
F 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が10kmを逃げて優勝F 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が10kmを逃げて優勝 photo:Hideaki TAKAGI
女子のFクラスタは序盤からペースが上がり人数を減らしていく。中村妃智(NSSU日本体育大学)がアタックし独走するが吸収。7周目、集団が2つに割れてさらにそこから唐見が単独アタックすると差は開き後続は追いつけない。結局唐見は10kmにわたり独走を続けて優勝。

JPTスペシャルクリテリウム

Jプロツアーチームが参加したJPTスペシャルクリテリウムが20周43.0kmで行われた。Jプロツアーの成績には反映されないエキシビションレースだ。P1クラスタの46名が出走した。序盤からアタックの応酬になり、3周目に高木三千成(那須ブラーゼン)と水野貴之(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が抜け出しこれに岸崇仁(シエルヴォ奈良ミヤタメリダレーシングチーム)と野口悠真(フィッツグルーン日本ロボティクス)が合流し4人が逃げる。

JPT 地元のエルドラード東北を先頭にスタートJPT 地元のエルドラード東北を先頭にスタート photo:Hideaki TAKAGIJPT 2回目のスプリント賞も高木三千成(那須ブラーゼン)が獲るJPT 2回目のスプリント賞も高木三千成(那須ブラーゼン)が獲る photo:Hideaki TAKAGI

5周目のスプリント賞前に高木が先頭からアタックしこれを獲得。ふたたび4人で逃げ続ける。そして10周目のスプリント賞も水野と競うが高木が獲得する。こののちに先頭は水野と岸のみになりこれもメイン集団が吸収する。残り8周となりメイン集団は愛三工業レーシングチームとチーム右京の2チームが2名ずつ出して終始コントロールする。

愛三工業レーシングチームとチーム右京が完全にコントロール

数人がアタックするが2チームがハイペースでコントロールするメイン集団がこれらを吸収して最終周回へ。散発的なアタックがかかるがこれも2チームが完璧に抑え込んで平塚吉光(愛三工業レーシングチーム)先頭で最終の直線へ。ジェゾン・ヴァラド(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)が先行するが福田真平(愛三工業レーシングチーム)がかわして優勝。2位には下島将輝(那須ブラーゼン)が入った。

JPT 集団は愛三工業レーシングチームとチーム右京が高速でコントロールJPT 集団は愛三工業レーシングチームとチーム右京が高速でコントロール photo:Hideaki TAKAGIJPT 最終周回へ、愛三工業レーシングチームとチーム右京が高速でコントロールJPT 最終周回へ、愛三工業レーシングチームとチーム右京が高速でコントロール photo:Hideaki TAKAGI
JPT 福田真平(愛三工業レーシングチーム)が優勝JPT 福田真平(愛三工業レーシングチーム)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
レースを圧倒的に支配していたのは愛三工業レーシングチームとチーム右京。トップチームにふさわしく福田がその仕上げを担った。那須ブラーゼンも終始レースで動き、最後は新鋭のスプリンター下島が結果を出した。選手たちは詰めかけた大勢の観客の前でJプロツアーのスピードを披露した。

大会開催に向け奔走した中心的メンバーのエルドラード東北 梶木監督

大会開催に向け尽力した梶木恒介氏(エルドラード東北監督)大会開催に向け尽力した梶木恒介氏(エルドラード東北監督) photo:Hideaki TAKAGI「たくさんのお客さんに来ていただけて嬉しいですね。事前告知はポスターを作り仙台市交通局さんには2週間地下鉄全駅に掲示いただいたりいろいろな方に協力をもらいました。自分は仙台出身ではないのですが、仙台に十数年住んで今も復興事業に従事しています。家族も仙台出身です。おかげで知り合いも増えてここまでこぎつけることができました」

「本当の発起人は私ではないのですが、実業団連盟も仙台市も動いてくださって、卸町商工会など強力にバックアップいただき公道レースを開くことができました。来年以降はもちろん続けてもっと大きくしたいですね、もちろんJプロツアーができれば。仙台でファンを増やしたいです。選手を育てるとともにレースをすることで必要とされることをして地域振興を図りたいです」 

E1 表彰E1 表彰 photo:Hideaki TAKAGI
E1 Jエリートツアーリーダーは岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)に戻るE1 Jエリートツアーリーダーは岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)に戻る photo:Hideaki TAKAGIF 表彰F 表彰 photo:Hideaki TAKAGI

E2 関拓真(フィッツ)が優勝E2 関拓真(フィッツ)が優勝 photo:Hideaki TAKAGIE3 松下論喜(Peach MAX)が優勝E3 松下論喜(Peach MAX)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI




結果
E1クラスタ 2.15km×17周=36.5km
1位 渡邉正光(LinkTOHOKU)56分03秒
2位 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
3位 雑賀大輔(湾岸サイクリング・ユナイテッド)
4位 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)+01秒
5位 奥山太郎(エルドラード・エスペランサ)
6位 石橋利晃(湾岸サイクリング・ユナイテッド)

Jエリートツアーリーダー 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)

Fクラスタ 2.15km×12周=25.8km
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)42分05秒
2位 岡本二菜(NSSU日本体育大学)+47秒
3位 ドスサントス・サンドラ(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)+1分30秒

Jフェミニンツアーリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)

E2クラスタ 2.15km×12周=25.8km
1位 関拓真(フィッツ)40分54秒
2位 江越海玖也(横浜高校自転車競技部)
3位 湯浅健生(NSSU日本体育大学)
4位 中川祐輝(TEAM SPORTS KID)
5位 西尾洋介(バルバレーシングクラブ)
6位 吉田昌弘(エルドラード・エスペランサ)

E3クラスタ
 2.15km×9周=19.35km
1位 松下論喜(Peach MAX)29分52秒
2位 木村皆斗(FLECHA)
3位 渋谷秀俊(クラブ二輪倶)+01秒
4位 石神宇(パラティアムTOKYO)
5位 三浦雅人(ブラウ・ブリッツェン)
6位 大喜多将(慶応義塾大学自転車競技部)

JPTスペシャルクリテリウム 2.15km×20周=43.0km
1位 福田真平(愛三工業レーシングチーム)1時間04分56秒
2位 下島将輝(那須ブラーゼン)
3位 ジェゾン・ヴァラド(ニールプライド南信スバルサイクリングチーム)
4位 住吉宏太(チーム右京)
5位 今井勇太(チーム右京)
6位 山本雅道(シエルヴォ奈良ミヤタメリダレーシングチーム)

photo&text:高木秀彰