連日の山岳決戦もいよいよ最終章。最大勾配26%の激坂フィニッシュが設定されたブエルタ・アル・パイスバスコ第5ステージでミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)が逃げ切り勝利を飾りました。総合争いの行方は再び26%の激坂を駆け上がる最終個人タイムトライアルに委ねられます。



激坂アイア峠を駆け上がるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)激坂アイア峠を駆け上がるホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)やナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) photo:Tim de Waele


ブエルタ・アル・パイスバスコ2015第5ステージブエルタ・アル・パイスバスコ2015第5ステージ image:vueltapaisvasco.diariovasco.com登坂距離は2kmに満たないが、コンスタントに20%オーバーの急勾配が続き、最大勾配が26%まで跳ね上がる2級山岳アイア峠。ブエルタ・アル・パイスバスコの山岳決戦を締めくくるこの「アイアの壁」を、別方向からの登坂を含めて合計3回駆け上がってフィニッシュを迎える。

リーダージャージを着て走るセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)リーダージャージを着て走るセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) photo:Tim de Waeleそんな刺激的なコースレイアウトが設定された第5ステージは、序盤から30名の巨大な逃げが先行する形で展開する。逃げ集団を形成したのはローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)やトニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)、ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)、イゴール・アントン(スペイン、モビスター)ら。チームスカイとカチューシャ率いるメイン集団は4分遅れでアップダウンコースを進んだ。

バスク北部の海岸線を行くプロトンバスク北部の海岸線を行くプロトン photo:Tim de Waeleフィニッシュまで20kmを残した最初の2級山岳アイア峠で口火を切ったのは、逃げ集団に3名を送り込んでいたロット・ソウダルのルイス・フェルファーク(ベルギー)。続いてアタックしたレイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ)が激坂で独走を開始する。ここにチームメイトのミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)とティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)、トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ソウダル)、トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)が加わり、アスタナ2名、ロット・ソウダル2名、キャノンデール・ガーミン1名という合計5名が先頭を逃げ続ける。

早めのアタックを仕掛けたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)早めのアタックを仕掛けたミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ) photo:Tim de Waeleメイン集団からは総合13位ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)が攻撃を仕掛け、前から下がってきたマルティンにアシストされながらメイン集団を引き離す。先頭5名から40秒遅れでクヴィアトコウスキー&マルティン、1分20秒遅れでメイン集団という位置関係のまま最後の激坂バトルが始まった。

激坂アイア峠を登るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)激坂アイア峠を登るティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル) photo:Tim de Waeleプロ選手も蛇行を余儀なくされるほどの激坂で先頭はダニエルソン、ランダ、ウェレンスの3名に。カチューシャとモビスターが牽引するメイン集団はこう着状態が続いたが、総合9位サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)のアタックで一気に活性化する。

激坂で逃げメンバーを置き去りにしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)が勝利激坂で逃げメンバーを置き去りにしたミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)が勝利 photo:Tim de Waele先頭では残り1kmでランダがアタックを成功させ、ウェレンスとダニエルソンを振り切ってフィニッシュ。約1分後方では総合争いが加熱し、イェーツを追撃する形でリーダージャージのセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)と総合2位ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)が加速。総合3位ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)はこの動きに対応出来ずに脱落した。

飛び出していたクヴィアトコウスキーは捕らえられ、ライバルたちを引き離したイェーツがステージ優勝者ランダから53秒遅れで激坂頂上にフィニッシュ。エナオモントーヤとロドリゲスは56秒遅れで並んでフィニッシュし、それぞれ総合1位と総合2位の座を守った。22歳のイギリス人イェーツが総合3位に浮上している。

地元バスク出身で、エウスカルテルの解散に伴いアスタナに移籍したランダがステージ優勝。昨年ジロ・デル・トレンティーノでステージ優勝を飾っているが、UCIワールドツアーレースでの勝利はこれが初めて。「一緒に逃げていたアニョーリとターラマエの助けがなければ勝てていなかった。チームの勝利だ」とランダは語っている。

僅差の総合争いに決着をつけるのが最終日の個人タイムトライアル。距離は18.3kmと短いが、終盤のレイアウトは第5ステージと共通している。つまり再び最大勾配26%のアイア峠を駆け上がってフィニッシュを迎える。テクニカルな下りワインディングを含むため、ノーマルのロードバイクで出走する選手が多いはずだ。

選手コメントはチーム公式サイトより。



リーダージャージを守ったセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)リーダージャージを守ったセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) photo:Tim de Waele


ブエルタ・アル・パイスバスコ2015第5ステージ結果
1位 ミケル・ランダ(スペイン、アスタナ)                 4h06’01”
2位 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)              +03”
3位 トム・ダニエルソン(アメリカ、キャノンデール・ガーミン)          +16”
4位 レイン・ターラマエ(エストニア、アスタナ)                 +28”
5位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ソウダル)              +38”
6位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)           +53”
7位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)        +56”
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
9位 トムイェルテ・スラグテル(オランダ、キャノンデール・ガーミン)      +1’05”
10位 アレクシ・ヴィエルモ(フランス、AG2Rラモンディアール)         +1’06”
11位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、エティックス・クイックステップ)+1’08”
12位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
13位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
14位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)               +1’11”

個人総合成績
1位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)      21h20’48”
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)       
3位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)            +07”
4位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)                  +12”
5位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ)                 +22”
6位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
7位 イルヌール・ザッカリン(ロシア、カチューシャ)                +28”
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、モビスター)
9位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)          +36”
10位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)

ポイント賞
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

山岳賞
オマール・フライレ(スペイン、カハルーラル)

スプリント賞
ルイス・フェルファーク(ベルギー、ロット・ソウダル)

チーム総合成績
カチューシャ

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp 
の画像 サイクルスポーツ 2015年 06 月号 [雑誌]
カテゴリー: Book
出版社: 八重洲出版
の画像 BiCYCLE CLUB (バイシクルクラブ)2015年6月号
カテゴリー: Book
出版社: エイ出版社
の画像 ファンライド 2015年 06 月号 [雑誌]
カテゴリー: Book
出版社: アールビーズ